似た意味を持つ「中央値」(読み方:ちゅうおうち)と「平均値」(読み方:へいきんち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「中央値」と「平均値」という言葉は、どちらもデータや確率分布の代表値を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
中央値と平均値の違い
中央値と平均値の意味の違い
中央値と平均値の違いを分かりやすく言うと、中央値とは数値を大きさ順に並べたとき真ん中に来る数値、平均値とは数や量を平均して得られる数値という違いです。
中央値と平均値の使い方の違い
一つ目の中央値を使った分かりやすい例としては、「年齢階級の中央値を計算する」「患者の年齢の中央値は55歳です」「指定した数値のなかから中央値を求める」「この資料には中央値を使おう」などがあります。
二つ目の平均値を使った分かりやすい例としては、「筋電図の周波数の平均値を求める」「生徒の身長の平均値を計算する」「平均値の差の検定を行う」「平均値が必ずしもデータ全体を表すとは言えない」などがあります。
中央値と平均値の使い分け方
中央値と平均値という言葉は、何らかのデータの特徴を掴む数値を表し、統計学やデータ分析で用いられる言葉です。二つ言葉は似た表現をしますが、意味や使い方には明確な違いがあります。
中央値とは、データを大きさ順に並べた時に真ん中にくる数値を意味します。「1、3、8」という数値がある場合、真ん中に位置する「3」が中央値となります。もし「1、3、4、8」とデータ数が偶数の場合は、中央にある「3」「4」の中間である「3.5」が中央値となります。
平均値とは、いくつかの数や量を平均して得られる数値を意味します。「1、3、8」という数値がある場合、「1、3、8」を全て足して、データ個数である「3」で割り出した「4」が平均値になります。
年収の中央値と平均値が大きく違う理由
何かと話題になる「年収中央値」と「年収平均値」も同様な考え方で算出されています。ある年の年収中央値は約450万円、年収平均値は532万円と数値に大きな開きがありましたが、平均値が高いのは一部の極端な富裕層の存在があるためです。
一般に、平均値よりも中央値の方が一部の極端なデータの影響は受けにくいものとなります。統計を見る時には、この点に注意すると良いでしょう。
中央値と平均値の英語表記の違い
中央値を英語にすると「median」「median value」「medium value」となり、例えば上記の「中央値を計算する」を英語にすると「calculate median value」となります。
一方、平均値を英語にすると「mean value」「average」「mean」となり、例えば上記の「周波数の平均値」を英語にすると「mean value of the frequency」となります。
中央値の意味
中央値とは
中央値とは、資料を大きさの順に並べたとき全体の中央にくる値、資料の個数が偶数のときは中央にある二つの値の平均値を意味しています。
表現方法は「中央値が含まれる階級」「中央値を求める」
「中央値が含まれる階級」「中央値を求める」などが、中央値を使った一般的な言い回しです。
中央値の使い方
中央値を使った分かりやすい例としては、「小学生に中央値の求め方を教える」「エクセルを利用して中央値を求める」「平均値より中央値の方が参考になる」「目視で中央値を確認する」「並びの真ん中の数値が中央値だ」などがあります。
その他にも、「中央値を求めるMEDIAN関数の使い方を習う」「範囲内リストの中央値を取得する関数です」「登校時間の中央値は8時15分になります」「中央値は全体を代表する数値です」「中央値の求め方が分からない」などがあります。
中央値という言葉の「中央」とは、距離や順序などがどの端からも等しく離れていることを表します。中央値とは、数値を大きさの順に並べた時ちょうど中央に来る数値を意味する言葉です。数理統計で、ある集まりの数値の目安として用いる数値の一つです。
中央値の類語
中央値の類語・類義語としては、データや集合の代表値の一つで順位が中央である値のことを意味する「中位値」、データを小さい順に並べ替えてデータ列の真ん中になる値のことを意味する「メジアン」などがあります。
平均値の意味
平均値とは
平均値とは、いくつかの数や量を平均して得られる数値を意味しています。
表現方法は「平均値を求める」「平均値を出す」「平均値を計算する」
「平均値を求める」「平均値を出す」「平均値を計算する」などが、平均値を使った一般的な言い回しです。
平均値の使い方
平均値を使った分かりやすい例としては、「エクセルを使って平均値を一発で出す」「テストのクラス平均値を計算する」「度数分布表からの平均値の求め方を習った」「この問題は平均値の定理を証明するものです」などがあります。
その他にも、「平均値の求め方を忘れてしまった」「テストの平均値より高いのに順位は真ん中より下だ」「年収の平均値はあまり当てにならない」「変動係数は標準偏差を平均値で割った値です」などがあります。
平均値という言葉の「平均」とはバランスのことであり、数学や統計学では、いくつかの数または量の中間の値を持つ数または量を意味します。平均値とは、データの合計値をデータ数で割った値を意味する言葉です。表計算ソフトのExcelを用いると、平均値をAVERAGE関数で求めることが出来ます。
平均値の類語
平均値の類語・類義語としては、平均的であることまたはその度合いや数値を意味する「標準」、平均や平均値を意味する「アベレージ」などがあります。
中央値の例文
この言葉がよく使われる場面としては、数値を大きさの順に並べたとき、ちょうど中央に来る数値を表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「年収中央値」とは、年収の低い順または大きい順から並べたときに、丁度真ん中に値する収入のことを指します。例文5の「ヒストグラム」とは度数分布を示すグラフの一つであり、柱状グラフのことです。視覚的に分布の様子が分かりますが、必ずしも中央の数値が中央値とはなりません。
平均値の例文
この言葉がよく使われる場面としては、平均して得られる値、平均数を表現したい時などが挙げられます。
例文3にある「平均値の差の検定」とは、 二グループの間で平均値の差について統計的な検定を行うものです。例文4の「平均値の定理」とは、微分積分学で不等式の証明などに用いられる言葉です。
中央値と平均値という言葉は、どちらもデータや資料の代表値を表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、数値を大小の順に並べたとき真ん中に来る数値を表現したい時は「中央値」を、いくつかの数や量を平均して得られる数値を表現したい時は「平均値」を使うようにしましょう。