【今だに】と【未だに】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「いまだに」という読み方の「今だに」と「未だに」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「今だに」と「未だに」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「今だに」と「未だに」の違い

「今だに」は「未だに」の間違い

「今だに」と「未だに」の違いを分かりやすく言うと、「今だに」とは「未だに」の間違った使い方、「未だに」は今になっても続いていることです。

「今だに」は誤字

一般的には「今だに」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、未だにのことを間違えて「今だに」を使っている人がほとんどです。

「未だに」は正しい日本語

正しい言葉である「未だに」を使った分かりやすい例としては、「事故で亡くなった彼のことを未だに忘れることができない」「三年付き合っているのに彼氏と会うと未だにドキドキする」「未だに野球のルールを理解することができない」などがあります。

「未だに」という言葉はあっても、「今だに」という言葉は存在しません。同時に未だにという単語の意味について「今になっても続いていること」と覚えておきましょう。

しかし、「今だに」という言葉は辞書に載っていないものの、文面によっては「未だに」ではなく、「今だに」を使うのが正しいという人達もいます。

例えば、「あの日聞いた素晴らしい音楽は未だに覚えている」という肯定的な文章の場合、「未だに」はマイナスなイメージを持っているため、少々違和感があるでしょう。そのため、「あの日聞いた素晴らしい音楽は今だに覚えている」とした方が自然です。

ただし、人によっての捉え方の違いなので、公的な文章などでは、辞書に載っている「未だに」やひらがなで「いまだに」と記載するのがいいでしょう。

「未だに」の英語表記

未だにを英語にすると「still」「even now」となり、例えば上記の「事故で亡くなった彼のことを未だに忘れることができない」を英語にすると「I still can’t forget about him who died in an accident」となります。

「今だに」の意味

「今だに」とは

「今だに」とは、未だにの間違った使われ方です。

「今だに」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「未だに」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「今猶」の意味

「今だに」という言葉はないのですが、近い意味を持つ言葉の「今猶」(読み方:いまなお)は辞書に載っています。今猶とは、以前の状態が現在でも続いていることを意味しています。

今猶は、「今だに」に非常近い意味を持つ言葉なので、もし「今だに」を使いたいのなら、今猶と書くのが良いでしょう。

「今だに」の今の字を使った別の言葉としては、前からあったことで今急に始まったことではないことを意味する「今に始めぬ」、そのうち仕返ししてやるということ意味する「今に見てろ」、今になってなおということを意味する「今以て」などがあります。

「未だに」の意味

「未だに」とは

「未だに」とは、今になっても続いていることを意味しています。

「未だに」の使い方

「未だに」を使った分かりやすい例としては、「どうすれば正解だったのか未だに分からない」「未だに犯人が見つかっていない」」「未だにガラケーを使ってる人はいるのだろうか」「好きだった芸能人が亡くなるなんて未だに信じられない」などがあります。

「未だに」は今になっても続いていることを意味しており、詳しく言うならば、解決や改善しなければいけないことが、今現在も続いてるという状態を表しています。また、今現在も続いてる状態を嘆いて使うことが多いため、マイナスのイメージを持って使うことが多いです。

表現方法は「未だに忘れられない」「未だに信じられない」

「未だに忘れられない」「未だに信じられない」「未だに続いている」「未だに信じている」は未だにを使ったよくある表現方法になります。「未だに~していない」「未だに~している」と表現できるので、否定文と肯定文どちらの表現でも使うことができます。

「未だに」の対義語

「未だに」の対義語・反対語としては、ある動作が過去に行われていたことを意味する「既に」があります。

「未だに」の類語

「未だに」の類語・類義語としては、その時点までに実現していないことを意味する「まだ」、依然としてということを意味する「尚尚」(読み方:なおなお)、今までと変わった様子が見られないことを意味する「相変わらず」などがあります。

「未だに」の未の字を使った別の言葉としては、今までに一度もということを意味する「未だ曽て」(読み方:いまだかつて)、結論や解答がまだ出てないことを意味する「未解決」、まだ開発されていないことを意味する「未開発」などがあります。

「今だに」の例文

1.今だにという言葉は存在しないので、おそらく未だにの言い間違いだろう。
2.未だにという言葉は今になっても続いていることで、今だにという言葉はない。
3.今だにという言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.今だに信じられないという言葉を使う人はいるが、正しくは未だに信じられないです。
5.未だに分からないという言葉はあるが、今だに分からないという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、未だにという言葉を間違えて今だにと表現している時などが挙げられます。

「今だに」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、未だにを間違えて使っている可能性が高い言葉です。

「今だに」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「今だに」ではなく、「未だに」と表現するのが正しい使い方です。

「未だに」の例文

1.長い付き合いの友人がいるけど、彼がどんな性格をしているのか未だに分からない。
2.五年前に事故で亡くなった娘のことを、未だに忘れることができない。
3.私が難関国立大学に合格できたなんて未だに信じられない、夢のようだ。
4.交通死傷事故を起こしたのに起訴すらされないなんて未だに信じられない、警察は忖度をしているのか。
5.世界には未だに解明されていない謎がたくさんあると聞いて、とてもワクワクした。

この言葉がよく使われる場面としては、今になっても続いていることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、解決や改善しなければいけないことが、今現在も続いてるという状態の場合に使います。どちらかというとマイナスなイメージで使われることが多いですが、プラスのイメージで使うこともあります。

「今だに」と「未だに」どちらを使うか迷った場合は、「今だに」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「未だに」を使うようにしましょう。

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