今日の買取件数:20件/今月の買取件数:560件/累計買取件数:27,606件

【競合】と【競業】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「競合」(読み方:きょうごう)と「競業」(読み方:きょうぎょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「競合」と「競業」という言葉は、どちらも「競い合うこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




競合と競業の違い

競合と競業の意味の違い

競合と競業の違いを分かりやすく言うと、競合とは競い合うこと全般を表し、競業とはビジネスで競い合うことのみを表すという違いです。

競合と競業の使い方の違い

一つ目の競合を使った分かりやすい例としては、「競合他社をよく分析するべきです」「競合相手の情報を収集する」「ドラフトで3球団以上競合した選手を紹介します」「インストール時に競合するソフトが表示された」などがあります。

二つ目の競業を使った分かりやすい例としては、「就業規則で競業の禁止が定められている」「退職後の競業避止義務は何年ですか」「競業避止義務を含む秘密保持契約を交わす」「競業行為を理由に懲戒解雇されました」などがあります。

競合と競業の使い分け方

競合と競業という言葉は、どちらも「競い合うこと、競争すること」を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

競合とは、互いに競争していることを意味し、幅広い場面で使用される言葉です。ビジネスでは、競争相手である他の企業を「競合他社」と言い表します。また、「請求権競合」「観念的競合」のように法律の分野や、「競合するソフト」のようにコンピュータの用語としても使用されています。

競業とは、営業上の競争を意味し、ビジネスに関して使用される言葉です。就業規則にある「競業の禁止」とは、労働者が所属する企業と競争関係にある企業への転職や、競合するような会社の設立などを禁ずることです。

つまり、競合とは競い合うこと全般を表す言葉であり、競業とはビジネス上の競争にフォーカスした言葉です。二つの言葉を比べると、競業よりも競合の方が、幅広く使用できる汎用性のある言葉だと言えるでしょう。

競合と競業の英語表記の違い

競合を英語にすると「competition」「rivalry」「conflict」となり、例えば上記の「競合相手」を英語にすると「a competitor」となります。

一方、競業を英語にすると「business competition」となり、例えば上記の「競業の禁止」を英語にすると「prohibition of business competition」となります。

競合の意味

競合とは

競合とは、競り合うこと、競い合うことを意味しています。

その他にも、「私法上、単一の事実または要件について、評価あるいはその効果が重複すること、また、刑法で同一行為が数個の罪名にあたること」「コンピューターで、異なるソフトウエアが同じファイルにアクセスすることで、データ更新の整合性が失われたりすること」の意味も持っています。

競合の読み方

競合の読み方は「きょうごう」です。誤って「けいごう」「けいあい」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「競合相手」「競合する」

「競合相手」「競合する」などが、競合を使った一般的な言い回しです。

競合の使い方

「競合他社が多い市場でビジネスを展開する」「競合分析のうえで差別化を図る」「酵素の非競合阻害剤を添加する」「競合調査を専門家へ依頼する」「フレームワークを活用した競合分析を行う」などの文中で使われている競合は、「競り合うこと」の意味で使われています。

一方、「請求権競合の事例を探す」「法条競合論を読み解く」の文中で使われている競合は「私法上の効果が重複すること、刑法で数個の罪名にあたること」の意味で、「PCを再起動して競合状態を回避する」の文中で使われている競合は「データ更新の整合性が失われること」の意味で使われています。

競合とは、文字通り「競い合うこと」を意味し、一般的に互いに競り合っている様子を表します。法律用語としては、二つ以上の権利等が同時に成立することや重複併存することなどを意味し、IT用語としては、プログラム同士の衝突や競合によって発生するエラーを指す言葉です。

「競合他社」の意味

上記の例文にある「競合他社」とは、自社と同じ市場で顧客を狙っている、ビジネス上の競争相手である企業を指します。競合他社を詳細に分析することにより、自社の競争優位性などを導き出そうとすることを「競合分析」と言います。

「競合阻害」の意味

競合を用いた日本語には「競合阻害」があります。競合阻害とは、おもに薬品業界で使用される言葉であり、基質と構造の類似した物質が酵素の活性部位を奪いあう形式の阻害のことです。医薬品、農薬、殺虫剤などに利用され、「拮抗阻害」「競争的阻害」とも言います。

競合の対義語

競合の対義語・反対語としては、複数の人または団体が力を合わせて物事を行うことを意味する「協同」などがあります。

競合の類語

競合の類語・類義語としては、同じ目的に向かって勝敗や優劣を競い合うことを意味する「競争」、互いに争うことを意味する「角逐」、勝ち負けを決めようとして争うことを意味する「勝負」、対立して争うことを意味する「せめぎ合う」などがあります。

競業の意味

競業とは

競業とは、営業上の競争を意味しています。

競業の読み方

競業の読み方は「きょうぎょう」です。同じ読み方をする熟語に「協業」がありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。

表現方法は「競業避止」「競業禁止」「競業行為」

「競業避止」「競業禁止」「競業行為」などが、競業を使った一般的な言い回しです。

競業の使い方

競業を使った分かりやすい例としては、「競業避止義務により競合他社に転職できません」「競業行為をしてはならない」「競業避止義務に関する誓約書の効力について調べる」「競業避止義務契約の有効性を判断する」などがあります。

その他にも、「取締役会の承認を得て競業取引をする」「競業避止義務違反した場合はどうなりますか」「競業避止契約書を英語に訳す」「競業避止義務は誓約書にサインしないかぎり負いません」などがあります。

競業とは、ビジネスでの競争を意味し、似たような商品やサービスを展開する複数の会社が、同じ市場や顧客を取り合って競い合うことを表します。競業の「競」は訓読みで「きそう」と読み、勝敗や優劣を争って張り合うこと、「業」は生活のために行う仕事を表す漢字です。

「競業避止義務」の意味

競業を用いた日本語には「競業避止義務」(読み方:きょうぎょうひしぎむ)があります。競業避止義務とは、労働者は所属する企業と競合する会社に就職したり、競合する会社を自ら設立したりするなどの競業行為を行ってはならないという義務のことです。

競業の対義語

競業の対義語・反対語としては、互いに助け合うことや共同で物事を行うこを意味する「提携」などがあります。

競業の類語

競業の類語・類義語としては、刀で切り合うことや激しく争うことを意味する「しのぎを削る」、両者が面と向かい合って事の決着をつけることを意味する「対決」、互いに張り合うことを意味する「対抗」などがあります。

競合の例文

1.インターネットにあった競合他社の調べ方では、欲しい情報が手に入りませんでした。
2.このセミナーでは、ビジネス戦略の改善につながる競合分析とは何かをご紹介いたします。
3.競合相手との競争に勝ちたいのであれば、自社の優位性を大いにアピールすることです。
4.判例をみると、公務執行妨害罪は観念的競合が成立することが多いようです。
5.セキュリティソフトをインストールしようとしたら、「競合するアプリケーションを検出しました」というメッセージが表示された。
6.この企画ではおそらく大手と競合するし勝ち目はないので特徴を絞り込み差別化を図るなど独自の戦略を立てた方がいいだろう。
7.競合他社の分析から、まだ参入していないブルーオーシャン市場を発見し、差別化できるサービスを開発することで、成功率を高めた。
8.複数の権利が競合する場合、法律に基づき優先順位を定めることで、紛争を防止する必要がある。
9.競合相手が新しい製品を発売するたびに、我々も自社の製品を改良し、競争力を維持しなければなりません。
10.野球のことをわからなくても、ドラフトで3球団以上競合した選手には、優れた才能があることくらいはわかります。

この言葉がよく使われる場面としては、互いに競り合うこと、私法で評価や効果が重複すること、刑法で数個の罪名にあたること、コンピュータ内で複数のタスクが同じデータベースにアクセスしようと争うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、競合という言葉は、ビジネスシーンだけでなく、法律やコンピュータの分野でも使用されています。例文2の「観念的競合」とは、一個の行為が同時に数個の罪名に触れることを意味します。

競業の例文

1.就業規則を見直すにあたり、競業避止義務について顧問弁護士に意見をもらいました。
2.入社する際に、退職後1年間は競業関係にある事業者に就職しない旨の誓約書にサインしました。
3.従業員は、会社の利益に著しく反する競業行為は差し控える義務があります。
4.競業避止義務の誓約書の意味が分からなかったので、とりあえずサインしないでおくことにした。
5.会社を辞めた後まで競業避止義務を負うことに、納得できないと考える人もいます。
6.退職後も競合企業への転職を禁じたい場合は、自社の就業規則に明記しておく必要があります。
7.先日、退職した従業員が競合他社に転職したとの情報を得ました。競業避止義務に違反している可能性があるので、調査を指示します。
8.再三の警告にもかかわらず、従業員が競業行為を継続した場合には、懲戒処分を検討します。
9.両社とも洋菓子製造販売業を営んでいるから競業取引にあたるというのは、あまりにも暴論だと思う。
10.弊社では競業避止義務を含む秘密保持契約を全ての従業員に課しており、機密情報の保護と競業行為の防止を図っています。

この言葉がよく使われる場面としては、営業上の競争をすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、競合という言葉は、主にビジネスシーンで使用されています。「競業」の慣用的な表現には「競業関係」「競業行為」「競業避止義務」などがあります。

競合と競業という言葉は、どちらも「競い合うこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、競い合うこと全般を表現したい時は「競合」を、ビジネスで競い合うことを表現したい時は「競業」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター