【もれなく】と【必ず】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「もれなく」と「必ず」(読み方:かならず)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「もれなく」と「必ず」という言葉は、どちらも例外がないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「もれなく」と「必ず」の違い

「もれなく」と「必ず」の意味の違い

「もれなく」と「必ず」の違いを分かりやすく言うと、「もれなく」とは残らず全てのこと、「必ず」とは確実な推量や強い意志のことという違いです。

「もれなく」と「必ず」の使い方の違い

一つ目の「もれなく」を使った分かりやすい例としては、「記念品を参加者にもれなく配る」「こちらの用紙にもれなく記入してください」「今日起きたことをもれなく報告するように」「空欄にもれなく記入してください」などがあります。

二つ目の「必ず」を使った分かりやすい例としては、「外出する時は必ず戸締りをお願いします」「必ずこの時間までに来てください」「明日必ずメールを送ります」「彼女は必ず約束を守る」などがあります。

「もれなく」と「必ず」の使い分け方

「もれなく」と「必ず」はどちらも例外ないことの意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いあるので注意が必要です。

「もれなく」は残らず全てのことや例外がないことの意味でしか使わないのに対して、「必ず」は確実な推量や強い意志のことの意味を持っているというのが違いになります。

例えば、「応募した方にもれなくプレゼント」は応募した人に例外なくプレゼントするという意味を持つ言葉なので、「応募した方に必ずプレゼント」と置き換えることができます。

一方、「明日の試合は必ず勝ってみせます」は、強い意志の意味で使っているので、「明日の試合はもれなく勝ってみせます」と置き換えることはできません。

「もれなく」と「必ず」の英語表記の違い

「もれなく」を英語にすると「without omission」「in full」となり、例えば上記の「空欄にもれなく記入してください」を英語にすると「Please fill in the blanks without any omissions」となります。

一方、「必ず」を英語にすると「certainly」「at any cost」「always」「surely」となり、例えば上記の「彼女は必ず約束を守る」を英語にすると「She always keeps her word」となります。

「もれなく」の意味

「もれなく」とは

「もれなく」とは、残らず全てのことを意味しています。

「もれなく」の使い方

「もれなく」を使った分かりやすい例としては、「こちらの商品は応募するともれなく貰える」「何か不備があった場合はもれなく報告をお願いします」「こちらに間違いがないかもれなく確認をお願いいたします」などがあります。

「もれなく当たる」「もれなくもらえる」の意味

「もれなく」は「もれなく当たる」「もれなくもらえる」などのプレゼントやキャンペーンの謳い文句として使われることが多い言葉です。「もれなく当たる」「もれなくもらえる」は例外なく全て当たったり貰えたりすることを意味しています。

「もれなく報告」の意味

また、ビジネスシーンにおいても、「もれなく報告」という言い回しでよく使われています。「もれなく報告」とは残らず全てや必ずというニュアンスを含んでおり、漏れることなく必ず報告してくださいということを意味しています。

「もれなくかわいい」の意味

その他にも、「もれなくかわいい」という言い回しもよく使われており、例外なくみんな可愛いことを意味する言い回しです。

「もれなく抽選」の誤用に注意

「もれなく」を使う上で注意しなければならないのが、「もれなく抽選」という言い回しです。「もれなく」は例がなく全てや残らず全てのことを意味しているため、使い方によっては誤用になってしまいます。

例えば、参加賞や1等賞などの、商品に差があっても必ず商品がもらえるというような場合には「もれなく抽選」を使っても問題ありません。しかし、抽選で選ばれた人しかもらえないとなると、「もれなく抽選」は誤用になってしまうので注意しましょう。

「もれなく」の漢字表記

「もれなく」を漢字にすると「漏れなく」や「漏れ無く」と表記することができますが、平仮名で書くのが一般的です。

「もれなく」の類語

「もれなく」の類語・類義語としては、問題にしているもの全部のことを意味する「ことごとく」、残らずや全てのことを意味する「余すところなく」、残したり隠したりせず全てを出すことを意味する「洗いざらい」などがあります。

「必ず」の意味

「必ず」とは

「必ず」とは、例外のないことを意味しています。その他にも、確実な推量や強い意志のことの意味も持っています。

表現方法は「必ず否定」「必ず必要」「必ず当たる」

「必ず否定」「必ず必要」「必ず当たる」などが、「必ず」を使った一般的な言い回しになります。

「必ず」の使い方

「彼女は毎朝必ず散歩に出かけてから出勤する」「彼と会えば必ず論争になる」「この時間なると必ずこの道を通る人がいる」などの文中で使われている「必ず」は、「例外のないこと」の意味で使われています。

一方、「いつか努力が報われる日が必ずくるはずです」「この試合は必ず勝ってみあせます」などの文中で使われている「必ず」は、「確実な推量や強い意志のこと」の意味で使われています。

「必ず」は例外のないこと、確実な推量や強い意志のことの複数の意味を持つ言葉です。また、「必ず」は確実性が含まれているので、言い切れる場合に使われる言葉になります。

「必ず」の特徴としては、肯定的な文章にしか使わないのが一般的です。否定的な文章に使う場合は、類語の「絶対」を使うようにしましょう。

「必ず」の類語

「必ず」の類語・類義語としては、はっきりしていてまちがいのないことを意味する「明確」、間違いなくのことを意味する「正しく」、確かで間違いがなことを意味する「確実」、話し手の決意や確信また強い要望のことを意味する「きっと」などがあります。

「もれなく」の例文

1.応募シールを10個集めると、もれなくお皿が貰えるキャンペーンに応募しました。
2.こちらの用紙にもれなく記入していただきますと、お手続き完了となります。
3.今ならお友達を紹介していただいた方に、5,000円分のitunesカードをもれなくプレゼントします。
4.こちらの商品を購入するともれなくクリアファイルが貰えます。
5.この商品は不具合が起こる可能性があるので、何かありましたらもれなくご連絡ください
6.展示商談会の会場では新人社員とみられる男女がブースに立ち寄った人々に記念品のようなものをもれなく配っていた。
7.母親は懸賞が大好きなので、商品のバーコードを集めるともれなくプレゼントがもらえると知ると否や、その商品をたくさん購入してきた。
8.上司から例の契約についてもれなく報告するように言われているので、なんども報告書の作成画面とにらめっこして記入漏れがないか確認した。
9.窓口の人からは申請書類はもれなく記入してくださいといわれていたのに、生年月日を書き忘れるというケアレスミスをやらかしてしまった。
10.この大学では成績優秀者にはもれなく学費を全額をカバーする返済不要の奨学金を与えられたので、実質無料で大学に通えるという仕組みがあった。

この言葉がよく使われる場面としては、残らず全てのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「もれなく」はプレゼントやキャンペーンの謳い文句として使われることが多いです。

「必ず」の例文

1.僕が彼女と出掛けると時は必ずと言っていいほど、雨が降っています。
2.虫歯を防ぐために、寝る前は必ず歯磨きをするという習慣を身に付けています。
3.彼は必ず約束を守る人なので、パートナーとしてとても信頼しています。
4.この試合必ず勝ってみせます。決勝戦で会いましょう。
5.努力した人が必ず成功するとは限りません。しかし、成功した人はみな努力している。
6.犬の散歩をするときは、お隣さんの犬と会うと必ずけんかになるので、お隣さんと話し合って時間をずらして散歩するようにしている。
7.友人はお金を必ず返すと言っていたのに、そんなことがなかったかのようにわたしに接してくるので、そろそろ問い詰めようかと思っている。
8.アンケート記入の際、ボールペンは必ずご返却くださいと張り紙がしてあったのに、わたしはうっかり家に持ち帰ってしまっていた。
9.兄は毎朝5時にはすでに起床している典型的な朝型人間で、最近では必ずジョギングをしてから出勤するのが習慣になっている。
10.SNSは誰でも気軽に参加できる一方で、ある一定の人数に達すると必ず場を荒らす不届きものが現れるので、結局場がつまらなくなるのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、例外のないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、確実な推量や強い意志のことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「必ず」は例外のないこと、例文4と例文5の「必ず」は確実な推量や強い意志のことの意味で使っています。

「もれなく」と「必ず」はどちらも例外のないことを意味しています。どちらの言葉を使うか迷った場合、残らず全てのことを表現したい時は「もれなく」を、確実な推量や強い意志のことを表現したい時は「必ず」を使うと覚えておきましょう。

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