【命中】と【的中】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「命中」(読み方:めいちゅう)と「的中」(読み方:てきちゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「命中」と「的中」という言葉は、どちらも「標的に当たること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




命中と的中の違い

命中と的中の違いを分かりやすく言うと、命中とは標的に当たることを表し、的中とは標的に当たることだけでなく予測が当たることも表すという違いです。

一つ目の命中を使った分かりやすい例としては、「標的に命中する確率は50%です」「ズバリ命中させる方法を教えましょう」「ドローンが敵の戦車に命中した」「命中率を上げる技は門外不出です」などがあります。

二つ目の的中を使った分かりやすい例としては、「射撃の的中率を向上させる訓練を行う」「確実に的中させるテクニックがあります」「馬券が的中して払戻金を受け取った」「絶対的中するという占い師を紹介してもらいました」などがあります。

命中と的中という言葉は、どちらもターゲットや的に当たることを意味し、矢や銃弾などが物理的に当たることを表します。この意味で用いられている「標的に命中する確率」「射撃の的中率」の命中と的中は、互いに置き換えても意味は変わりません。

さらに的中という言葉は、物理的なものだけでなく概念的なものに関しても使用することができます。的中は、事前に予測または見当していたことがその通りになることも表現する言葉です。この用法は命中にはないため、「馬券が的中する」の的中は、命中という言葉に置き換えることはできません。

つまり、命中は目標物に当たることのみを表しますが、的中は予測や見当が当たることも表現します。二つの言葉を比べると、命中よりも的中の方が広い意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えるでしょう。

命中も的中も英語にすると「hit」となり、例えば上記の「標的に命中する」を英語にすると「hit the target」となります。

命中の意味

命中とは、弾丸や矢などが狙った所に当たることを意味しています。

命中を使った分かりやすい例としては、「遠距離でのミサイル攻撃はほとんど命中しなかった」「発射弾数に対する命中弾数の割合を計算する」「命中精度の高いハンドエアガンを注文しました」などがあります。

その他にも、「命中値が回避値よりも高い」「命中率によってランク付けされます」「命中率を上げる道具を手に入れました」「命中率を上げるにはちょっとしたコツがあります」「BB弾発射して頭に命中させた」などがあります。

命中の「命」は、訓読みで「いのち」と読み、生命や目標とするものを表し、「中」は訓読みで「なか」と読み、物の真ん中を表す漢字です。命中とは、目当てとするところにあたること、急所に当たることを意味します。

命中を用いた日本語には「命中率」があります。命中率とは、どれくらいの確率で当たるかを示す数値を意味します。命中率は高ければ高いほど当たりやすくなる傾向にありますが、絶対的な指標ではなく目安とするものです。

命中の対義語・反対語としては、目標からはずれることを意味する「的外れ」などがあります。

命中の類語・類義語としては、矢や弾丸や玉などが狙った所に命中することを意味する「当たり」、物を投げて当てることを意味する「ぶつける」、激しく突いて当てることを意味する「突き当てる」、打つことや命中することを意味する「ヒット」などがあります。

的中の意味

的中とは、矢や弾丸が的(まと)に当たること、命中を意味しています。

その他にも、「予測や見当などが当たること」の意味も持っています。

「弾丸はターゲットのど真ん中に的中した」「すべての矢を見事に的中させた」「弓道で使う的中定規を買いに行く」などの文中で使われている的中は、「矢や弾丸が的に当たること」の意味で使われています。

一方、「英語の予想問題がズバリ的中しました」「競艇の的中率の計算方法を教えてください」「的中者がいない場合はキャリーオーバーになります」などの文中で使われている的中は、「予測・見当などがあたること」の意味で使われています。

的中は「適中」とも書きますが、一般的には「的中」と表記されています。

的中とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。的中の「的」は訓読みで「まと」と読み、狙ったり目指したりする対象を表します。

的中を意味する四字熟語には「百発百中」があります。百発百中とは、放った矢や弾丸が必ず命中することを意味し、比喩的に計画や予想がすべて的中することの意味でも用いられています。

的中の対義語・反対語としては、推測や判断を誤ることを意味する「見当はずれ」などがあります。

的中の類語・類義語としては、放った矢や弾丸が必ず命中することを意味する「百発百中」、予想などがぴたりと当たることを意味する「大当たり」、予想が的中したときに発する歓声を意味する「ビンゴ」などがあります。

命中の例文

1.ボクシングで命中率を上げるために、パンチのスピードとキレを高めるトレーニングしています。
2.ミサイルの命中精度は、ターゲットまでの距離が長くなるほど低下します。
3.市街地に迷い込んだクマに麻酔弾が命中しましたが、そのまま逃げてしまいました。
4.ストラックアウトに挑戦してみたら、真ん中のパネルに命中させることができました。
5.投げたボールが英語の先生の頭に命中し、反省文を書くはめになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、目当てとするところに当たること、まさしくそのものに当たることを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「命中精度」とは、目標に対してどれだけ正確に銃弾などの飛翔体を到達させられるかを示す指標です。

的中の例文

1.弓道で的中率を上げたいのであれば、体幹を鍛えて正しいフォームを身に付けてください。
2.私の夢は、数字選択式の宝くじで的中させて億万長者になることです。
3.生まれて初めて買った馬券が予想的中し、なんと3万円の儲けになりました。
4.必ず的中する馬券なんてものはないので、安易に飛びついてはいけません。
5.今日の英語のテストは予想が的中し、これまでにない高得点が期待できそうです。

この言葉がよく使われる場面としては、的にあたること、転じて予想・予言・処方などがうまくあたることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「的中」は的に当たることを意味し、「命中」という言葉に言い換えることが可能です。例文2から例文5にある的中は、予想などがうまく当たることの意味で用いられています。

命中と的中という言葉は、どちらも「標的に当たること」を表します。さらに的中という言葉には、予測や見当などが当たることの意味もあることを覚えておきましょう。

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