【周知】と【衆知】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「しゅうち」という読み方、似た意味を持つ「周知」と「衆知」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「周知」と「衆知」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には大きな違いがあります。




周知と衆知の違い

周知と衆知の意味の違い

周知と衆知の違いを分かりやすく言うと、広く「知られている」ことか、多くの人の「知恵」のことかの違いです。

周知と衆知の使い方の違い

一つ目の周知を使った分かりやすい例としては、「周知の事実でみんな知っている」「周知を図る仕組みが出来ていない」「就業規則を社員に周知した」「周知の程よろしくお願い致します」「周知徹底していただきますようお願いいたします」などがあります。

二つ目の衆知を使った分かりやすい例としては、「衆知を集める経営を全員経営と言う」「衆知の結集で大きな力を発揮する」「衆知を集めてルールを作る」などがあります。

周知という言葉は、周囲に知れると書きます。これは文字通り、世間一般に広く知れ渡っていることを意味しています。

周知と衆知の語源の違い

周知の「周」の字は、もれなく全てに及んでいるという意味を持っていて、それに加えて「知る」という字が付いたことで、周知とは「一般的にもれなく皆が知っていること」という意味を持つようになりました。

対する衆知という言葉は、大衆の知恵と書きます。これは多くの人々の知恵が集まっている様子を表しています。

衆知の「衆」という字は、数が多いことや多くの民という意味を持っています。大衆という言葉を見てもわかるように「衆」という字には、社会の大部分を占める一般の人々という意味があります。

それに加えて、衆知の「知」というのは、知られているという意味ではなく、「知恵」という意味で使われています。つまり、衆知とは社会の大半を占める一般の人々の知恵という意味を持つ言葉です。

周知と衆知の使い分け方

「しゅうち」という言葉を使う時に、どちらの漢字を使ったら良いのか迷った際には、「知られている」ことなのか「知恵」を指しているのかを考えると、わかりやすいでしょう。

知られていることを意味したい場合は「周知」、知恵について記述したい場合は「衆知」と書くのが正しい表記です。

周知と衆知の英語表記の違い

周知を英語にすると「Well-known」「common knowledge」となり、例えば上記の「周知の事実」を英語にすると「Well-known facts」となります。

一方、衆知を英語にすると「Public knowledge」となり、例えば上記の「衆知を集める」を英語にすると「Gather public knowledge」となります。

周知の意味

周知とは

周知とは、広く一般的に知られていることを意味しています。

周知の「周」という字は「あまねく」とも読みます。あまねくという言葉には、もれなく全てに及んでいるという意味があります。

「しゅうち」という言葉を書く際に、どのような漢字を使ったら良いのか迷った場合は、周囲に知られていると考えて「周知」と書くようにします。

表現方法は「周知させる」「周知を図る」「周知いただく」

「周知させる」「周知を図る」「周知いただく」「周知される」などが、周知を使った一般的な表現方法です。

「周知の事実」「周知徹底」の意味

「周知の事実」や「周知徹底を心掛ける」などの例文で考えるとわかりやすいでしょう。周知の事実というのは、広く世間に知れ渡っている事実という意味があり、周知徹底という言葉は、世間に広く知らせることを徹底するという意味です。

周知の類語

周知の類語・類義語としては、情報を共有することを意味する「情報共有」、広がり散らばることを意味する「拡散」、相手に伝えることを意味する「伝達」、通知して知らせることを意味する「報知」などがあります。

周知の「周」の字が使われている言葉としては、手落ちがなく全てに行き届いていることを意味する「周到」、注意が隅々にまで行き届いていることを意味する「周密」などがあります。

衆知の意味

衆知とは

衆知とは、多くの人々の知恵を意味しています。

衆知の「衆」という字は、「民衆」「大衆」という言葉からもわかるように、大勢の人という意味を持っています。

「しゅうち」という言葉を書く際に、どのような漢字を使ったら良いのか迷った場合は、大衆の知恵であると考えて「衆知」と書くようにします。

表現方法は「衆知を集める」「衆知を結集」「衆知経営」

衆知という言葉を使う場合は「衆知を集める」などのように使います。多くの人の知恵を寄せ集めて、なにか物事を決定するような場面で使われる言葉です。衆知の「知」という字は「知恵」という意味で「知る」という意味ではありません。

衆知の類語

衆知の「衆」の字が使われている言葉としては、多人数で評議や相談をすることを意味する「衆議」、多いことと少ないことを意味する「衆寡」、社会の大部分を占める一般の人々という意味を持つ「大衆」などがあります。

周知の例文

1.そんなことは周知の事実だと思っていた。
2.今回の反省点については周知徹底をするべきだ。
3.周知の通り、彼と彼女は結婚をしている。
4.信号が赤黄青であるのは、周知のことだと思っていた。
5.災害が起きた時のために、避難経路を周知しておく。
6.来週マンションエントランス清掃のためエントランスドアは開放となります。ご周知のほど宜しくお願い致します。
7.部長とあの女子社員が付き合っているのは、もはや周知の事実であったので今更驚くことではない。
8.マイナンバーカードの普及につきましては、国民への周知を図るべくより一層の対策が求められています。
9.原油価格の急な上昇の影響がけっして望ましいものでないことは、周知の通りであります。
10.今年からこのエリアは遊泳禁止となるので、そのことをどうのようにして遊泳客に周知させるかが課題となっていた。

この言葉がよく使われる場面としては、広く情報を知らせたい時や、広く知られていると思っている時などが挙げられます。

周知とは、その物事が広く一般的に知れているという意味を持っています。周知の「知」という字は、知らせる、知られているという意味で使われています。

「しゅうち」という言葉を書く際に、どういう漢字を書けば良いか迷った際には、周囲に知られていることだと思い出すと、わかりやすいでしょう。

衆知の例文

1.衆知を集めて、この難題を解決しなくてはならない。
2.ひとりではどうにも出来ない問題に行き当たり、衆知を集めることにする。
3.衆知を集めて出した結論なので自信がある。
4.情報収集をする際には、衆知を集めることが大切である。
5.衆知を結集して会社を経営していく。
6.赤字企業を超速で黒字化させた社長は、専門家に聞いたり現場のスタッフに聞いたりして衆知を結集し、最後はカンで決めるんだと話した。
7.全社員の衆知を集め、今回の社運を賭けた新商品開発は是非成功させなければならない。
8.新しい社長はカリスマ性に欠けていたので、それを逆手に取って衆知を集める経営を行っていた。
9.環境問題とは、利権も絡んでいるので、科学者の衆知を結集させたところで、すんなりと解決する問題ではない。
10.三人寄れば文殊の知恵というが、たくさん人間が集まれば衆知が結集できるかというとそんなことはない。

この言葉がよく使われる場面としては、知恵や知識が必要な時などが挙げられます。衆知を集めて、衆知を結集してなどという風に使われることがほとんどです。

この衆知の「知」という字は、知識という意味で使われています。「しゅうち」という言葉を書く際に、どういう漢字で書けば良いか迷った際には、大衆の知恵であると考えるとわかりやすいでしょう。

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