【証左】と【証拠】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「証左」(読み方:しょうさ)と「証拠」(読み方:しょうこ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「証左」と「証拠」という言葉は、どちらも事実を明らかにすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




証左と証拠の違い

証左と証拠の意味の違い

証左と証拠の違いを分かりやすく言うと、証左は一般的に使われていない、証拠は一般的に使わているという違いです。

証左と証拠の使い方の違い

一つ目の証左を使った分かりやすい例としては、「証左資料とするにはまだ十分ではない」「良い結果が出たのは彼が頑張った証左に他ならない」「彼氏が浮気している証左を見つけてしまった」などがあります。

二つ目の証拠を使った分かりやすい例としては、「こちらの録音は裁判の証拠として提出させて頂きます」「彼が犯人だという決定的な証拠見つけました」「辛くて苦しいのは一生懸命頑張っている証拠です」「犯人は証拠を隠滅した」「売上が上がったのは従業員が頑張った証拠です」などがあります。

証左と証拠はほとんど同じ意味を持つ言葉です。違いを挙げるならば、証左の方が硬いイメージを持っているので、一般的にあまり使われていないのに対して、証拠は一般的に使われていることです。

証左と証拠はほとんど同じ意味を持っているので、置き換えることが可能です。例えば、上記の「彼氏が浮気している証左を見つけてしまった」を「彼氏が浮気している証拠を見つけてしまった」としても問題はありません。

反対に、「売上が上がったのは従業員が頑張った証拠です」を「売上が上がったのは従業員が頑張った証左です」とすることもできます。

ただし、刑事事件や裁判など法的な場面で使う場合は、証拠の方しか使えないのでそこは注意してください。

証左と証拠の英語表記の違い

証左も証拠も英語にすると「evidence」「proof」となり、例えば上記の「犯人は証拠を隠滅した」を英語にすると「The criminal destroyed the evidence」となります。

証左の意味

証左とは

証左とは、事実を明らかにする拠り所となるものを意味しています。

証左の使い方

証左を使った分かりやすい例としては、「内部調査の証左資料を提出します」「証左に他ならない事実を見つけてしまった」「作業効率が上がっているのは働き方改革の証左と言えるだろう」などがあります。

その他にも、「我がチームが強くなったのは練習方法変えた証左です」「妻が浮気している証左を見つけてしまった」「こちらはとても良い証左資料ですね」などがあります。

証左の語源

証左の「左」は「ひだり」という意味ではなく、「支える」という意味で使われています。それが何かを明らかにする「証」と合わさり、事実を明らかにする拠り所となるものという意味の証左という言葉が生まれました。

表現方法は「証左資料」「証左として」「証左に他ならない」

証左は一般的に硬いイメージを持つ言葉なので、使う機会が少ないです。使う場面があるとしたら、ビジネスシーンになります。その場合、「証左資料」「証左として」「証左に他ならない」などフレーズで表現することが多いです。

証左の類語

証左の類語・類義語としては、証拠を挙げて明らかにすることを意味する「徴証」、新聞記事や文章などの材料のことを意味する「ねた」、物事の確実なことを他の面から証明することを意味する「裏付け」などがあります。

証左の証の字を使った別の言葉としては、事実を証明する人を意味する「証人」、証明するために押す印のことを意味する「証印」、ある事柄の証明となるように体験した事実を話すことを意味する「証言」、確実な証拠のことを意味する「実証」などがあります。

証拠の意味

証拠とは

証拠とは、事実や真実を明らかにする根拠となるものを意味しています。

証拠の使い方

証拠を使った分かりやすい例としては、「証拠隠滅を図った可能性がある」「裁判所に証拠を提出しました」「スランプになるのは頑張っている証拠です」「彼が犯人という動かぬ証拠を見つけました」などがあります。

その他にも、「彼女が浮気している証拠をは見つけてしまった」「証拠不十分として不起訴になりました」「彼が犯人という証拠はない」「この証拠は裁判で使えるのだろうか」「悔し涙は頑張った証拠です」などがあります。

「物的証拠」「人的証拠」「証拠不十分」は法律用語

証拠は一般的に幅広く使われている言葉になります。また、法律関連において頻繁に登場する言葉です。「犯人である証拠」「証拠不十分」などのフレーズは、テレビや新聞などで目にしたことがある人も多いでしょう。

主に法律関連で使われるフレーズとしては、「物的証拠」「人的証拠」「証拠能力」「証拠資料」「直接証拠」「間接証拠」「供述証拠」「非供述証拠」「証拠原因」「証拠方法」「証拠隠滅」などがあります。

証拠の類語

証拠の類語・類義語としては、 ある物事や判断の真偽を証拠を挙げて明らかにすることを意味する「証明」、物事が確実であることを別の面から証明することを意味する「裏書」(読み方:うらがき)などがあります。

証拠の拠の字を使った別の言葉としては、あるものに基づくことを意味する「依拠」(読み方:いきょ)、物事が存在するための理由のことを意味する「根拠」、道理に基づかないことを意味する「非拠」(読み方:ひきょ)などがあります。

証左の例文

1.彼の素晴らしい営業成績は、彼が頑張ってきたことの証左に他ならない。
2.集めたデータを証左資料として提出しました。
3.失業率の減少は、政府による施策が成功した証左だろう。
4.旦那の携帯を調べた所、浮気している証左を見つけてしまった。
5.この結果は、災害からの復旧や復興が加速するように努めている証左だと考えています。
6.親子丼を先に頼んだのは僕であることは、その半券に記載されている時間が示しており、それが何よりの証左に他ならない。
7.探偵に依頼して彼女がライバル企業に未発売製品の情報を漏洩させている証左を見つけてもらおうとしたが、あまりの手付金の高さに断念した。
8.模試で全国1位の成績を取ることができたのは、偶然などではなく君が毎日8時間以上懸命に勉強をした証左であるのだと親は子供を褒め称えた。
9.彼はずっと銀行強盗事件について否認を続けていたものの、刑事がいくつもの証左を示した途端に自らの犯行について詳しく自供しだした。
10.検察側が犯行の証左として提出したものは全て違法な手段によって収集されたものであることが分かり効力がなくなったため、被告の犯行は明らかであったが無罪とするしかなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、事実を明らかにする拠り所となるものを表現したい時などが挙げられます。

証左は硬いイメージを持っているため、一般的には使われない言葉になります。また、話言葉ではなく文語として使われることが多いです。

例文1の「証左に他ならない」や例文2の「証左資料」は証左を使ったよくある表現方法になります。

証拠の例文

1.秘密録音は民事訴訟において、原則として証拠能力が認められています。
2.証拠隠滅のおそれがあるので、被疑者を逮捕することにしました。
3.最近妻の行動が怪しいが、不倫しているという決定的な証拠は掴めていない。
4.志望大学に合格できたのは、一年間受験勉強を頑張った証拠だろう。
5.人生がしんどいと思うのは、あなたが頑張りすぎている証拠なので、少し休んでみるのもいいだろう。
6.論より証拠という言葉があるように、延々と理屈を重ねるより、その根拠となるものを見せた方が早い。
7.いくら充分な証拠能力があるといっても、状況証拠だけでは裁判で有罪を勝ち取るのは難しい。
8.裁判の数日前に被告側の証拠捏造が明らかになり、裁判はまた一から仕切り直しとなった。
9.証拠には大きく分けて2種類のものがあり、ひとつは目撃者や鑑定者などの人証と呼ばれるもので、もうひとつは指紋や書類などの物証と呼ばれるものである。
10.日本国憲法では自己に不利益な唯一の証拠が自白である場合は有罪とされないというように定められており、捜査機関にはそれ以外の証拠を1つ以上発見することが求められる。

この言葉がよく使われる場面としては、事実や真実を明らかにする根拠となるものを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2のように、法的関連で使われることが多いです。また、幅広い範囲で使える言葉なので、馴染みのある人も多いでしょう。

例文4や例文5のように、頑張った結果のことを頑張った証拠と表現することもあります。

証左と証拠どちらを使うか迷った場合は、一般的に幅広く使われている証拠を使えば問題ないでしょう。

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