【十把一絡げ】と【一緒くた】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「十把一絡げ」(読み方:じっぱひとからげ)と「一緒くた」(読み方:いっしょくた)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「十把一絡げ」と「一緒くた」という言葉は、どちらも雑多なものを区別なく一まとめにすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「十把一絡げ」と「一緒くた」の違い

「十把一絡げ」と「一緒くた」の意味の違い

「十把一絡げ」と「一緒くた」の違いを分かりやすく言うと、「十把一絡げ」の方が「一緒くた」よりも上品な表現という違いです。

「十把一絡げ」と「一緒くた」の使い方の違い

一つ目の「十把一絡げ」を使った分かりやすい例としては、「20代全員を十把一絡げに見るのは間違いだと思います」「女子というだけで十把一絡げにしないでほしい」「スポーツ選手と言っても様々な競技があるので十把一絡げにするのは良くないだろう」などがあります。

二つ目の「一緒くた」を使った分かりやすい例としては、「彼は何もかも一緒くたに扱うので少し苦手です」「様々な具材を一緒くたにした豚汁が美味しい」「上司の机の上はいろいろな書類が一緒くたになっていた」などがあります。

「十把一絡げ」と「一緒くた」の使い分け方

「十把一絡げ」と「一緒くた」はどちらも雑多なものを区別なく一まとめにすることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「十把一絡げ」の方が「一緒くた」よりも上品な表現という点です。

したがって、砕けた表現を使いたいのであれば「一緒くた」の方を使うといいでしょう。また、「一緒くた」をさらに下品にした表現として「味噌も糞も一緒」があります。

「十把一絡げ」と「一緒くた」の英語表記の違い

「十把一絡げ」も「一緒くた」も英語にすると「lump together」「jumbled up together」となり、例えば上記の「上司の机の上はいろいろな書類が一緒くたになっていた」を英語にすると「All sorts of papers were jumbled up together on the my boss’s desk」となります。

「十把一絡げ」の意味

「十把一絡げ」とは

「十把一絡げ」とは、いろいろな種類のものを区別なしにひとまとめにして扱うことを意味しています。

「十把一絡げ」の読み方

「十把一絡げ」の読み方は「じっぱひとからげ」です。誤って「じゅっぱひとからげ」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「十把一絡げな対応」「十把一絡げの凡人」「十把一絡げの才能」

「十把一絡げな対応」「十把一絡げの凡人」「十把一絡げの才能」などが、「十把一絡げ」を使った一般的な言い回しになります。

「十把一絡げ」の使い方

「十把一絡げ」を使った分かりやすい例としては、「女子を十把一絡げにする人はモテません」「季節外れのジャケットが十把一絡げで販売されていました」「何でもかんでも十把一絡げにするのは良くないと思う」などがあります。

「十把一絡げ」はいろいろな種類のものを区別なしにひとまとめにして扱うことを意味する言葉ですが、本来であれば個別に扱うべきものを一括りにしているマイナスなイメージで使うのが特徴です。

したがって、相手によっては批判されたと思い不快に感じる人もいるので、使用する際は十分に注意が必要です。

「十把一絡げ」の語源

「十把一絡げ」の語源は束を紐で結ぶことです。「把」とは物をひとまとめにしてくくったもののことを意味しており、「十把」とは「十束」のことを指しています。また、「一絡げ」とは一つの束にまとめてしばることを意味しています。

これが転じて、束に差異があっても区別なしに一まとめにして扱うことを、「十把一絡げ」と言うようになりました。

「十把一絡げ」の対義語

「十把一絡げ」の対義語・反対語としては、物事の要素や根源がいくつもあることを意味する「多元的」があります。

「十把一絡げ」の類語

「十把一絡げ」の類語・類義語としては、いろいろな物が無秩序に入りまじっていることを意味する「ごちゃ混ぜ」、一つにまとめて括ることを意味する「一括り」、良いものも悪いものも同一に扱うことを意味する「味噌も糞も一緒」などがあります。

「一緒くた」の意味

「一緒くた」とは

「一緒くた」とは、雑多な物事が秩序なく一つになっていることを意味しています。

表現方法は「一緒くたにする」「一緒くたに扱う」「一緒くたにできない」

「一緒くたにする」「一緒くたに扱う」「一緒くたにできない」などが、「一緒くた」を使った一般的な言い回しになります。

「一緒くた」の使い方

「一緒くた」を使った分かりやすい例としては、「新入社員を一緒くたにするのは辞めて欲しい」「様々な具材を一緒くたにしたちゃんこ鍋が美味しいです」「話を一緒くたにするのは辞めてください」「あんな奴と一緒くたにされるのは不愉快です」などがあります。

「一緒くた」は一つにまとめることを意味する「一緒」に、ごみやくずが転じて、つまらないことを意味する「芥」(読み方:あくた)を略した「くた」が合わさり、雑多な物事が秩序なく一つになっていることの意味で使う言葉です。

「一緒くた」は人と物どちらに対しても使うことができます。例えば、鍋に様々な具材を混ぜた時に「食材を一緒くたにする」などど使うこともできますし、会社で同期だから同じに扱われることに対して「あんな奴と一緒くたにしないでください」などと使うことも可能です。

「一緒くた」は方言ではない

「一緒くた」を方言と勘違いする人もいますが、方言では標準語になります。

「一緒くた」の対義語

「一緒くた」の対義語・反対語としては、全体を構成しているものを切り離した一つ一つのことを意味する「個別」があります。

「一緒くた」の類語

「一緒くた」の類語・類義語としては、一つにまとめることを意味する「一括」、いろいろな材料を混ぜ入れて煮ることを意味する「ごった煮」、一つの束にまとめてしばることを意味する「一絡げ」などがあります。

「十把一絡げ」の例文

1.これだから女はと、十把一絡げにされると無性に腹が立ちます。
2.新入社員を十把一絡げで見るのは良くないと思うので、一人一人と面談することにしました。
3.山形県出身というだけで、田舎者だと十把一絡げにされて少し寂しい思いをしました。
4.三十代といっても様々な人がいるので、十把一絡げにするのは良くないと思います。
5.若者と言ってもいろいろな人がいるのに、十把一絡げに捉えて批判するのは良くないだろう。
6.地味で生活苦だった私のような人間もいるので、バブル世代だから派手に遊んでいたんでしょと十把一絡げにするのはやめてもらいたい。
7.メディアはこぞってZ世代がデジタルに強いというが、十把一絡げに見ると事を見誤ることもあるはずだ。
8.よく女性の活躍というが十把一絡げで見るべきではなく、それぞれの人々が生きやすい世の中を作るべきだろう。
9.マーケティング戦略をするにしても年代別に十把一絡げにするのはいささか無理が生じてくるし、他の指標も必要ではないだろうか。
10.例えば日本人でも生モノが嫌いな人もいるのだから、外国人に対しても十把一絡げにするのはあまりに大雑把な発想だ。

この言葉がよく使われる場面としては、いろいろな種類のものを区別なしにひとまとめにして扱うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「十把一絡げ」はマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。

「一緒くた」の例文

1.この料理は様々な具材を一緒くたに煮込んでいるが、とても美味しいです。
2.彼と同期入社だからと言って、私と一緒くたにしないでください。
3.家系ラーメンと一緒くたに言っても、その店によって味が全然違います。
4.最近若者は礼儀がなってないなどど、一緒くたにして批判するのは良くないと思います。
5.パスタやピザなどは日本ではイタリア料理と一緒くたにされているが、本場イタリアではミラノ料理、ナポリ料理など、地域や採れる食材によって調理法や味付けが異なっています。
6.私の上司は女子社員の見分けがつかないのか、名前を間違えたり二人をミックスして呼んだりと、皆一緒くたにされている気がする。
7.事件の関係者に話を聞こうととしたのだが、あんなやつと一緒くたにされるのは不愉快ですという答えが返ってきました。
8.被害者意識と自尊心を一緒くたにするとろくなことにならない。まずは自分の不完全さを認めることから始めなければいけないだろう。
9.一度風評被害が発生すると、実際は関係ないお店まで一緒くたにされてしまうのだからたまったもんじゃないよね。
10.彼はクラシック音楽に非常に疎く、オーケストラのバイオリンとチェロを一緒くたにしてしまうほどであった。

この言葉がよく使われる場面としては、雑多な物事が秩序なく一つになっていることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「一緒くた」は砕けたイメージで使う言葉です。

「十把一絡げ」と「一緒くた」はどちらも雑多なものを区別なく一まとめにすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「十把一絡げ」の方が「一緒くた」よりも上品な表現と覚えておきましょう。

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