似た意味を持つ「ミイラ」と「ゾンビ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ミイラ」と「ゾンビ」という言葉は、「死体」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ミイラとゾンビの違い
ミイラとゾンビの意味の違い
ミイラとゾンビの違いを分かりやすく言うと、ミイラは動かない死体を表現する時に使い、ゾンビは動き回る死体を表現する時に使うという違いです。
ミイラとゾンビの使い方の違い
一つ目のミイラを使った分かりやすい例としては、「ミイラを見る機会が今までなかったが博物館に展示されていると聞いた」「ミイラ男の仮装が一番楽だと思っている」「ミイラ取りがミイラにならないよう慎重に行動する」などがあります。
二つ目のゾンビを使った分かりやすい例としては、「友人はゾンビ映画を見るのが好きらしい」「ゾンビを撃ち抜くゲームはとても苦手だ」「ゾンビ化したバイト先が接客メインではないのだけが救いだろうか」などがあります。
ミイラとゾンビの使い分け方
ミイラとゾンビはどちらも、死体を表しますが、特徴がそれぞれ異なります。
ミイラは、人間や動物の死体が腐敗せずに原形に近い状態を保っているものを指す言葉です。加工されたり、自然に乾燥したりと様々ですが、実際に存在し、動き出すことがない点が特徴と言えます。
一方のゾンビは、死体のままよみがえった人間を指します。ファンタジー作品などに「歩く死体」などとして多く登場しています。その他にも、「ゾンビ社員」「ゾンビ化」などのように、やる気のない状態を意味する言葉としても使われています。
つまり、ミイラは動かない死体を指し、ゾンビは動き回る死体を指すという違いがあります。
ミイラとゾンビの英語表記の違い
ミイラを英語にすると「mummy」となり、例えば上記の「ミイラを見る」を英語にすると「see a mummy」となります。一方、ゾンビを英語にすると「zombie」となり、例えば上記の「ゾンビ映画を見る」を英語にすると「watch zombie movies」となります。
ミイラの意味
ミイラとは
ミイラとは、人間や動物の死体が腐敗せずに原形に近い状態を保っているものを意味しています。
ミイラの使い方
ミイラを使った分かりやすい例としては、「ミイラ取りがミイラになるくらいなら、ここで救援を待った方が良い」「ミイラはゲームなどではモンスターとして登場することも多い」「ミイラ男の仮装をハロウィンですることになった」などがあります。
その他にも、「日本にもミイラが存在し、学術調査が行われているそうだ」「ミイラ化させることをエンバーミングと呼ぶそうだ」「ミイラが突然動き出すゲームはびっくりしてしまう」「過去の偉人はまれにミイラとして厳重に保存されている」などがあります。
ミイラは英語で「mummy」と表記され、「乾燥させ包まれた死体」「干からびたもの」「痩せこけた人」といった意味を持つ言葉です。漢字では「木乃伊」と書かれることもあります。
人為的に加工される、もしくは自然に乾燥させることで腐敗させないよう残される人間や動物の死体を指し、復活信仰も存在していたことから紀元前より作られてきました。日本の仏教では僧が迷走状態のまま絶命しミイラ化した場合、「即身仏」と呼ばれます。
表現方法は「ミイラ取りがミイラになる」
上記例文の「ミイラ取りがミイラになる」とは、人を探しに行った者がそのまま帰ってこず、探される立場になってしまうことや、人を説得しようとした者がかえって説得されてしまうことを意味することわざです。
ミイラの対義語
ミイラの対義語・反対語としては、生きているものや生きているからだを意味する「生体」があります。
ミイラの類語
ミイラの類語・類義語としては、人や動物の死んだ体を意味する「死骸」、亡くなった人の残された体を意味する「亡骸」、過去の生物の遺体や生活の痕跡を意味する「化石」などがあります。
ゾンビの意味
ゾンビとは
ゾンビとは、死体のままよみがえった人間を意味しています。
その他にも、やる気のない状態を意味する言葉として使われています。
ゾンビの使い方
「ゾンビがいると彼女が指をさしたのはハロウィンで仮装した人だった」「ゾンビを撃退して逃げるゲームは実況だけで十分だ」「ゾンビは写真ででも見れない」などの文中で使われているゾンビは、「死体のままよみがえった人間」の意味で使われています。
一方、「会社の後輩はゾンビ社員と呼ばれている」「上司が変わってからこの課はゾンビ化してしまったように思う」「ゾンビロボットとしてバイトをしている気分だ」などの文中で使われているゾンビは、「やる気のない状態」の意味で使われています。
ゾンビは英語で「zombie」と表記され、「生き返らされた死体」「無気力な人」「のろま」といった意味を持つ言葉です。日本では、ホラー作品やファンタジー作品などに多く登場し、生きる死体として扱われています。
ゾンビの語源
ブードゥー教の司祭によって死体が腐り始める前に墓から掘り出され、その死体の名前を呼び続けることで墓から起き上がるとされています。のちにその死体を奴隷として働かせて続けたという言い伝えがあり、これがゾンビの起源とされています。
また、「無気力な人」「やる気のない状態」を表すこともあり、上記例文の「ゾンビ社員」「ゾンビ化」「ゾンビロボット」などのように、人や職場などの環境に対しても用いられることがあります。
ゾンビの対義語
ゾンビの対義語・反対語としては、生命のあるものを意味する「生者」があります。
ゾンビの類語
ゾンビの類語・類義語としては、死後も生き続ける存在を意味する「アンデッド」、生前の状態を保った死体を意味する「キョンシー」、死んでもよみがえることができる鳥を意味する「フェニックス」などがあります。
ミイラの例文
この言葉がよく使われる場面としては、人間や動物の死体が腐敗せずに原形に近い状態を保っているものを意味する時などが挙げられます。
どの例文のミイラも、人や動物の死体が腐敗しないように保存されたものを指し、基本的に動くことはありません。
ゾンビの例文
この言葉がよく使われる場面としては、死体のままよみがえった人間を意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、やる気のない状態を意味する言葉としても使われています。
ミイラとゾンビは、どちらも「死体」を表します。どちらを使うか迷った場合は、動かない死体を表す場合は「ミイラ」を、動き回る死体を表す場合は「ゾンビ」を使うと覚えておけば間違いありません。