【言い草】と【言い種】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「いいぐさ」という読み方の「言い草」と「言い種」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「言い草」と「言い種」という言葉は、どちらも発言の仕方に関することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「言い草」と「言い種」の違い

「言い草」と「言い種」の違いを分かりやすく言うと、「言い草」は公用文で使える、「言い種」は公用文で使えないという違いです。

一つ目の「言い草」を使った分かりやすい例としては、「彼の言い草には皮肉が混じっている」「冗談めかした言い草にみんなが笑った」「言い草ひとつで印象が変わるものです」「その言い草は少し冷たく感じる」「その言い草は感じが悪い」などがあります。

二つ目の「言い種」を使った分かりやすい例としては、「皮肉な言い種をしてしまい後悔した」「言い種に感心してしまう場面だった」「言い種をメモして後で引用した」「その言い種には独特のセンスがある」「そんな言い種をしてはいけない」などがあります。

「言い草」と「言い種」はどちらも発言の仕方に関することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

結論から言ってしまうと、「言い草」は公用文で使えるのに対して、「言い種」は公用文で使えないというのが違いです。

ではなぜ「言い種」が公用文で使えないのかというと、常用漢字表に載っていない読み方だからです。

常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。

常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。

あくまで公用文だけなので、カジュアルな場面などにおいてはどちらを使用しても問題ないと覚えておきましょう。

「言い草」も「言い種」も英語にすると「way of speaking」「remark」「turn of phrase」となり、例えば上記の「その言い草は感じが悪い」を英語にすると「That remark sounds unpleasant」となります。

「言い草」の意味

「言い草」とは、人が言った言葉やその言い方のことを意味しています。

「言い草」を使った分かりやすい例としては、「言い草が厳しすぎて場が凍った」「皮肉な言い草をして相手を怒らせた」「彼の言い草はいつも遠回しだ」「言い草を工夫すればもっと伝わる」「失礼な言い草をしてしまい反省している」などがあります。

「言い草」は、ある人が何かを言ったときの言い方や口ぶりを意味する言葉です。また、言った内容そのものを指す場合もあります。主に、その言葉が持つニュアンスや態度、響きに注目して使われる表現です。

「言い草」は人の発言や表現の仕方を評価する場合に使う言葉なので、物や自然現象などに対しては使いません。もし、発言そのものではなく文章や言葉遣いを指したい場合は、「言い回し」や「表現」などを使う方が適切です。

「言い草」は常用漢字表に載っている言葉なので、公用文や新聞などの公的な場面でも使うことができます。ただし、少しくだけた響きがあるため、ビジネス文書などでは「言い回し」「発言内容」などに置き換えるとより無難です。

「言い草」の類語・類義語としては、言葉の表現方法や言い方を指す「言い回し」、ものの言い方や調子を表す「口ぶり」などがあります。

「言い種」の意味

「言い種」とは、人が言った言葉やその言い方のことを意味しています。

「言い種」の読み方は「いいぐさ」です。誤って「いいだね」や「いいたね」と読まないようにしましょう。

「言い種」を使った分かりやすい例としては、「彼の言い種はユーモアがあふれている」「言い種が妙に含みのある言い方だった」「言い種ひとつで場の雰囲気が和む」「言い種を変えれば誤解は防げたはずだ」「そんな言い種は聞いたことがない」などがあります。

「言い種」は、人が言った言葉や発言の内容を意味する言葉です。

「言い種」は発言の内容そのものを指す場合に使う言葉なので、口調や言い方を指したい場合は「言い草」の方を使うのが適切です。

「言い種」を使う上で注意しなければならないのは、公用文で使えないという点です。なぜなら、「言い種」という読み方が常用漢字表に載っていないからです。

したがって、公用文で使用したいのであれば、常用漢字表に載っている、「言い草」の方を使うのがいいでしょう。ただし、公用文以外においては好きな方を使っても問題ありません。

したがって、現代的な表現にしたい場合は、「発言内容」「言ったこと」「セリフ」などに言い換えるのがいいでしょう。ただし、文学的な文章や風情を出したい場面では「言い種」を使うことで、少し格調高い印象を与えることができます。

また、「言い種」は多くの場合、発言に対する評価を含んで使われることが多く、「そんな言い種はないだろう」のように、相手の発言を否定的にとらえる文脈でよく使われると覚えておきましょう。

「言い種」の類語・類義語としては、発言そのものを指す「言葉」、発言や意見を表す「セリフ」などがあります。

「言い草」の例文

1.そんな言い草をされると、まるで私が悪いことをしたように感じてしまいます。
2.彼のその言い草は冗談なのか本気なのか分かりにくく、少し困惑いたしました。
3.上司の言い草が厳しく聞こえましたが、部下を思っての発言だと理解しています。
4.その言い草は少々きつく聞こえますので、もう少し柔らかい表現をおすすめします。
5.子どもの言い草に大人顔負けの理屈があり、思わず笑ってしまいました。

この言葉がよく使われる場面としては、人が言った言葉やその言い方のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「言い草」は公用文で使える言葉です。

「言い種」の例文

1.そんな言い種をされてしまっては、どう返答してよいのか迷ってしまいますね。
2.彼の言い種は面白く、つい周囲が笑ってしまうような雰囲気を作っていました。
3.その言い種はまるで物語の一節のようで、聞いていて楽しい気分になりました。
4.失礼な言い種をしてしまい、相手の気分を害したかもしれないと心配しています。
5.子どもながらに的確な言い種をするので、大人たちも驚かされることが多いです。

この言葉がよく使われる場面としては、人が言った言葉やその言い方のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「言い種」は公用文で使えない言葉です。

「言い草」と「言い種」はどちらも発言の仕方に関することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、公用文で使えるのが「言い草」、公用文で使えないのが「言い種」と覚えておきましょう。

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