似た意味を持つ「気分一新」(読み方:きぶんいっしん)と「心機一転」(読み方:しんきいってん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「気分一新」と「心機一転」という言葉は、どちらも「前向きな気持ちになること」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
気分一新と心機一転の違い
気分一新と心機一転の意味の違い
気分一新と心機一転の違いを分かりやすく言うと、気分一新とは前向きな気持ちになる心の変化を表し、心機一転とは何かの出来事で前向きな気持ちになる様子を表すという違いです。
気分一新と心機一転の使い方の違い
一つ目の気分一新を使った分かりやすい例としては、「髪をバッサリ切って気分一新したい」「深呼吸をすると気分一新できます」「気分一新、今年も頑張っていきましょう」「自分を元気づける言葉を唱えて気分一新する」などがあります。
二つ目の心機一転を使った分かりやすい例としては、「転校をきっかけに心機一転することに決めました」「新しい環境で心機一転頑張るつもりです」「新たなメンバーで心機一転、活動を再開させました」などがあります。
気分一新と心機一転の使い分け方
気分一新と心機一転という言葉は、どちらも前向きな気持ちに切り替わることを表していますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
気分一新とは、それまでの気分を変えることや、気持ちを新たにすることを意味します。前向きな気持ちに変化することを表すプラスイメージの言葉であり、逆にポジティブな気持ちからネガティブな気持ち切り替わる場合には用いることは出来ません。
心機一転とは、ある動機をきっかけとして、気持ちがよい方向に変わること、気持ちや心をよい方に入れ替えることを意味します。上記の例文にあるように、転校や環境の変化など、何かがきっかけとなり、前向きな心を持つようになる時に用いられる言葉です。
つまり、気分一新とは、ある出来事や外部の変化に関わらず、心が前向きになることを表します。一方、心機一転とは、ある出来事や外部の変化をきっかけとして、心が前向きになる時に使われています。この点が、二つの言葉の明確な違いになります。
気分一新と心機一転の英語表記の違い
気分一新を英語にすると「complete change of mood」「restoring one’s spirits」となり、例えば上記の「気分一新したい」を英語にすると「want to restore one’s spirits」となります。
一方、心機一転を英語にすると「changing one’s attitude」「making a fresh start」となり、例えば上記の「心機一転することに決めた」を英語にすると「decide to make a fresh start 」となります。
気分一新の意味
気分一新とは
気分一新とは、気持ちを新たにすること、気分を変えることを意味しています。
気分一新の使い方
気分一新を使った分かりやすい例としては、「久しぶりの海外旅行で気分一新できました」「生活環境を整えて気分一新、お金の使い方を見直しました」「家をリフォームした気分一新しました」などがあります。
その他にも、「気分一新したい時にぴったりのBGMを集めたアルバムです」「ヘアスタイルを変えて気分一新してみませんか」「新しいビジネスアイテムで気分一新する」「気分一新で英語学習に取り組んでいます」などがあります。
気分一新とは、それまでの気分を変えることや、気分が切り替わって気持ちを新たにすることを意味します。「気分」は、ある状況によってもたらされる心持ち、「一新」は、すっかり新しくすることを表します。
気分一新とは、心の持ちようの変化を表す言葉であり、前向きな気持ちに切り替わることを意味する四字熟語です。多くは、何か物事を始める際に、その人の気持ちを新しくする様子を表現する時に用いられています。
気分一新の対義語
気分一新の対義語・反対語としては、意気込みがすっかり衰えることを意味する「意気消沈」、意気込みや元気がくじけ弱ることを意味する「意気阻喪」などがあります。
気分一新の類語
気分一新の類語・類義語としては、今までとは別の気分になることを意味する「気分転換」、元気を回復することを意味する「リフレッシュ」、考えが変わることや心変わりを意味する「変心」、状況を切り替えるために一旦すべてを断ち切ることを意味する「リセット」などがあります。
心機一転の意味
心機一転とは
心機一転とは、何かをきっかけにして、気持ちがすっかり変わることを意味しています。
表現方法は「心機一転頑張る」「心機一転したい」「心機一転を図る」
「心機一転頑張る」「心機一転したい」「心機一転を図る」などが、心機一転を使った一般的な言い回しです。
心機一転の使い方
心機一転を使った分かりやすい例としては、「転職先では心機一転頑張るつもりです」「4月からは心機一転心新たに働きます」「ビジネスバッグを新調して心機一転させよう」「部署が変わり、心機一転して仕事に励もうと思います」などがあります。
その他にも、「春は心機一転の絶好のチャンスです」「受験生となり、心機一転して英語に取り組んでいます」「うつうつとした毎日から心機一転したい」「クラス替えは心機一転を図るよい機会です」などがあります。
心機一転という言葉の「心機」は、心の動きや気持ちを表し、「一転」は、がらりと状態が変わることや、がらりと変えることを表します。心機一転とは、ある事をきっかけとして新たな気持ちや態度で事に臨むこと、また、明るい気持ちに切り替えてやり直すことを意味する四字熟語です。
心機一転は、ビジネスや恋愛における変化がきっかけになり、気持ちを新たにする場合に用いられています。また、気持ちがポジティブな方向に変化する様子を表し、反対に、気持ちがネガティブな方向に切り替わる場合には使いません。
心機一転の対義語
心機一転の対義語・反対語としては、現在の状況や状態などをそのまま変えずにおくことを意味する「現状維持」、物事の動きが衰え活気や勢いがなくなってしまうことを意味する「萎靡沈滞」などがあります。
心機一転の類語
心機一転の類語・類義語としては、心に決めたことを改めることを意味する「思い直す」、思い直して元気に振るまうことを意味する「気を取り直す」、今までの行いを反省し心を改めることを意味する「改心」、現在の状況を思い切って変化させることを意味する「現状打破」などがあります。
気分一新の例文
この言葉がよく使われる場面としては、気分が切り替わり、新しい気持ちになることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3にある気分一新は、気持ちを新たにすることを表しています。例文4や例文5の気分一新は、気分を変えることを表しています。
心機一転の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある事をきっかけとして、新たな気持ちや態度で事に臨むことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、心機一転という言葉は、ある出来事がきっかけとなり、その人の気持ちを良い方向に変える時に使われています。
気分一新と心機一転という言葉は、どちらも「前向きな気持ちになること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、気持ちが前向きになるという心の変化を表現したい時は「気分一新」を、ある事をきっかけに気持ちが前向きになることを表現したい時は「心機一転」を使うようにしましょう。