【いったん】と【とりあえず】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「いったん」と「とりあえず」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「いったん」と「とりあえず」という言葉は、どちらも行動や判断を一時的なものとして示すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「いったん」と「とりあえず」の違い

「いったん」と「とりあえず」の違いを分かりやすく言うと、「いったん」は区切りとして一度止めるというニュアンスで使う、「とりあえず」は十分な結論が出る前に仮の行動をとるというニュアンスで使うという違いです。

一つ目の「いったん」を使った分かりやすい例としては、「いったん作業を中断して休憩に入る」「問題はいったん保留にして後で話し合う」「状況が落ち着くまで、いったんここで様子を見る」などがあります。

二つ目の「とりあえず」を使った分かりやすい例としては、「とりあえず謝っておくことにした」「詳しいことは後にして、とりあえず会場へ向かう」「よく分からないが、とりあえずやってみることにした」などがあります。

「いったん」と「とりあえず」はどちらも行動や判断を一時的なものとして示すことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「いったん」は「この仕事はいったん中断する」のように、区切りをつけて一度止める、一度やめる、一度区切るというニュアンスで使われる言葉になります。

一方、「とりあえず」は「とりあえず返事だけしておく」のように、暫定的に何かをしておく、深く考える前に一応動くというニュアンスで使われる言葉です。

つまり、区切りとして一度止めるというニュアンスで使うのが「いったん」、十分な結論が出る前に仮の行動をとるというニュアンスで使うのが「とりあえず」と覚えておきましょう。

「いったん」を英語にすると「for the moment」「once」「temporarily」となり、例えば「いったん作業を中断して休憩に入る」を英語にすると「Let’s stop the work for the moment and take a break」となります。

一方、「とりあえず」を英語にすると「for now」「just in case」「for the time being」となり、例えば「とりあえず謝っておくことにした」を英語にすると「I decided to apologize for now」となります。

「いったん」の意味

「いったん」とは、一時的にのことを意味しています。

「いったん」を漢字にすると、「一旦」と表記することができます。

「いったん立ち止まる」「いったん整理する」「いったん判断を保留する」などが「いったん」を使った一般的な言い回しになります。

「いったん」を使った分かりやすい例としては、「問題が複雑なので、いったん作業を中断する」「話し合いが行き詰まったため、いったん休憩を取る」「判断を急がず、いったん持ち帰って検討する」「混乱している状況なので、いったん情報を整理する」などがあります。

「いったん」は、一度動作や判断を止めて、様子を見ることや仕切り直すことを意味する副詞です。途中で区切りをつけ、次の行動に移る前の一時的な区切りとして使うのが一般的になります。

「いったん」の特徴は、物事を完全にやめるのではなく、「一時的に止める」「一度区切りをつける」といった意味合いを持つ点です。たとえば、「いったん作業を止める」という場合は、永久に中止するのではなく、後で再開することを前提としています。

その他にも、「いったん考え直す」も同様に、最終的な判断の前段階であることを示しています。

また、「いったん」は冷静さを取り戻すためや、状況を見直す目的で使われることが多く、慎重な判断や行動を促すニュアンスを含む場合もあると覚えておきましょう。

「いったん」の類語・類義語としては、一時的にという意味を持つ「ひとまず」があります。

「とりあえず」の意味

「とりあえず」とは、他のことは差し置いてまず第一にすることを意味しています。

「とりあえずやってみる」「とりあえず連絡する」「とりあえず注文を入れる」などが「とりあえず」を使った一般的な言い回しになります。

「とりあえず」を使った分かりやすい例としては、「詳しいことは後で決めて、とりあえず申し込む」「問題の全体像はまだ分からないが、とりあえず対応する」「時間がないので、とりあえず要点だけ伝える」「迷っているが、とりあえず実行してみる」などがあります。

「とりあえず」は、最終的な結論や完全な準備が整っていない状態でも、まず最初の行動として何かを行うことを意味する副詞です。暫定的な対応や、その場をしのぐための行動を表す場合によく使われます。

「とりあえず」の特徴は、物事を完全に決めたり整えたりする前に、仮の対応を行うというニュアンスを持つ点です。

たとえば、「とりあえず返事をする」という場合は、後で内容を改める可能性があることを含んでいます。「とりあえずやってみる」も同様に、あくまで最初の一歩であることを示しています。

また、「とりあえず」は時間がないときや、状況を見ながら判断したいときに使われることが多く、柔軟で暫定的な行動を表す言葉としても使うことができると覚えておきましょう。

「とりあえず」の類語・類義語としては、まず最初にという意味を持つ「まずは」があります。

「いったん」の例文

1.問題がかなり複雑なので、いったん作業を止めて整理します。
2.詳細な情報がまだ分からないため、いったん判断を保留にします。
3.会議の前に、いったん関連する資料をすべて確認しておきます。
4.今の方法では難しいと感じるので、いったん別の案を考え直します。
5.体調があまりすぐれないため、いったん帰宅させていただきます。

この言葉がよく使われる場面としては、一時的にのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「いったん」は区切りとして一度止めるというニュアンスで使う言葉です。

「とりあえず」の例文

1.詳しいことは後で決めるとして、とりあえず参加します。
2.内容はまだ不十分ですが、とりあえず一度提出しておきます。
3.解決策はまだ見えていませんが、とりあえず報告しておきます。
4.少し迷っていますが、とりあえず先に予約を入れておきます。
5.正確な情報は後ほど改めて確認し、とりあえず対応します。

この言葉がよく使われる場面としては、他のことは差し置いてまず第一にすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「とりあえず」は十分な結論が出る前に仮の行動をとるというニュアンスで使う言葉です。

「いったん」と「とりあえず」はどちらも行動や判断を一時的なものとして示すことを表します。

どちらの言葉を使うか迷った場合、区切りとして一度止めるというニュアンスで使うのが「いったん」、十分な結論が出る前に仮の行動をとるというニュアンスで使うのが「とりあえず」と覚えておきましょう。

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