【願う】と【祈る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「願う」(読み方:ねがう)と「祈る」(読み方:いのる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「願う」と「祈る」という言葉は、どちらもそうあってほしいと思うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「願う」と「祈る」の違い

「願う」と「祈る」の意味の違い

「願う」と「祈る」の違いを分かりやすく言うと、「願う」は個人の望みを叶えることを目的としている、「祈る」は個人の望みの成就を目的としていないという違いです。

「願う」と「祈る」の使い方の違い

一つ目の「願う」を使った分かりやすい例としては、「子供たちが生きやすい世の中になるのを願う」「彼の明確な答弁を願う」「コンサートのチケットが当たることを願う」「私はあなたの成功を願う」などがあります。

二つ目の「祈る」を使った分かりやすい例としては、「彼が志望校に合格することを祈る」「私たちは世界平和が訪れるように祈る」「彼女は娘の無事な帰国を祈る」「母の病気が良くなるように神に祈る」などがあります。

「願う」と「祈る」の使い分け方

「願う」と「祈る」はどちらもそうあってほしいと思うことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「願う」は望みがかなうように請い求めることを意味しており、個人の望みを叶えることを目的としている場合に使います。

一方、「祈る」は神仏に祈願することを意味しており、個人の望みの成就を目的としていないというのが違いです。

したがって、「願う」は自分が中心になっていることが多いのに対して、「祈る」は仏様や神様が中心になっていると覚えておきましょう。

「願う」と「祈る」の英語表記の違い

「願う」を英語にすると「wish」「desire」「hope」「implore」となり、例えば上記の「私はあなたの成功を願う」を英語にすると「I hope you will succeed.」となります。

一方、「祈る」を英語にすると「pray」「say」となり、例えば上記の「母の病気が良くなるように神に祈る」を英語にすると「I pray to God that my mother would recover from her illness」となります。

「願う」の意味

「願う」とは

「願う」とは、望みがかなうように請い求めることを意味しています。

その他にも、こうしてほしいことを人に頼むこと、願をかけること、公の機関に希望することを申請すること、商店で品物を客に買ってもらうこと、動詞の連用形や動作性のある漢語の名詞などに付いてしていただくの意を表すことの意味も持っています。

「願う」の使い方

「彼の成功を心から願う」「どうかご援助を願います」などの文中で使われている「願う」は、「望みがかなうように請い求めることやこうしてほしいことを人に頼むこと」の意味で使われています。

一方、「神前で国家試験の合格を願う」「消費税の減税を願う」などの文中で使われている「願う」は、「願をかけることや公の機関に希望することを申請すること」の意味で使われています。

「願う」は複数の意味を持つ動詞です。

「願う」は相手に助けや配慮を請う意が強く、日常生活やビジネスシーンのどちらでも使われています。

「願う」の特徴

「願う」は望みがかなうように請い求めることを意味しており、個人の望みを叶えることを目的としている場合に使うというのが特徴です。そのため、自分が中心になっていることが多いと覚えておきましょう。

「願う」の類語

「願う」の類語・類義語としては、特定の相手に対してこうあってほしいと思うことを意味する「望む」、相手に要求することを意味する「求める」などがあります。

「祈る」の意味

「祈る」とは

「祈る」とは、神仏に祈願することを意味しています。その他にも、心から望むことの意味も持っています。

表現方法は「無事を祈る」「神に祈る」

「無事を祈る」「神に祈る」などが、「祈る」を使った一般的な言い回しになります。

「祈る」の使い方

「家内安全を祈る」「祖母が早く退院できるように神様に祈る」などの文中で使われている「祈る」は、「神仏に祈願すること」の意味で使われています。

一方、「彼女が無事に合格できるように祈る」「この実験が成功するように祈る」などの文中で使われている「祈る」は、「心から望むこと」の意味で使われています。

「祈る」は神仏に祈願することと、心から望むことを意味する動詞です。

「祈る」はどちらかというと神仏に頼むというニュアンスで使われることが多い言葉になります。

「祈る」の特徴

「祈る」は神仏に祈願することを意味しておりは個人の望みの成就を目的としていないと覚えておきましょう。したがって、仏様や神様が中心になっている言葉です。

「祈る」の類語

「祈る」の類語・類義語としては、神仏などに手を合わせて頭を下げて祈ることを意味する「拝む」、ある目的が達成されるように神仏に祈り願うことを意味する「祈願する」などがあります。

「願う」の例文

1.友人の会社が無事に成功することを、心から願う私がいます。
2.国有林の民間払い下げを願うも、認められることはないだろう。
3.こちらの商品をお安くするので、ご購入することを願っております。
4.特別のなイベントですので、是非とものお越しいただくことを願います。
5.自分一人でやるのはとても大変なので、手伝ってくれることを願う。

この言葉がよく使われる場面としては、望みがかなうように請い求めることを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、こうしてほしいことを人に頼むこと、願をかけること、公の機関に希望することを申請すること、商店で品物を客に買ってもらうこと、動詞の連用形や動作性のある漢語の名詞などに付いてしていただくの意を表すことを表現したい時にも使います。

例文1は望みがかなうように請い求めること、例文2は公の機関に希望することを申請すること、例文3は商店で品物を客に買ってもらうこと、例文4は動詞の連用形や動作性のある漢語の名詞などに付いてしていただくの意を表すこと、例文5はこうしてほしいことを人に頼むことの意味で使っています。

「祈る」の例文

1.彼は祈るような眼差しで、仏様の前で手を合わせていました。
2.彼女は小声で家族皆が無事でいることを、祈っていました。
3.祖父の手術が無事成功して、以前みたいな生活ができるように祈る。
4.紛争地域へ夫が出張に行っているので、無事帰国してくれることを祈る。
5.応援しているチームが今年こそ日本一になることを、心から祈る。

この言葉がよく使われる場面としては、神仏に祈願することを表現したい時などが挙げられます。その他にも、心から望むことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3は神仏に祈願すること、例文4と例文5は心から望むことの意味で使っています。

「願う」と「祈る」はどちらもそうあってほしいと思うこを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、個人の望みを叶えることを目的としているのが「願う」、個人の望みの成就を目的としていないのが「祈る」と覚えておきましょう。

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