【能率】と【効率】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「能率」(読み方:のうりつ)と「効率」(読み方:こうりつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「能率」と「効率」という言葉は、出来上がる仕事の割合を意味するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



能率と効率の違い

能率と効率の意味の違い

能率と効率の違いを分かりやすく言うと、能率は時間を重視する時に使い、効率は消費されるエネルギーを重視する時に使うという違いです。

能率は一定の時間内でどれほどの作業が進むかを表したものですが、効率は仕事量とその仕事量に費やされた力とを比べた際の比率を表したものです。

そのため、「燃料の効率が良い車」という言葉の効率を能率に置き換えることはできません。また、「音楽を聴くことで作業の能率が上がる」という言葉の能率を効率に置き換えることもできません。これが能率と効率の明確な違いです。

能率と効率の英語表記の違い

能率も効率も英語にすると「efficiency」となり、例えば「労働能率」と「作業の効率」を英語にすると前者は「efficiency of labour」、後者は「work efficiency」となります。

能率の意味

能率とは

能率とは、一定時間内にできる仕事の割合を意味しています。

表現方法は「能率を上げる」「能率が悪い」「能率が落ちる」

「能率を上げる」「能率が悪い」「能率が落ちる」などが、能率を使った一般的な表現方法です。

能率を使った言葉として、「能率増進運動」「能率差異」「能率手当」があります。

「能率増進運動」の意味

一つ目の「能率増進運動」とは、19世紀末ころからアメリカにて始められた運動で、工場生産の作業能率を高めるためのものです。「能率運動」とも言われます。

20世紀初頭にはアメリカのテイラーによって「科学的管理法」が提唱され、作業に関する基準作業量と基本的な手順を科学的な方法で定め、それが計画的に遂行されることによって、能率的になりコスト削減にも繋がるテイラーシステムを生み出しました。

ノルマを達成した場合には給料を割り増しして支払い、達成できなかった場合には決められた最低賃金のみを支払うというシステムをとることで労働意欲と作業能率の向上を図りました。

「能率差異」の意味

二つ目の「能率差異」とは、本来一定時間作業したら得られる成果と、作業員の疲労などによって能率が上下した時の成果との差を意味する言葉です。

例えば製品1個の作業時間が1時間である場合、10個完成するのに10時間必要になります。ただし、疲労度によって作業スピードが落ちて15時間掛かってしまった場合、5個分能率が下がっていることがわかります。ここで見られる無駄が「能率差異」です。

「能率手当」の意味

三つ目の「能率手当」とは、その仕事の熟練度や勤務年数に応じて変動する手当を指します。企業によっては毎月変動することもあれば年ごとに変動することもあります。

「能率給」の意味

これに似た「能率給」という言葉は、能率に応じて支払われる賃金形態を指し、業績給ともいわれます。一定時間の作業量で決める出来高制、一定作業量を完了する時間の短縮をどの程度できたかで決める割増賃金制など様々な制度が取られています。

能率の類語

能率の類語・類義語としては、性能や機能を意味する「パフォーマンス」、単位時間当たりのコンピューターの処理量や通信回線のデータ転送量を意味する「スループット」があります。

能率の能の字を使った別の言葉としては、どんなことでもできることを意味する「全能」、あるものが本来備えている働きを意味する「機能」、才能のある様子を意味する「有能」、文字を書くのが上手なことを意味する「能筆」などがあります。

効率の意味

効率とは

効率とは、仕事量と消費されたエネルギーの比率を意味しています。その他にも、使った労力に対する得られた成果の割合という意味もあります。

表現方法は「効率を上げる」「効率がいい」「効率よく」

「効率を上げる」「効率がいい」「効率よく」「効率が悪い」などが、効率を使った一般的な表現方法です。

効率を使った言葉として、「環境効率」「機械効率」「光電変換効率」があります。

「環境効率」の意味

一つ目の「環境効率」とは、環境と経済の両面の効率性を表す指標を意味する言葉です。持続的な成長を目指すために環境への影響を最小化しつつ価値を最大化する考え方から生まれた言葉です。

「機械効率」の意味

二つ目の「機械効率」とは、機械に与えられたエネルギーと機械が有効な仕事をするエネルギーとの比を意味する言葉です。また蒸気機関において、燃焼ガスや蒸気がピストンに作用した分の仕事量がどれほど有効に利用されるかを表すものでもあります。

通常の機械においても蒸気機関においても、機械のパーツの摩耗や機体の故障などが損失となるため、その分を本来の仕事量から差し引いて考えられるのが「機械効率」です。

「光電変換効率」の意味

三つ目の「光電変換効率」とは、太陽電池で太陽光のエネルギーを電力に変換する効率を意味する言葉です。太陽電池の重要な性能指標となり、ソーラーパネルの発展などに役立ちます。

効率の意味を含んだ四字熟語

効率の意味を含んだ四字熟語として「機知縦横」「臨機応変」があります。

一つ目の「機略縦横」(読み方:きりゃくじゅうおう)とは、その時々に応じて策略を自由自在にめぐらし用いることを意味する言葉です。「機知縦横」も同じ意味を持つ四字熟語です。

二つ目の「臨機応変」とは、状況に応じた行動をとることや場合によってその対応を変えることを意味する言葉です。実際の状況に応じて物事を現実に適した形で処理する策を講じることを意味する「量体裁衣」(読み方:りょうたいさいい)は類義語にあたります。

効率の類語

効率の類語・類義語としては、支出した費用とそれによって得られたものとの割合を意味する「コストパフォーマンス」があります。

効率の効の字を使った別の言葉としては、ある働きかけによって現れる望ましい結果を意味する「効果」、効果を及ぼすことのできる能力を意味する「効力」、実際に現れる効力や効果を意味する「実効」、薬のききめを意味する「薬効」などがあります。

能率の例文

1.社内全体で能率をアップしていくには、社員一人一人のケアを怠らないことでモチベーションを保ってもらう必要があるだろう。
2.彼の仕事ぶりを見て、より能率的なやり方を課内で共有したことで、他の社員の作業能率も上がった気がする。
3.作業の能率化も課題の一つではあったが、なかなか妙案が浮かばない。
4.能率をよくするために多少のコストを支払ったため、最初は能率は上がれど、原価も高く感じることだろう。
5.男女の違いで能率を比べるのは間違いである上、労働能率が低下しているわけではないのに女性が会社からもらえる賃金を減らされる。

この言葉がよく使われる場面としては、決められた時間でどれほどの成果を得られるかの割合を意味する時などが挙げられます。

例文2の「能率的」とは、能率がよい様子や無駄がなくはかどる様子を意味する言葉です。

例文3の「能率化」とは、一定時間内に生み出される成果がより多くなることを意味する言葉です。

効率の例文

1.いくら効率のいいダイエット法や筋トレを調べたとしても、長く続かなければ結果につながらないだろう。
2.効率よく物事を暗記したい場合は、聴覚を使うか視覚を使うかなど、自分に合った記憶法を見つける必要がある。
3.何においても効率化を図ることは大切ではあるが、そればかりを重視すると見えなくなるものもある。
4.学習における効率性を考えると、授業で得た知識を生徒同士で教えあうことは非常に有用であると思う。
5.限られた資源を効率的に使わなければ、電気やガスなど私たちが普段何気なく使っているものが消えることとなるだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、労力に対する得られた成果の割合を意味する時などが挙げられます。

例文3の「効率化を図る」の効率化とは、作業における無駄なものを省き、より円滑な業務ができるような状態にすることを意味する言葉です。

例文4の「効率性」とは、資源などの配分について無駄のないことを意味する言葉です。

能率と効率どちらを使うか迷った場合は、定められた時間を重視する場合には「能率」を、消費される労力やエネルギーを重視する場合は「効率」を使うと覚えておけば間違いありません。

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