【堪能】と【満喫】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「堪能」(読み方:たんのう)と「満喫」(読み方:まんきつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「堪能」と「満喫」という言葉は、どちらも十分である様子を表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。

堪能と満喫の違い

堪能と満喫の違いを分かりやすく言うと、十分に満足することか、十分に楽しむことかの違いです。

堪能とは、もともとは「足りる」という言葉を強めた「足りぬ」(ここでの「ぬ」というのは強調の意味です)という言葉の音が「足んぬ」と変化し、更に口語として使いやすい「たんのう」という音に変化したもので、堪能という漢字は当て字です。

本来、堪能という言葉は「かんのう」という読み方をする仏教用語でした。堪能(かんのう)とは、深くその道に通じている、通じている人という意味を持つ言葉です。

この「堪能」(かんのう)が、足りている状態を強調した意味を持つ「堪能」(たんのう)という言葉と同じ漢字を使っているために混ざり合って、区別がなくなり、現在のような使い方をするようになりました。

そのような経緯から、堪能という言葉は「十分に満足すること」「気が済むほどに納得していること」「深くその道に通じていること」という様々な意味を持つ言葉になりました。

一方、満喫という言葉は、満足の「満」という字に、飲み食いすることを意味する「喫」という字が加わって出来た言葉で、「存分に飲み食いすること」「十分に楽しむこと」を意味しています。

堪能という言葉が十分に満足するという意味しか含んでいないのに対し、満喫という言葉は「飲み食いして」満足するという意味が含まれています。

そこから転じて、満喫とは、飲み食いすることなしにしても「十分に楽しむこと」という意味も持つようになりました。

堪能と満喫のもうひとつの違いとしては、堪能は自分の気持ちを表現し、未来形では使えないのに対し、満喫は客観的な意味を含み、未来形でも使える言葉であるという違いがあります。

例えば、堪能という言葉は「堪能する予定だ」という風には使いません。堪能とは「満足する」「気が済む」などの意味があり、現在進行形または過去形の意味を含む言葉だからです。

堪能という言葉を使う時、「私はこの料理を堪能している」「私はこの料理を堪能した」と表現することが出来ます。しかし、「私はこの料理を堪能する予定だ」と表現することは出来ません。

対する満喫という言葉は、客観的な視点を含む言葉なので、未来形でも使うことが出来ます。「満喫する予定である」と表現することで、これから先に起こる事を十分に楽しむ予定であるということを表すことが出来ます。

堪能の意味

堪能とは、十分に満足したり、ある種の能力に優れていたりすることを意味しています。本来は別の言葉であった「堪能」(たんのう)と「堪能」(かんのう)が混ざった結果、これら二つの意味を持つ言葉となりました。

堪能という言葉は、未来形で使うことの出来ない言葉です。現在、十分に満足している様子や、過去に十分満足した様子などを表す意味を持っています。これは、満足するという言葉が、結果や実感を伴った上でなければ使えない言葉だからであると言えます。

また、ある種の能力に優れているという意味を持つ「堪能」という言葉は、学問や言語、芸術などの分野でよく使われる言葉です。「彼は英語が堪能である」「彼女は華道の道に堪能な人物である」などという使われ方をします。

堪能(たんのう)とは本来、「足りる」という言葉を強調した「足りぬ」「足んぬ」という言葉が発音しやすいように変化したものに、当て字で「堪能」という漢字をつけた言葉です。日本で出来た言葉であり、中国から伝来したものではありません。

この堪能(たんのう)という言葉と混ざってしまったのが、仏教用語であった堪能(かんのう)という言葉です。この言葉は本来、耐え忍ぶ能力を指す言葉でした。耐え忍び修行を重ねたことで、専門的な道に深く通じるようになった人のことを指します。

現在では、堪能という字を「かんのう」と読むことはあまりありません。仏教用語であることをあえて強調したい場合などを除いては、全て「たんのう」と読みます。

堪能の「堪」とう字を含む言葉としては、怒りを抑えて人の過ちを許すことを意味する「堪忍」、技芸が未熟なことを意味する「不堪」などがあります。

堪能の「能」という字を含む言葉としては、物事を成し遂げることのできる力を意味する「能力」、物事を巧みになしうる生まれつきの力を意味する「才能」、多くの技芸を身につけていることを意味する「多能」などがあります。

満喫の意味

満喫とは、存分に飲み食いをして楽しむことを意味しています。本来の意味としては、飲み食いをすることによって楽しむことを意味していましたが、現在では単純に十分に楽しむことも満喫と言います。

満喫という言葉は、堪能と違って未来形でも使うことが出来る言葉です。それは、満喫という言葉に含まれる意味が「楽しむ」という客観性を持つ言葉であるからだと言えます。

堪能するという言葉に含まれる「満足する」という言葉は心が満たされることを意味しているので、自分の内側に向いている言葉だと言えます。しかし、満喫するという言葉に含まれる「楽しむ」という言葉は、外側に向かっている言葉です。

物事をまだ体験していない状態で「満足する予定だ」とは言えませんが、「楽しむ予定だ」と表現することは可能です。例えば、これから行く旅行などに対して「休みの日は旅行を満喫する予定だ」と表現することが出来ます。

友人などを食事に誘う場面の例文で考えると、更にわかりやすいでしょう。友人を食事に誘うような場面で「彼はこの食事会を堪能するだろう」という使い方はできません。これでは「彼は満足するだろう」という押し付けを含んだ表現になってしまいます。

しかし「彼はこの食事会を満喫するだろう」という使い方をすると、これは「彼は存分に飲み食いをするだろう」という意味になり、満足するかどうかは別として、飲み食いをすることに変わりはないので、表現として間違ってはいないことになります。

満喫の「満」という字を含む言葉としては、心が満ち足りて喜ぶことを意味する「満悦」、物事や人柄などの調和が取れて穏やかなことを意味する「円満」などがあります。

満喫の「喫」という字を含む言葉としては、お茶を飲むことなどを意味する「喫茶」などがあります。

堪能の例文と使い方

1.久しぶりの実家で、母の手料理を堪能した。
2.彼は五か国の言葉を堪能に使える優秀な人材だ。
3.旅行先で珍しい地酒を堪能した。
4.こちらは旬の食材を使ったお料理です。ぜひ、ご堪能ください。
5.国際コンクールで優勝したフルート奏者の演奏を、どうぞごゆっくりご堪能ください。

この言葉がよく使われる場面としては、物事に満足した時や、気が済んだ時、なにかその道に通じていることを表したい時などが挙げられます。

満足した、気が済んだ、という意味を含む言葉なので、過去形や現在進行形で使われる言葉です。また、ある種の道に通じているという意味も持っている言葉なので、例文2のように学問や言語能力、芸術に関する表現をする際にも使えます。

例文4や5は、一見未来形の言葉のように見えますが、堪能という言葉の前に「旬の食材を」「コンクールで優勝した」など言葉を付けることで「とても良いものであるので満足いただけるはずです」という意味を持っています。

こういった、一般的に考えて確実に満足をしてもらえるだろうという理由がある場合には、「ご堪能ください」などのように使うことが出来ます。

満喫の例文と使い方

1.友達との旅行を思い切り満喫した。
2.休みの日には子供と水族館を満喫する予定だ。
3.新年に親戚一同で集まり、豪華な食事を満喫した。
4.釣りに行って、新鮮な魚介を釣ったその場で満喫した。
5.このホテルのビュッフェはシャンパンが飲み放題なので、つい満喫してしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、存分に飲み食いをしたような時や、物事を十分に楽しんだ時などが挙げられます。

満喫という言葉には、存分に飲み食いをするという意味が含まれています。そのため、主に食事をするという場面で使われてきた言葉でした。しかし、現在では単純に「十分に楽しんだ」という意味でも使われています。

例文1や2のような場合が、十分に楽しむという意味を含んだものです。満喫という言葉は、過去形、現在進行形、未来形、どのような形態でも使うことが出来る言葉です。