【こき使う】と【酷使する】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「こき使う」(読み方:こきつかう)と「酷使する」(読み方:こくしする)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「こき使う」と「酷使する」という言葉は、どちらも無理に働かせることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「こき使う」と「酷使する」の違い

「こき使う」と「酷使する」の違いを分かりやすく言うと、「こき使う」は日常的によく使う、「酷使する」は医学的やスポーツ的な場面でも使うという違いです。

一つ目の「こき使う」を使った分かりやすい例としては、「上司に毎日のように残業させられてこき使われている」「便利だからといって後輩をこき使ってはいけない」「親に手伝いを頼まれるたび、こき使われている気がした」などがあります。

二つ目の「酷使する」を使った分かりやすい例としては、「選手を試合で酷使することは怪我につながりかねない」「徹夜続きで目を酷使してしまった」「長時間パソコンを使いすぎて目を酷使している」などがあります。

「こき使う」と「酷使する」はどちらも無理に働かせることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「こき使う」は人に対して雑用や労働を押し付けて働かせることを表し、日常会話でよく使われる口語的な表現です。上から目線で無理に働かせるニュアンスが強く、軽い愚痴や不満を含む場面でも使われます。

一方、「酷使する」は人や体の一部に対して過度に使って負担をかけることを表し、やや堅い文章語的な表現です。人に対しても使えますが、「体」や「臓器」「筋肉」などに使われることが多く、医学的やスポーツ的な文脈でもよく使われます。

つまり、日常的によく使うのが「こき使う」、医学的やスポーツ的な場面でも使うのが「酷使する」と覚えておきましょう。

ただし、あくまでよく使うだけなので、その場面以外でも使うことができます。

「こき使う」を英語にすると「to overwork」「to push someone too hard」「to exploit」となり、例えば「上司に毎日のように残業させられてこき使われている」を英語にすると「I’m being overworked by my boss with overtime every day」となります。

一方、「酷使する」を英語にすると「to overuse」「to strain」「to overwork」となり、
例えば「徹夜続きで目を酷使してしまった」を英語にすると「I strained my eyes from staying up all night」となります。

「こき使う」の意味

「こき使う」とは、他人を遠慮なく使役することを意味しています。

「部下をこき使う」「バイトをこき使う」「人をこき使う」などが、「こき使う」を使った一般的な言い回しになります。

「こき使う」を使った分かりやすい例としては、「自分をこき使ってようやくこの仕事を仕上げた」「若い頃は体をこき使って稼いでいた」「社長が社員をこき使うので残業ばかりになっている」「彼は部下をこき使う上司として有名です」などがあります。

「こき使う」は主に人に対して酷く働かせる場合に使われる言葉で、マイナスなイメージを持つことが多いです。ただし、自分自身を厳しく扱う場面で使われるときには、自虐的な表現としてニュアンスがやや和らぐこともあります。

「こき使う」の類語・類義語としては、限度を超えて働かせることを意味する「酷使する」、むごく扱うことを意味する「虐待する」、やたらに人を働かせることを意味する「乱使する」などがあります。

「酷使する」の意味

「酷使する」とは、限度を超えて働かせることを意味しています。

「酷使する」を使った分かりやすい例としては、「長時間の労働で体を酷使する」「無理な練習で選手を酷使してしまった」「徹夜続きで頭脳を酷使している」「目を酷使すると視力に悪影響が出る」などがあります。

「酷使する」は、むごいほどに無理をして使うことを意味する「酷使」に、ある動作や行為を行うことを意味する「する」が合わさった動詞です。

「酷使する」は、人の体や頭脳、あるいは道具や機械などを必要以上に使い続ける場合に使われ、限界を超えて使用するニュアンスを持っています。特に、健康や性能に悪影響が及ぶおそれがあるときに用いられることが多いです。

そのため、マイナスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「酷使する」の対義語・反対語としては、大事に扱うことを意味する「いたわる」、負担をかけないように「休ませる」などがあります。

「酷使する」の類語・類義語としては、無理に使うことを意味する「乱用する」、強い負担をかけることを意味する「過労させる」などがあります。

「こき使う」の例文

1.上司は新人を便利屋のようにこき使ってばかりで、周囲からも不満の声が出ています。
2.子どもの頃は、親にあれこれと手伝いを頼まれてこき使われていた記憶があります。
3.チームリーダーは後輩をこき使うことばかり考えていて、自分は何もしないように見えます。
4.彼は友人をこき使うような振る舞いをしており、だんだんと人望を失ってきています。
5.社長は社員をこき使って利益ばかり追求していると、陰で噂されているそうです。

この言葉がよく使われる場面としては、他人を遠慮なく使役することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「こき使う」は日常的によく使う言葉です。

「酷使する」の例文

1.長時間パソコン作業を続けると目を酷使してしまい、頭痛や肩こりの原因になります。
2.選手を短期間で何試合も出場させることは、体を酷使させる危険性があると思います。
3.無理な働き方を続けて体を酷使すると、後々取り返しのつかない病気につながります。
4.彼は徹夜作業を繰り返して頭脳を酷使しており、集中力の限界を感じ始めています。
5.若い頃に体を酷使した人ほど、中年以降に健康を損ねやすいと言われています。

この言葉がよく使われる場面としては、限度を超えて働かせることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「酷使する」は医学的やスポーツ的な場面でも使う言葉です。

「こき使う」と「酷使する」はどちらも無理に働かせることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、日常的によく使うのが「こき使う」、医学的やスポーツ的な場面でも使うのが「酷使する」と覚えておきましょう。

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