【乱入】と【侵入】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「乱入」(読み方:らんにゅう)と「侵入」(読み方:しんにゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「乱入」と「侵入」という言葉は、どちらも「他人の領域に無断で入ること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




乱入と侵入の違い

乱入と侵入の意味の違い

乱入と侵入の違いを分かりやすく言うと、乱入とは大勢でどっと押し入ることを表す、侵入とは人数に関係なく無断で入り込むことを表すという違いです。

乱入と侵入の使い方の違い

一つ目の乱入を使った分かりやすい例としては、「警備員が乱入者をステージから下ろした」「女子レスラーらが突如リングに乱入した」「乱入演出のイラストをSNSに投稿する」「切り替えボタンで乱入歓迎から乱入拒否に変更する」などがあります。

二つ目の侵入を使った分かりやすい例としては、「近所の小学校に不審者が侵入した」「盗撮目的で学校に侵入する」「侵入犯の手口にはいくつかのパターンがあります」「建造物侵入罪の罰則について解説します」などがあります。

乱入と侵入の使い分け方

乱入と侵入という言葉は、どちらも他人の領域に許可なく入り込むことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

乱入とは、多くの者が他人の領域に踏み込むことを意味し、大勢で乱暴に押し入ることを表現する言葉です。本来は一人や少人数の者に対して使えない言葉ですが、近年は一人や少人数の者にも使用することが増えています。

侵入とは、他人の領域に無理に入り込むことを意味し、静かにこっそり入り込むニュアンスがある言葉です。「建造物侵入罪」とは、正当な理由がないのに他人の建物に無断で入った場合に成立する犯罪であり、刑法第130条に規定されています。

つまり、乱入とは多くの者が乱暴に押し入ることを表現し、侵入とは人数に関係なく無断で入り込むことを表現する言葉です。2つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

乱入と侵入の英語表記の違い

乱入も侵入も英語にすると「intrusion」「invasion」となり、例えば上記の「乱入者」を英語にすると「Intruders」となります。

乱入の意味

乱入とは

乱入とは、多くの者が無理矢理どっと押し入ることを意味しています。

乱入の使い方

乱入を使った分かりやすい例としては、「大統領の支持者が演説中に乱入した」「収録中にアイドルグループが突然乱入する」「リモート会議中に子供たちが乱入してきた」「乱入者は英語を話していたので外国人だと思います」などがあります。

その他にも、「米連邦議会議事堂への乱入事件が起きました」「試合中に観客乱入でゲームは中断した」「2000ポイントの乱入ペナルティを受ける」「予想外の乱入でコンボを崩されて悔しい思いをした」などがあります。

乱入の表記

乱入は「濫入」とも書きますが、一般的には「乱入」と表記されています。

乱入の「乱」は訓読みで「みだれる」と読み、まとまりがなくなることや騒乱が起きたりして平和でなくなることを表す漢字です。ある区域や範囲の中にはいることを表す「入」と組み合わさり、乱入とは、無関係の者がどっと押し入ることを意味します。

乱入の特徴

乱入という言葉は、本来は大勢が乱暴に押し入ることを表現します。そのため、複数人ではなく一人や数人が押し入ることを表現することは誤用です。しかし、最近は一人や数人の場合にも「乱入」が使用されることが多いため、許容されつつあります。

乱入の対義語

乱入の対義語・反対語としては、追い払うことを意味する「駆逐」などがあります。

乱入の類語

乱入の類語・類義語としては、激しい勢いでつっこむことを意味する「突入」、人や乗り物などがその場所へ進み入ることを意味する「進入」、多くの人や金などが外部から入り込んでくることを意味する「流入」、入り乱れて暴力をもって争うことを意味する「乱闘」などがあります。

侵入の意味

侵入とは

侵入とは、他の領分を侵して強引に入り込むことを意味しています。

侵入の使い方

侵入を使った分かりやすい例としては、「無断で他人の住居などに侵入する」「住居侵入罪で罰金が科せられる」「大音量アラームで侵入者を威嚇する」「埋め込み式の侵入防止ポールを立てる」などがあります。

その他にも、「侵入思考の治し方をネットで調べています」「妊娠初期に侵入奇胎を発生しました」「侵入生物データベースを更新する」「外来種や侵入種の知識を深める」「外来生物侵入の仕組みを解明する」などがあります。

侵入の読み方

侵入の読み方は「しんにゅう」です。同じ読み方をする熟語に「進入」「新入」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

侵入の「侵」は訓読みで「おかす」と読み、他人の領分に無断で入り込むことや他国の土地に不法に入り込むことを表す漢字です。人や物がある場所や範囲に移ることを表す「入」と組み合わさり、侵入とは、立ち入るべきでない所に無理に入り込むことを意味します。

表現方法は「侵入思考」

侵入を用いた日本語には「侵入思考」があります。侵入思考とは、望んでもいないのに急に頭に浮かんでくる思考やイメージを意味します。不愉快な創造やネガティブな考え方などであり、精神疾患が原因の場合もあります。

「侵入禁止マーク」は誤用

侵入を用いた誤った表現には「侵入禁止マーク」があります。正しくは「進入禁止マーク」であり、一方通行の出口に設置されている赤丸に白い横棒の標識を指します。

侵入の対義語

侵入の対義語・反対語としては、軍隊などが陣地や拠点を引き払って退くことを意味する「撤退」などがあります。

侵入の類語

侵入の類語・類義語としては、他国に攻め入って土地や財物を奪い取ることを意味する「侵略」、他人の権利や所有などをおかして損害を与えることを意味する「侵害」、こっそりと入り込むことを意味する「潜入」などがあります。

乱入の例文

1.サッカー試合の開始直後、ファン数人がピッチに乱入する騒ぎがありました。
2.バスケットボール試合の乱入者は、警察に身柄を拘束され処分を受けました。
3.推しのライブ中に観客が舞台に乱入し、公演が中止になってしまいました。
4.ゲーセンで格闘ゲームやっていたら知らない人が乱入してきて、ボコボコにされました。
5.対戦ゲームで初心者が乱入してきたら、少しだけ練習相手になってあげています。

この言葉がよく使われる場面としては、許可なくどっと押し入ることを表現したい時などが挙げられます。

例文4や例文5にあるように、乱入はゲーム用語としても使われており、ゲームプレイ中に別のプレイヤーが戦いを挑むことを意味します。

侵入の例文

1.中学校に侵入した男は、英語の教員に暴行を加えけがをさせた罪などに問われています。
2.自分が隣人の家に不法侵入する夢を見てしまい、今朝の寝覚めが悪かった。
3.最近は夜寝る時の侵入思考が酷くて、なかなか眠れなくなり辛い思いをしています。
4.雨天時浸入水対策の交付金を利用して、壁や床に防水シートを張ることにしました。
5.ネットワークに接続したパソコンは、不正に侵入される危険があります。

この言葉がよく使われる場面としては、他の領分に不法に押し入ること、無理に入り込むことを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「不法侵入」とは、当事者や権利者の許可を得ないで当該区域に押し入ることを意味します。

乱入と侵入という言葉は、どちらも「他人の領域に無断で入ること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、大勢で無理やり押し入ることを表現したい時は「乱入」を、人数に関係なく無理に入り込むことを表現したい時は「侵入」を使うようにしましょう。

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