似た意味を持つ「あからさま」と「露骨」(読み方:ろこつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「あからさま」と「露骨」という言葉は、どちらも隠さずに表に出していることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「あからさま」と「露骨」の違い
「あからさま」と「露骨」の意味の違い
「あからさま」と「露骨」の違いを分かりやすく言うと、「あからさま」はプラスのイメージでも使うことがある、「露骨」はマイナスのイメージでしか使わないという違いです。
「あからさま」と「露骨」の使い方の違い
一つ目の「あからさま」を使った分かりやすい例としては、「彼女はあからさまな興味を示して話を聞いてきた」「彼のあからさまな拒否反応に少し傷ついた」「あからさまな賞賛に少し照れてしまいました」「彼の喜びがあからさまに顔に出ていた」などがあります。
二つ目の「露骨」を使った分かりやすい例としては、「私は露骨に嫌われているのを感じた」「露骨なえこひいきに社員が不満を漏らした」「露骨な圧力に反発したくなりました」「彼は露骨に嫌な顔をされた」などがあります。
「あからさま」と「露骨」の使い分け方
「あからさま」と「露骨」はどちらも隠さずに表に出していることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「あからさま」は「彼の喜びがあからさまに顔に出ていた」のように、感情や態度がはっきりと、わかりやすく表に出ている状態に対して使う言葉になります。比較的中立的で、ポジティブな内容にも使いやすい表現です。
一方、「露骨」は「露骨に嫌な顔をされた」のように、感情や意図を遠慮なく、時に無作法なほどはっきりと表に出す場合に使う言葉です。ややネガティブな響きがあり、相手への配慮が欠けているニュアンスを含むことが多いです。
つまり、プラスのイメージでも使うことがあるのが「あからさま」、マイナスのイメージでしか使わないのが「露骨」と覚えておきましょう。
「あからさま」と「露骨」の英語表記の違い
「あからさま」を英語にすると「open」「frank」「obvious」となり、例えば上記の「彼の喜びがあからさまに顔に出ていた」を英語にすると「His joy was openly visible on his face」となります。
一方、「露骨」を英語にすると「blatant」「barefaced」「undisguised」となり、例えば上記の「彼は露骨に嫌な顔をされた」を英語にすると「He gave me a blatantly displeased look」となります。
「あからさま」の意味
「あからさま」とは
「あからさま」とは、包み隠さず明らかなことを意味しています。
「あからさま」の使い方
「あからさま」を使った分かりやすい例としては、「彼はあからさまに不満を口にした」「あからさまなえこひいきに皆が驚いた」「あからさまに態度が変わったので理由が分かりました」「その発言はあからさますぎて場の空気が凍った」などがあります。
「あからさま」は、物事の様子や感情が隠されずにはっきりと表に出ていることを意味する形容動詞です。
「あからさま」は単に分かりやすいという意味ではなく、隠す配慮がなく、誰が見ても明らかな状態を指す言葉になります。
「あからさま」の特徴
「あからさま」は日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる言葉です。
例えば、友人同士の会話では「彼はあからさまに怒っていたよ」と使い、感情が隠せていない様子を表現します。一方、ビジネスシーンでは「その提案はあからさまなコスト削減策ですね」と使い、あまりに分かりやすい意図や狙いを指摘する際に用いられます。
「あからさま」の類語
「あからさま」の類語・類義語としては、意図や態度がはっきりしていることを意味する「明白」、遠慮がなく率直であることを意味する「ストレート」などがあります。
「露骨」の意味
「露骨」とは
「露骨」とは、感情などを隠さずにありのまま外に表すことを意味しています。
表現方法は「露骨に嫌がる」「露骨な態度」
「露骨に嫌がる」「露骨な態度」などが、「露骨」を使った一般的な言い回しになります。
「露骨」の使い方
「露骨」を使った分かりやすい例としては、「彼は露骨に不満を顔に出した」「露骨な賄賂の要求に驚いた」「露骨に態度が冷たくなった」「露骨なまでの差別発言に場が凍りついた」などがあります。
「露骨」は、感情や意図などが隠されず、むき出しの状態で表れていることを意味する名詞または形容動詞です。
「露骨」は単に分かりやすいというよりも、感情や意図がはっきりしすぎていて、時に不快さや無礼さを感じさせるような表現になります。特に人間関係や発言のニュアンスにおいては、否定的な意味合いを帯びることが多いです。
「露骨」の特徴
また、「露骨」は日常会話から文章表現まで幅広く使われる言葉ですが、やや強めの表現として使われる傾向があります。
例えば、日常生活では「露骨に嫌そうな顔をされた」と言えば、相手が感情を隠そうともせず顔に出した様子を強調して伝えます。ビジネスシーンでは「露骨な値上げ戦略は顧客の反感を買う」と言い、あまりにもあからさまな行動が問題視される場合に用います。
「露骨」の類語
「露骨」の類語・類義語としては、感情や意図がはっきりと見えることを意味する「むき出し」、言葉や態度が遠慮なく率直であることを意味する「直截」などがあります。
「あからさま」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、包み隠さず明らかなことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「あからさま」はプラスのイメージでも使うことがある言葉です。
「露骨」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、感情などを隠さずにありのまま外に表すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「露骨」はマイナスのイメージでしか使わない言葉です。
「あからさま」と「露骨」はどちらも隠さずに表に出していることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、プラスのイメージでも使うことがあるのが「あからさま」、マイナスのイメージでしか使わないのが「露骨」と覚えておきましょう。