似た意味を持つ「有用性」(読み方:ゆうようせい)と「有効性」(読み方:ゆうこうせい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「有用性」と「有効性」という言葉は、どちらも役に立っていることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
有用性と有効性の違い
有用性と有効性の意味の違い
有用性と有効性の違いを分かりやすく言うと、有用性とは広い範囲で役に立つものか、有効性とはある特定の範囲で役に立つものかという違いです。
有用性と有効性の使い方の違い
一つ目の有用性を使った分かりやすい例としては、「この薬は有用性が低いため開発が中止になった」「アンケート結果からこの商品は男性に対しての有用性が高いことが分かりました」「太陽光発電の有用性を訴えているが中々賛同されない」などがあります。
二つ目の有効性を使った分かりやすい例としては、「今回の実験では明確な有効性が示されませんでした」「こちらは高い安全性と有効性を兼ね備えた商品です」「この治療方法は有効性が低いと言われている」などがあります。
有用性と有効性はどちらも役に立つという共通した意味を持っていますが、有用性は特定の目標がなく広い範囲で役に立つ場合に使う言葉に対して、有効性は特定の目標がある狭い範囲で役に立つ場合に使う言葉です。
そのため、有効性が高いものであっても、消費者への需要がなければ、多くの人の役に立たたないため、有用性が低いと言えます。
例を挙げると、「育毛剤はハゲている人にとっては有効性が高い商品だが、一般の人達にとっては有用性が低い商品です」になります。このように、特定の人達には使えるが、その他大勢の人にとって使えない場合は、有効性が高く、有用性が低い商品となります。
反対に、有用性がある商品を挙げるとタオルです。タオルは汗を拭くだけでなく、怪我をした時の止血、物を固定するなど、様々な場面で使うことができるからです。
ただし、「有効だから有用である」という言葉もあるように、有用性と有効性を厳密に使い分けるのは少し難しい部分もあります。
有用性と有効性の英語表記の違い
有用性を英語にすると「usefulness」となり、例えば「これは有用性が高い商品です」を英語にすると「This is a highly useful product」となります。
一方、有効性を英語にすると「effectiveness」となり、例えば「これはとても有効性のある治療法です」を英語にすると「This is a very effectiveness treatment」となります。
有用性の意味
有用性とは
有用性とは、役に立つ傾向があることを意味しています。
有用性の使い方
有用性を使った分かりやすい例としては、「有用性の高い医療品が次々と開発されている」「有用性の低い広告は掲載することができません」「彼女の接客スキルはとても有用性がある」「彼は会社にとって有用性が低かったのでリストラされた」などがあります。
有用性の語源
有用性は、役に立つという意味を持つ「有用」に「性」がついた言葉です。「性」は物事の性質や傾向という意味を表しているため、有用性は役に立つ傾向や性質があるという意味になっています。
有用性は特定の目標や状況ではなく、広い範囲で役に立つ場合に使います。そのため、人に対して使う場合は、有効性ではなく有用性が使用されています。特に、ビジネスシーンにおいて多く見られる言葉です。
表現方法は「有用性が高い」「有用性が低い」「有用性がある」
「有用性が高い」「有用性が低い」「有用性がある」「有用性が無い」などは、有用性を使った一般的な表現方法になります。
有用性の対義語
有用性の対義語・反対語としては、役に立たないことを意味する「無用性」があります。
有用性の類語
有用性の類語・類義語としては、利益があることを意味する「有益」、他よりも条件や状況がいいことを意味する「有利」、日常生活の場で実際に役に立つこと意味する「実用」、ためになることを意味する「益」、才能のあることを意味する「有能」などがあります。
有用性の用の字を使った別の言葉としては、社会の役に立つ働きのことを意味する「用役」、あることをするために使う道具のことを意味する「用具」、やるべき仕事のことを意味する「用件」、しなくてはならない事柄のことを意味する「用事」などがあります。
有効性の意味
有効性とは
有効性とは、効力がある傾向のことを意味しています。
有効性の使い方
有効性を使った分かりやすい例としては、「現時点においてその薬の有効性は確認されていない」「ジェリック薬品は有効性に乏しいこともある」「そのトレーニング方法は極めて有効性が高いと言われている」などがあります。
有効性の語源
有効性は、効力があるという意味を持つ「有効」に「性」がついた言葉です。「性」は物事の性質や傾向という意味を表しているため、有効性は効力がある傾向や性質があるという意味になっています。
有効性は置かれた状況などに特定の目標があり、その目標を直接果たすことができるかどうかを表す時に有効性という言葉を使います。そのため、研究や実験などで有効性という言葉を使う場合が非常に多いです。
表現方法は「有効性が高い」「有効性が低い」「有効性がある」
「有効性が高い」「有効性が低い」「有効性がある」「有効性が無い」などは、有効性を使った一般的な表現方法になります。
有効性の対義語
有効性の対義語・反対語としては、効力を持たないことを意味する「無効性」があります。
有効性の類語
有効性の類語・類義語としては、効き目が目に見えて現れることを意味する「効果的」、行為などが法規に適合していることを意味する「合法性」、上手く適合する度合いのことを意味する「妥当性」などがあります。
有効性の効の字を使った別の言葉としては、ある働きかけによって現れる、望ましい結果のことを意味する「効果」、良い結果をもたらす働きのことを意味する「効能」、使った労力に対する得られた成果の割合のことを意味する「効率」などがあります。
有用性の例文
この言葉がよく使われる場面としては、役に立つこと傾向があることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、広い範囲で役に立つ人やものに対して、よく使われる言葉になります。例文3や例文5のように、有用性が高いという表現方法はよく使われています。
有効性の例文
この言葉がよく使われる場面としては、効力がある傾向のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、特定の目標があり、それを達成できるかどうかという時に使われる言葉になります。例文1や例文2のように、有効性があるという表現方法はよく使われています。
有用性と有効性は似た意味を持つ言葉ですが、有用性は広い範囲で役に立つのもに対して使い、有効性は特定の目標があり、その目標に対して役に立つかという狭い範囲で使うと覚えておいてください。