【束の間】と【あっという間】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「束の間」(読み方:つかのま)と「あっという間」(読み方:あっというま)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「束の間」と「あっという間」という言葉は、どちらも時間の短さを表すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「束の間」と「あっという間」の違い

「束の間」と「あっという間」の意味の違い

「束の間」と「あっという間」の違いを分かりやすく言うと、「束の間」は短い時間しか続かなかった状態や出来事に対して使う、「あっという間」は体感的に時間が早く過ぎたこと対して使うという違いです。

「束の間」と「あっという間」の使い方の違い

一つ目の「束の間」を使った分かりやすい例としては、「束の間の再会に昔の気持ちがよみがえった」「束の間の安心感に浸ってしまった自分がいます」「束の間でも平和が訪れることを祈っています」「彼との再会は束の間だった」などがあります。

二つ目の「あっという間」を使った分かりやすい例としては、「夏休みはあっという間に終わってしまった」「あっという間に彼の姿が見えなくなった」「会話が弾んであっという間に時間が過ぎてしまいました」「休日はあっという間に終わった」などがあります。

「束の間」と「あっという間」の使い分け方

「束の間」と「あっという間」はどちらも時間の短さを表すことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「束の間」は「静けさは束の間で、すぐに騒がしさが戻ってきた」のように、短い時間続いた状態がすぐに終わってしまうことに対して使う言葉になります。つまり、「せっかくの時間だったのにすぐ終わった」という儚さや惜しさといったニュアンスが含まれます。

一方、「あっという間」は「楽しい休日はあっという間に終わってしまった」のように、主観的に時間が非常に早く過ぎたと感じるときに使う言葉です。そのため、何かに集中していたり、楽しかったり、忙しかったりして、気がつくと時間が過ぎていた、という体感的な早さを表すことが多いです。

つまり、「束の間」は短い時間しか続かなかった状態や出来事に対して使う表現、「あっという間」は体感的に時間が早く過ぎたこと対して使う表現だと覚えておくとよいでしょう。

「束の間」と「あっという間」の英語表記の違い

「束の間」を英語にすると「for a brief moment」「momentarily」となり、例えば上記の「彼との再会は束の間だった」を英語にすると「My reunion with him was just for a fleeting moment」となります。

一方、「あっという間」を英語にすると「in the blink of an eye」「before I knew it」となり、例えば上記の「休日はあっという間に終わった」を英語にすると「The holiday was over in the blink of an eye」となります。

「束の間」の意味

「束の間」とは

「束の間」とは、ちょっとの間のことを意味しています。

表現方法は「束の間のひととき」「束の間の時間」

「束の間のひととき」「束の間の時間」などが、「束の間」を使った一般的な言い回しになります。

「束の間」の使い方

「束の間」を使った分かりやすい例としては、「静寂は束の間ですぐに騒音が戻ってきた」「束の間の夢から目が覚めて現実に引き戻された」「束の間の喜びにすがっても長続きはしないものです」「彼女の笑顔は束の間だったが印象的でした」などがあります。

「束の間」はほんのわずかな時間や一瞬の出来事を表す言葉です。また、忙しさや慌ただしさの中でふと訪れる短い時間を指すことが多く、安らぎ、静けさ、喜びなどの良い意味で使われることが多いです。

例えば、仕事の合間に訪れる休憩時間や、旅先でふと感じる自然の美しさ、騒がしい日常の中でふと訪れる静寂などがあります。そうした一瞬だけど心に残る時間が「束の間」として表現されるのです。

「束の間」は多くの場合、感覚的に一瞬だったと感じる時間や、思わず過ぎてしまった時間に対して用いるのが特徴です。また、何かに没頭していたり、夢中になっていた時間がすぐに過ぎてしまったときにもよく使われます。

「束の間」の類語

「束の間」の類語・類義語としては、時間的な短さなことを意味する「一瞬」があります。

「あっという間」の意味

「あっという間」とは

「あっという間」とは、ほんのわずかな時間のことを意味しています。

表現方法は「あっという間に時間がすぎる」「あっという間でした」

「あっという間に時間がすぎる」「あっという間でした」などが、「あっという間」を使った一般的な言い回しになります。

「あっという間」の使い方

「あっという間」を使った分かりやすい例としては、「あっという間に列に人が並び始めました」「彼女はあっという間に人気者になりました」「あっという間に問題が解決して驚いた」「楽しい時間はいつもあっという間に感じます」などがあります。

「あっという間」は、物事が非常に短い時間で終わってしまったと感じる瞬間や、時の流れが非常に速く感じられる状況を表す言葉です。驚きや感慨をともなうことが多く、気がついたら終わっていたという感覚を含んで使われています。

例えば、楽しい時間を過ごした後や、目の前の出来事に集中していたときなど、充実していたからこと、「あっという間」と感じるのです。

「あっという間」の特徴

「あっという間」は単に時間の短さを表すだけではなく、その時間がいかに速く過ぎ去ったと感じたかという主観的な驚きや感情も含んでいる点が特徴です。したがって、ネガティブな文脈よりも、楽しい、忙しい、充実していたなどのプラスのイメージで使うと覚えておきましょう。

「あっという間」の類語

「あっという間」の類語・類義語としては、非常に短時間で何かが終わることを意味する「すぐさま」があります。

「束の間」の例文

1.雨が上がり、束の間でしたが青空が見えて気持ちが晴れました。
2.束の間の休息でしたが、とても充実した時間を過ごせました。
3.束の間とはいえ、あなたと会話できてうれしかったです。
4.束の間の静けさに心が癒やされ、眠気が訪れました。
5.忙しい毎日の中で、束の間の自由時間が何よりの楽しみです。

この言葉がよく使われる場面としては、ちょっとの間のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「束の間」は短い時間しか続かなかった状態や出来事に対して使う言葉です。

「あっという間」の例文

1.楽しかった時間は、あっという間に過ぎてしまいました。
2.昨日の旅行もあっという間で、少し物足りなさを感じました。
3.子どもたちの成長は本当にあっという間ですね。
4.気づけば夕方で、あっという間に一日が終わってしまいました。
5.あっという間の出来事でしたが、心に強く残っています。

この言葉がよく使われる場面としては、ほんのわずかな時間のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「あっという間」は体感的に時間が早く過ぎたことを表す言葉です。

「束の間」と「あっという間」はどちらも時間の短さを表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、「束の間」は短い時間しか続かなかった状態や出来事に対して使う表現、「あっという間」は体感的に時間が早く過ぎたことを表す表現だと覚えておくとよいでしょう。

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