【パノラマ】と【ジオラマ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「パノラマ」と「ジオラマ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「パノラマ」と「ジオラマ」という言葉は、「風景や場面」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




パノラマとジオラマの違い

パノラマとジオラマの意味の違い

パノラマとジオラマの違いを分かりやすく言うと、パノラマは広範囲の風景を表現する時に使い、ジオラマは立体的で具体的な場面を表現する時に使うという違いです。

パノラマとジオラマの使い方の違い

一つ目のパノラマを使った分かりやすい例としては、「パノラマ写真の撮影ではできるだけカメラを大きく動かさないようにしなければならない」「360°パノラマビューを使うことで実際にそのエリアにいる気分になれる」などがあります。

二つ目のジオラマを使った分かりやすい例としては、「ジオラマ風写真は写真を加工する必要がある」「ジオラマモードはこのカメラに搭載されている機能だ」「ジオラマキットに子どもが興味津々だった」などがあります。

パノラマとジオラマの使い分け方

パノラマとジオラマはどちらも、風景や場面を意味する言葉ですが、性質が大きく異なります。

パノラマは、見渡す限りの広々とした風景を表します。その他にも、上記例文の「パノラマビュー」などのように、観覧者に実景の中にいるような感覚を与える装置を意味する言葉としても使われています。

一方のジオラマは、ミニチュアの人物や物、背景とを組み合わせて特定の場面を立体的に現すものを表します。パノラマに代わる新しい投影装置に対して名付けられたのが始まりとされています。

つまり、パノラマは広範囲の風景を表し、ジオラマは立体的で具体的な場面を表すという違いがあります。

パノラマとジオラマの英語表記の違い

パノラマを英語にすると「panorama」となり、例えば上記の「パノラマ写真」を英語にすると「panorama photo」となります。一方、ジオラマを英語にすると「diorama」となり、例えば上記の「ジオラマ風写真」を英語にすると「diorama-like photos」となります。

パノラマの意味

パノラマとは

パノラマとは、見渡す限りの広々とした風景を意味しています。

その他にも、観覧者に実景の中にいるような感覚を与える装置を意味する言葉として使われています。

パノラマの使い方

「パノラマビューモニターを使えば後方の安全確認をしながらバック駐車ができる」「パノラマ撮影をするために座って手ぶれを抑えた」「360°パノラマを楽しむコンテンツがあるそうだ」などの文中で使われているパノラマは、「全景」の意味で使われています。

一方、「オランダの美術館には世界最古のパノラマ画が展示されている」「パノラマの鑑賞はその時代やその土地の空気さえ感じられそうだった」などの文中で使われているパノラマは、「実景の中にいるような感覚を与える装置」の意味で使われています。

パノラマは英語で「panorama」と表記され、「全景」「概観」「心象風景」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われており、実際の景色を楽しむことができるような装置や絵画などに対しても用いられています。

表現方法は「パノラマ写真」

上記例文の「パノラマ写真」とは、広い範囲を撮影した写真を指す言葉です。複数回撮影を行い、その写真を合成したり不要な部分を切り取るなどして作り上げる方法や、首振りや連続撮影で一枚の写真を作り出す製品を使用するなどの方法があります。

パノラマの類語

パノラマの類語・類義語としては、遠くを見渡すことやその眺めを意味する「眺望」、遠くまで見渡した時の見晴らしを意味する「展望」、心にある感じを起こさせるような光景や場面を意味する「情景」などがあります。

ジオラマの意味

ジオラマとは

ジオラマとは、ミニチュアの人物や物、背景とを組み合わせて特定の場面を立体的に現すものを意味しています。

ジオラマの使い方

ジオラマを使った分かりやすい例としては、「ジオラマ風写真を撮りたい思い、スマートフォンを取り出す」「ジオラマモードという撮影モードがデジカメに内蔵されていた」「ジオラマを製作したから見に来てほしいと友人に誘われた」などがあります。

その他にも、「ジオラマフィギュアの販売が開始されたため購入した」「子どもがジオラマキットをほしがっていたため、少しずつご褒美として買うことにした」「建築物のジオラマ模型は精巧なため見入ってしまう」などがあります。

ジオラマは英語で「diorama」と表記され、「透視画」「模型による実景」といった意味を持つ言葉です。本来はフランス語であり、日本には明治時代に、展示物とその周辺の環境や背景を立体的に表現する方法や、その装置として入ってきました。

表現方法は「ジオラマ風写真」

上記例文の「ジオラマ風写真」とは、実際の風景を模型のような風景に見せている写真を指す言葉で、背景をぼかすなどの方法で撮影されています。「ミニチュア加工」「ミニチュア風写真」とも呼ばれています。

ジオラマの類語

ジオラマの類語・類義語としては、実物の形に似せて作ったものを意味する「模型」、小型のものや精巧な小型模型を意味する「ミニチュア」、プラスティック製の組み立て模型玩具を意味する「プラモデル」などがあります。

パノラマの例文

1.今のスマートフォンではパノラマ写真を撮るカメラモードが内蔵されていることが多い。
2.山頂へとたどり着いて、パノラマ撮影をする前に絶景をただただ眺めていた。
3.パノラマ機能を使えば、アイスクリームも縦に長く伸ばして撮影することができる。
4.口内のパノラマレントゲンでは歯や骨の状態や、顎関節の状態の確認もできるそうだ。
5.パノラマ画は1792年に創始され、日本では1890年に「上野パノラマ館」が設立されたのが始まりとされている。

この言葉がよく使われる場面としては、見渡す限りの広々とした風景を意味する時などが挙げられます。

例文5のように、観覧者に実景の中にいるような感覚を与える装置を意味する言葉としても使われています。

ジオラマの例文

1.趣味で作っているガンプラを際立たせるために、建物などの背景も作ってみようという気になった。
2.子どものミニカーを借りてジオラマを作ってみたら大喜びしてくれた。
3.自宅でジオラマ製作を行うために、発泡スチロールなどの材料を購入してきた。
4.ジオラマキットには、子どもだけでなく、旦那や私も興味があった。
5.ジオラマ模型を家のどこに置こうか悩んでいたが、ようやく場所を用意することができた。

この言葉がよく使われる場面としては、ミニチュアの人物や物、背景とを組み合わせて特定の場面を立体的に現すものを意味する時などが挙げられます。

どの例文のジオラマも、パノラマに置き換えて使うことはできません。

パノラマとジオラマは、どちらも「風景や場面」を表します。どちらを使うか迷った場合は、広範囲の風景を表す場合は「パノラマ」を、立体的で具体的な場面を表す場合は「ジオラマ」を使うと覚えておけば間違いありません。

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