似た意味を持つ「凶悪」(読み方:きょうあく)と「極悪」(読み方:ごくあく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「凶悪」と「極悪」という言葉は、どちらも「ひどい悪事」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
凶悪と極悪の違い
凶悪と極悪の違いを分かりやすく言うと、凶悪とは悪事の内容が残忍であること、極悪とは悪事のレベルがこの上ないことという違いです。
一つ目の凶悪を使った分かりやすい例としては、「世間を震撼させた凶悪犯はまだ捕まっていません」「SNSを通した凶悪犯罪が問題視されています」「彼はなぜ凶悪事件に手を染めたのだろう」などがあります。
二つ目の極悪を使った分かりやすい例としては、「彼は町一番の極悪人として恐れられています」「警察は極悪非道な国際犯罪組織を追っています」「彼らの極悪非道な暴挙は絶対に許しません」などがあります。
凶悪と極悪という言葉は、どちらも人道に外れたひどい悪事を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
凶悪とは、性質が非常に残忍で、極めてひどい行為を平気で行うことを意味します。「凶悪犯」や「凶悪犯罪」などの使い方で、残酷で暴力的な犯罪に関して使用されることが多い言葉です。悪事のレベルよりも、その内容に焦点を当てた表現です。
極悪とは、文字通り「極めて悪いこと」を意味し、この上なく悪いさまを表します。「極悪非道」「極悪人」などの使い方で、道理に外れた悪事のレベルが高いことを表現し、悪事の内容よりも程度に焦点を当てています。
つまり、凶悪とは悪事の内容に関して残忍であることを表し、極悪とは悪事のレベルがものすごく高いことを表現する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
凶悪を英語にすると「atrocious」「brutal」「vicious」となり、例えば上記の「凶悪犯」を英語にすると「a vicious criminal」となります。一方、極悪を英語にすると「heinous」「wicked」「atrocity」となり、例えば上記の「極悪人」を英語にすると「a wicked person」となります。
凶悪の意味
凶悪とは、性質が残忍で、ひどい行為をすること、また、そのさまを意味しています。
凶悪を使った分かりやすい例としては、「またも凶悪な大量殺人事件が起こりました」「警察は連続強盗事件の凶悪犯の行方を追っています」「この事案は卑劣な凶悪事件として人々の記憶に残るだろう」などがあります。
その他にも、「凶悪犯罪の被害者遺族は犯人の極刑を望んでいます」「犯人はいかにも凶悪な顔つきをしていた」「まさか身近で凶悪事件が起こるとは思わなかった」「過去に例のない凶悪な犯行である」などがあります。
凶悪は「兇悪」とも書きますが、一般的には常用漢字を用いた「凶悪」と表記されています。
凶悪の「凶」は、人の殺傷などひどい悪事をすることを表し、「悪」は人道や法律などに反することを表します。凶悪とは、残酷でひどい行為、悪いことを平気で行うさまを意味します。悪質性が高い行為を表すマイナスイメージの言葉です。
凶悪を用いた日本語には「凶悪犯」があります。凶悪犯とは、残忍でむごい罪を犯す人を意味し、警察白書では、殺人・強盗・放火・強姦の罪を犯した者を指します。
凶悪の対義語・反対語としては、性質のよいことを意味する「善良」などがあります。
凶悪の類語・類義語としては、心がねじ曲がって悪いことを意味する「邪悪」、道義に外れた言行を意味する「悪徳」、情け容赦もなく性質が悪いことを意味する「悪辣」、人の道に外れた悪い行いを意味する「悪行」などがあります。
極悪の意味
極悪とは、この上なく悪いこと、また、そのさまを意味しています。
極悪を使った分かりやすい例としては、「極悪犯が集う刑務所を取材しました」「極悪同盟の初代メンバーには誰がいますか」「極悪インフルエンサーに制裁を与える」「極悪非道な連中には気を付けてください」などがあります。
その他にも、「極悪非道な不良グループと対峙する」「世界中の極悪人のエピソードを集める」「彼女は極悪レスラーであり二児のママです」「日本の犯罪史に残る極悪事件をランキング形式で紹介します」などがあります。
極悪の「極」は訓読みで「きわめる」「きわまる」と読み、物事のそれ以上先のないところを表す漢字です。道義や法などにそむくことを表す「悪」と結び付き、極悪とは、この上なく正しくないことや道理に外れていることを意味します。
極悪を用いた日本語には「極悪非道」があります。「極悪非道」とは、この上なく悪く、道理や人情にはずれるさまを意味する四字熟語です。類義語には「極悪無道」「悪逆無道」があります。
極悪の対義語・反対語としては、きわめてよいことを意味する「極善」などがあります。
極悪の類語・類義語としては、最も悪い状態であることを意味する「最悪」、物事の状態などがもっとも望ましくないことを意味する「最低」、性質や状態などがひどく劣っていて悪いことを意味する「劣悪」、最低や最悪を意味する「ワースト」などがあります。
凶悪の例文
この言葉がよく使われる場面としては、性質が残忍で、どんなひどいことでも平気でやることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、凶悪という言葉は、残忍でむごい犯罪について使用されることが多くあります。
極悪の例文
この言葉がよく使われる場面としては、この上なく悪いこと、悪逆極まることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、凶悪という言葉は、残忍でむごい犯罪や道理にはずれる行為について使用されることがほとんどです。
凶悪と極悪という言葉は、どちらも「非常に悪いこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、悪事の内容が残忍であることを表現したい時は「凶悪」を、悪事のレベルがこの上ないことを表現したい時は「極悪」を使うようにしましょう。