同じ「あらかじめ」という読み方の「あらかじめ」と「予め」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「あらかじめ」と「予め」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「あらかじめ」と「予め」の違い
「あらかじめ」と「予め」の違いを分かりやすく言うと、「あらかじめ」は公用文で使える、「予め」は公用文で使えないという違いです。
一つ目の「あらかじめ」を使った分かりやすい例としては、「始まる前にあらじかめ調べておくことにしました」「あらかじめお送りした資料をご確認ください」「あらかじめ手筈は整っていました」「東京に到着することをあらかじめ彼に知らせるべきです」などがあります。
二つ目の「予め」を使った分かりやすい例としては、「このアップルパイは予め調理して販売しています」「彼女は予め議長の許可を得ました」「資料を予め印刷して持参する予定です」「英語を上手く話せないので予めご容赦ください」などがあります。
「あらかじめ」と「予め」はどちらも物事の始まる前にある事をしておくことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
結論から言ってしまうと、「あらかじめ」は公用文で使えるのに対して、「予め」は公用文で使えないというのが違いです。
ではなぜ「予め」が公用文で使えないのかというと、常用漢字表に載っていない読み方だからです。
常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。
常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。
あくまで公用文だけなので、カジュアルな場面などにおいてはどちらを使用しても問題ありません。
「あらかじめ」も「予め」も英語にすると「in advance」「beforehand」「ahead of time」となり、例えば上記の「東京に到着することをあらかじめ彼に知らせるべきです」を英語にすると「You should notify them of your arrival in Tokyo in advance」となります。
「あらかじめ」の意味
「あらかじめ」とは、物事の始まる前にある事をしておくことを意味しています。
「あらかじめ」を使った分かりやすい例としては、「資料をあらかじめダウンロードしておくようにお願いしました」「あらかじめいくつかのプログラムを用意することにしました」「あらかじめ挽いたコーヒーを用意する」などがあります。
「あらかじめ」は物事の始まる前にある事をしておくことを意味する副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。
「あらかじめ」は事前に準備してほしいことを依頼する際や、前もって何かをアナウンスする際などによく使われています。
「あらかじめ」は常用漢字表に載っている言葉なので、公用文や新聞などで使用しても問題ないと覚えておきましょう。また、ビジネス文書などにも適しています。
「あらかじめ」の類語・類義語としては、かねてからのことを意味する「前もって」、今よりも前にのことを意味する「先に」、以前にのことを意味する「前に」などがあります。
「予め」の意味
「予め」とは、物事の始まる前にある事をしておくことを意味しています。
「予め」を使った分かりやすい例としては、「予め調理された食料を提供しました」「この件は予めお知らせしておく必要があるだろう」「忘れ物がないように予め準備をしておきます」「スームズにお会計ができるようお釣りを予め用意しておきました」などがあります。
「予め」は物事の始まる前にある事をしておくことを意味する副詞です。
「予め」は事前に準備してほしいことを依頼する際や、前もって何かをアナウンスする際などによく使われています。
「予め」を使う上で注意しなければならないのは、公用文で使えないという点です。なぜなら、「予め」という漢字が常用漢字表に載っていないからです。
したがって、公用文で使用したいのであれば、ひらがなの「あらかじめ」の方を使うのがいいでしょう。
「予め」の類語・類義語としては、前からのことを意味する「兼ねて」、先頃のことを意味する「先立って」などがあります。
「あらかじめ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の始まる前にある事をしておくことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「あらかじめ」は公用文でも使うことができる言葉です。
「予め」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の始まる前にある事をしておくことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「予め」は公用文では使えない言葉です。
「あらかじめ」と「予め」はどちらも物事の始まる前にある事をしておくことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、公用文で使えるのが「あらかじめ」、公用文で使えないのが「予め」と覚えておきましょう。