【注文】と【発注】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「注文」(読み方:ちゅうもん)と「発注」(読み方:はっちゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「注文」と「発注」という言葉は、どちらも「商品の購入を依頼すること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




注文と発注の違い

注文と発注の意味の違い

注文と発注の違いを分かりやすく言うと、注文とは個人が依頼する時に使用し、発注とは事業者が依頼する時に使用するという違いです。

注文と発注の使い方の違い

一つ目の注文を使った分かりやすい例としては、「SNSに掲載している商品を注文する」「注文書をメールで送りました」「私の愛読書は注文の多い料理店です」「注文請書に収入印紙は必要ですか」などがあります。

二つ目の発注を使った分かりやすい例としては、「取り急ぎ発注依頼のメールを送る」「AIを活用して発注作業を簡単にする」「スマホでも簡単に発注できます」「受発注業務の流れを確認する」などがあります。

注文と発注の使い分け方

注文と発注という言葉は、どちらも商品の購入やサービスの提供などを依頼することを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

注文とは、商品名や数量などを指定して、購入や配達を依頼することを意味します。おもに個人が飲食店で料理をオーダーしたり、オンラインストアで物品を購入する際に使用される言葉です。「注文請書」とは、発注者からの申し込みに対して承諾の意思を示す事業者が発行する書類です。

発注とは、注文を出すことを意味し、おもに事業者間の取引で使用されることが多い言葉です。「発注作業」とは、企業が取引先であるサプライヤーに、商品やサービスの生産や納品を依頼する一連の業務のことです。

つまり、注文とは個人間の取引や個人が事業者に依頼する時に使われる言葉であり、発注とは企業間の取引に使用される言葉です。二つの言葉は似ていますが、使い方には違いがあるので注意しましょう。

注文と発注の英語表記の違い

注文も発注も英語にすると「order」となり、例えば上記の「注文をキャンセルする」を英語にすると「cancel an order」となります。

注文の意味

注文とは

注文とは、種類・寸法・数量・価格などを示して、その物品の製造や配達・購入などを依頼することを意味しています。

その他にも、「人に依頼したり、自分が希望したりするときにつける条件」「注進状」「文書、書き付け」の意味も持っています。

注文の表記方法

注文は「註文」とも書きますが、一般的には「注文」と表記されています。

注文の使い方

「ネット注文は便利ですね」「amazonの注文履歴を確認する」の文中で使われている注文は「物品の製造や購入などを依頼すること」の意味で、「注文住宅の間取りは自由に決められます」の文中で使われている注文は「人に依頼するときにつける条件」の意味で使われています。

一方、「勲功者の名を連ねた注文を送った」などの文中で使われている注文は「注進状」の意味で、「わざわざ注文にして机の引き出しに入れておく」の文中で使われている注文は「書き付け」の意味で使われています。

注文とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。注文の「注」は記すことや要件を書きつけることを表し、「文」は文字で書き記したものを表す漢字です。

「注文住宅」の意味

注文を用いた日本語には「注文住宅」があります。注文住宅とは、購入した土地や所有する土地に、住宅メーカーや工務店などに注文して建てる住宅のことです。建て主の意向に沿った設計で建築することが可能です。

注文の対義語

注文の対義語・反対語としては、注文や契約などを取り消すことを意味する「キャンセル」などがあります。

注文の類語

注文の類語・類義語としては、用事を言いつけることを意味する「用命」、指定や条件などを加えて注文することを意味する「特注」、物事の実現を強く求めることを意味する「要望」、要求や要望を意味する「リクエスト」などがあります。

発注の意味

発注とは

発注とは、注文を出すことを意味しています。

発注の表記方法

発注は「発註」とも書きますが、一般的には「発注」と表記します。

発注の使い方

発注を使った分かりやすい例としては、「受発注システムを導入しました」「妥当な発注点を算出する」「テンプレートを利用して発注書を作成する」「発注ミスをしないように気を付けてください」などがあります。

その他にも、「英語の教材を3セット発注しました」「ポスターに使うイラストを発注する」「Webから書籍を発注依頼する」「発注メールの書き方を教えてください」「アルバイトに発注を任せています」などがあります。

発注の「発」は訓読みで「はなつ」と読み、外部や世間に向けて出すことを表す漢字です。書き記すことを表す「注」と組み合わさり、発注とは、注文を出すこと、注文することを意味します。

「受発注システム」の意味

発注を用いた日本語には「受発注システム」があります。受発注システムとは、様々な商品の受注と発注を一元的に管理できるシステムを意味します。多くはインターネット通信を活用し、オンライン上でやりとりを完結させることができます。

発注の対義語

発注の対義語・反対語としては、注文を受けることを意味する「受注」などがあります。

発注の類語

発注の類語・類義語としては、申し込むことやその手続きを意味する「申し込み」、仕事の一部を外部に注文してさせることを意味する「外注」、人に用件を頼むことを意味する「依頼」、注文や発注を意味する「オーダー」などがあります。

注文の例文

1.お忙しいところ恐れ入りますが、昨日注文した漢字の練習帳は届いていますか。
2.移住して二週間が経ち、ファーストフードを英語で注文できるようになりました。
3.海外のレストランで注文する時に役に立つ英語のフレーズを教えてあげましょう。
4.今日の国語の宿題は、宮沢賢治の「注文の多い料理店」のあらすじをまとめることです。
5.注文住宅の相場は、建築資材の高騰にともなって年々上昇しています。

この言葉がよく使われる場面としては、品種や数量どを指定して製作や購入などを依頼すること、あらかじめ申し送る希望、ある事柄についての要件を列記した文書を表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「注文の多い料理店」とは、童話作家である宮沢賢治の代表作の一つです。山奥を訪れた2人の青年紳士が、客に様々な注文を求める不思議な西洋料理店に入り、最終的に山の化け物に襲われるというあらすじです。

発注の例文

1.テレビで紹介された英語の参考書が売り切れてしまったため、急いで出版社に発注しました。
2.取引先との受発注業務をシステム化することで、業務の効率化を図ることができます。
3.メールで発注するメリット最大のメリットは、納品までの時間を短縮することです。
4.発注メールの書き方のポイントを、できるだけ分かりやすく新入社員に説明しました。
5.誰でも簡単に発注できるように、発注依頼書のテンプレートを社内の共有フォルダに格納しています。

この言葉がよく使われる場面としては、注文すること、注文を出すことを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「発注依頼書」とは、商品の注文やサービスの依頼をする際に、発注者が受注者に対して発行する書類です。「発注書」「注文書」とも呼ばれています。

注文と発注という言葉は、どちらも「物品の購入などを申し込むこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、個人が申し込むことを表現したい時は「注文」を、事業者が申し込むことを表現したい時は「発注」を使うようにしましょう。

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