【かろうじて】と【やっとのことで】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「かろうじて」と「やっとのことで」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「かろうじて」と「やっとのことで」という言葉は、どちらも困難を乗り越えて物事を達成したことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「かろうじて」と「やっとのことで」の違い

「かろうじて」と「やっとのことで」の意味の違い

「かろうじて」と「やっとのことで」の違いを分かりやすく言うと、「かろうじて」は結果がぎりぎりであることを強調すること、「やっとのことで」は過程の苦労を強調することという違いです。

「かろうじて」と「やっとのことで」の使い方の違い

一つ目の「かろうじて」を使った分かりやすい例としては、「かろうじて終電に間に合ったが、もう少しで乗り遅れるところだった」「かろうじて試験に合格したが、点数を見ると本当にギリギリだった」「忙しい日々の中でも、かろうじて趣味の時間を確保している」などがあります。

二つ目の「やっとのことで」を使った分かりやすい例としては、「やっとのことでレポートを提出できたが、集中力を保つのが本当に大変だった」「多くの困難を乗り越えてやっとのことで開発が成功した」などがあります。

「かろうじて」と「やっとのことで」の使い分け方

「かろうじて」と「やっとのことで」はどちらも困難を乗り越えて物事を達成したことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「かろうじて」は「かろうじて合格した」「かろうじて間に合った」のように、ぎりぎりラインを超えて達成できた状態 を指す言葉になります。余裕がほとんどない、すれすれの達成であることを含意します。

一方、「やっとのことで」は「やっとのことで終えた」「やっとのことで帰宅できた」のように、多くの苦労や時間をかけてようやく達成できた状態 を表す言葉です。達成そのものより、そこに至るまでの過程の困難さが中心になります。

つまり、結果がぎりぎりであることを強調するのが「かろうじて」、過程の苦労を強調するのが「やっとのことで」と覚えておきましょう。

「かろうじて」と「やっとのことで」の英語表記の違い

「かろうじて」を英語にすると「barely」「just barely」「by the skin of one’s teeth」となり、例えば「かろうじて試験に合格した」を英語にすると「I barely passed the exam」となります。

一方、「やっとのことで」を英語にすると「finally」「at long last」「with great effort」となり、例えば「やっとのことで書類を提出できた」を英語にすると「I finally managed to submit the documents」となります。

「かろうじて」の意味

「かろうじて」とは

「かろうじて」とは、実現の困難なことを実現することを意味しています。

「かろうじて」の漢字表記

「かろうじて」を漢字にすると、「辛うじて」と表記することができます。

表現方法は「かろうじて間に合う」「かろうじて届く」

「かろうじて間に合う」「かろうじて届く」「かろうじて助かる」などが、「かろうじて」を使った一般的な言い回しになります。

「かろうじて」の使い方

「かろうじて」を使った分かりやすい例としては、「電車にかろうじて間に合いました」「かろうじて合格点を取ることができました」「雨が降る前にかろうじて帰宅できました」「ミスはあったものの、かろうじて計画通りに進みました」などがあります。

「かろうじて」は、非常にぎりぎりの状況で何とか実現できたことを意味する副詞です。副詞とは品詞の一つであり、動詞・形容詞・形容動詞などを修飾して、程度や状態を説明する役割を持っています。

そのため、「かろうじて」単体で意味を完結させるのではなく、「間に合う」「届く」「助かる」などの語に付けて、ぎりぎりで成し遂げた ことを強調する形で使われるのが一般的です。

「かろうじて」の類語

「かろうじて」の類語・類義語としては、余裕がほとんどない状態を意味する「ぎりぎり」、限界のところでなんとか達成できたことを表す「なんとか」、ほとんど不可能に近い状況で成し遂げたことを意味する「どうにか」などがあります。

「やっとのことで」の意味

「やっとのことで」とは

「やっとのことで」とは、ようやくのことで実現することを意味しています。

表現方法は「やっとのことで家に着く」「やっとのことで終わらせる」

「やっとのことで家に着く」「やっとのことで終わらせる」「やっとのことで逃げ切る」などが、「やっとのことで」を使った一般的な言い回しになります。

「やっとのことで」の使い方

「やっとのことで」を使った分かりやすい例としては、「徹夜続きだったが、やっとのことで仕事を終えた」「渋滞に巻き込まれたが、やっとのことで会場に到着した」「困難が多かったが、やっとのことで合意にたどり着いた」などがあります。

「やっとのことで」は、非常に苦労した末にようやく物事が達成できたことを表す言い回しです。時間や労力、努力を重ねて、なんとか目標や目的を達成したときに使われる表現です。

そのため、「相当な努力を要した」「簡単ではなかった」というニュアンスを伴うのが特徴です。単に「間に合った」「できた」という事実だけでなく、それまでの大変さや過程の困難さが強く含まれています。

「やっとのことで」の特徴

また、「やっとのことで」は体力的な苦労・精神的な負担・状況の厳しさなど、様々な困難を乗り越えたときに使われるのも特徴です。達成そのものよりも、「そこに至るまでの苦労」を表現するときに便利な言葉であると覚えておきましょう。

「やっとのことで」の類語

「やっとのことで」の類語・類義語としては、ぎりぎりの状況で何とか実現することを意味する「かろうじて」、厳しい状況からなんとか脱することを意味する「ようやく」などがあります。

「かろうじて」の例文

1.今日は仕事が長引きましたが、かろうじて予約していた電車に間に合い、ほっと胸をなで下ろしました。
2.大雨の影響で道が渋滞していましたが、かろうじて開始時刻に到着できて安心しました。
3.テスト勉強が間に合わなかったものの、かろうじて合格点に届き、努力が報われた気がします。
4.予算が非常に厳しかったのですが、かろうじて計画通りに購入費用を収めることができました。
5.スケジュールが混み合っていましたが、かろうじて自分の時間を確保でき、リフレッシュできました。

この言葉がよく使われる場面としては、実現の困難なことを実現することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「かろうじて」は結果がぎりぎりであることを強調する時に使う言葉です。

「やっとのことで」の例文

1.忙しい時期が続いていましたが、やっとのことで必要な書類を作成し終えることができました。
2.何度も失敗しながら試行錯誤を重ね、やっとのことで満足できる仕上がりに整えることができました。
3.連絡がつかず困っていましたが、やっとのことで相手と話し合いの場を持つことができました。
4.長期間続けてきた作業が難航しましたが、やっとのことで全体を完成させることができました。
5.交通の乱れが続きましたが、やっとのことで目的地までたどり着くことができました。

この言葉がよく使われる場面としては、ようやくのことで実現することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「やっとのことで」は過程の苦労を強調する時に使う言葉です。

「かろうじて」と「やっとのことで」はどちらも困難を乗り越えて物事を達成したことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、結果がぎりぎりであることを強調するのが「かろうじて」、過程の苦労を強調するのが「やっとのことで」と覚えておきましょう。

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