【人一倍】と【二倍】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「人一倍」(読み方:ひといちばい)と「二倍」(読み方:にばい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「人一倍」と「二倍」という言葉は、どちらも数量を表す言葉が入っているという共通点があり、本来の意味は違いますが混同して使われる傾向があります。







人一倍と二倍の違い

人一倍と二倍の違いを分かりやすく言うと、人よりも「更に」という意味か、ある数量を倍にした数という意味かの違いです。

人一倍という言葉でよく挙げられる例文として「人一倍努力する」などがあります。これは、他の人よりも沢山の努力をしたという意味の言葉です。

この言葉を聞いた時、「人の一倍努力をしても、他の人と同じ量にしかならないのではないか?」と考える人も多いと思います。

人一倍という言葉で使われている、この「一倍」という意味は、算数などで出てくる「×1」という意味ではありません。

一倍という言葉には、ある数量に1を掛け合わせるという意味の他に「ある数を二つ合わせること」「他の数量よりも程度が大きいこと」などという意味が含まれています。また、副詞的な意味で「更に」という意味でも使われます。

人一倍という言葉で使われている「一倍」というのは、この「他の数量よりも程度が大きい」「更に」という意味で使われている言葉です。つまり、人一倍というのは、「他の人よりも程度が大きい」「他の人よりも更に」という意味になります。

次に「二倍」という言葉を考えます。この二倍というのは、算数などで出てくる「×2」という意味があります。ある数量を二つ合わせた数、ある数量の倍の数という意味になります。

では、「人一倍」という表現はあるのに、どうして「人二倍」という表現がないのでしょうか。これは、人というものが、数量の単位では測れないものであるからです。

人間と言うのは、どのくらいの数量であるのかを明確に表現することが出来ません。この人はどのくらいの数量で、この人はこのくらいの数量、というような表現が出来ないものです。

つまり、人間とはもとの数量がはっきりしないので、二倍にすることが出来ないものなのです。二倍というのは、明らかな数量が示されている場合にしか使えない言葉です。

算数などでも、人数を倍にすることは出来ますが、人間を倍にするという表現は使いません。

上記のように、人一倍という表現は、他の人よりも「更に」という意味で使われる言葉であり、二倍というのは、明確に数量のわかっているものの量を「倍にする」という意味で使われる言葉です。

人一倍という表現はありますが、人二倍という表現は使用することが出来ません。人一倍と表現することで、他の人よりも多く、余計に、更に、という意味を持たせることが出来ます。

人一倍を英語にすると「More than」「unusual」「redoubled」となり、例えば「憧れる気持が人一倍強かった」を英語にすると「I wanted it more than others」となります。

一方、二倍を英語にすると「twice」「twofold」「double」となり、例えば「二倍の値段」を英語にすると「Double price」となります。

人一倍の意味

人一倍とは、他の人よりも「多く」「更に」ということを意味しています。この場合の一倍という表現は、人×1という意味ではなく、「更に」という意味で使われています。

人一倍を使った分かりやすい例としては、「彼は仕事が遅くて人一倍時間がかかる」「人一倍努力したのにダメだった」「人一倍稼いで人一倍遊ぶ人生を送りたい」「私の肌は乾燥肌で人一倍敏感だ」「根性だけは人一倍ございます」「人一倍頑張らないといけない」などがあります。

「人一倍努力をする」という例文は「他の人よりも多く努力をする」という意味になり、一般的によく使用される表現です。人二倍という言葉はなく、人一倍と表現することで、他者よりも多く努力をしていることを表すことが出来ます。

人一倍と似た意味を持つ言葉としては、物事の程度が普通を超えていることを意味する「格段」、並外れていることを意味する「飛び切り」、程度が際立っていることを意味する「殊の外」などがあります。

二倍の意味

二倍とは、ある数量を二つ合わせた数のことを意味しています。はっきりとわかっている数量について、その量を倍にするという意味を持っています。

二倍を使った分かりやすい例としては、「ボーナスを現在の二倍に引き上げる」「大盛りは量が普通盛りの二倍です」「三年後にこの店舗の売上を二倍にする」「生活が苦しいから共働きで収入を二倍にする」「二倍の大きさだとダンボールに入らない」などがあります。

二倍という言葉は、明確に数量がわかっている場合にしか使えません。人間の努力というのは、数量で表すことが出来ないものなので「人二倍努力をする」という風に使うことは出来ません。

同じような表現として「人の倍努力する」という言葉もあります。これは「倍」という言葉に「多く」という意味が含まれていることから、「人よりも多く努力をする」という意味で使われています。

二倍というのは、基準となる数量を二つ合わせるという意味しか持ちません。基準となるものの数量がわからない場合には、使えない言葉であると覚えておくようにしましょう。

二倍と似た意味を持つ言葉としては、二倍に増えることを意味する「倍増」、増やして二倍にすることを意味する「倍増し」、倍に増えることを意味する「倍加」などがあります。

人一倍の例文と使い方

1.私は北国の生まれなので、人一倍寒さに強いのです。
2.彼女は人一倍大きな瞳をしていて、とても美人である。
3.彼は人一倍努力をする人なので、数々の成功をおさめている。
4.本来の性格がおっとりしているので、人一倍急がないと間に合わないのだ。
5.私は人一倍神経質なタイプである。

この言葉がよく使われる場面としては、他者と比べてより多くなにかをしている時や、他者と比べて優れている、突出していることなどを示す時が挙げられます。

人一倍の「一倍」とは、算数で使われるところの「×1」という意味ではなく、副詞的な意味である「更に」「多く」などの意味で使われているものです。「×1」の意味で考えると、他の人と同じくらいという意味だと勘違いしやすいので注意しましょう。

二倍の例文と使い方

1.今年は収穫が去年の二倍になった。
2.今日は昨日よりも二倍の時間、勉強をした。
3.五年後には年収が二倍になっている予定だ。
4.このレシピでは、砂糖を塩の二倍入れるとちょうど良い味になるよ。
5.時間がないので、録画した番組を二倍の速度で流す。

この言葉がよく使われる場面としては、なにか数量がはっきりとわかっている場合に、その数量を倍増させた時などが挙げられます。倍増というのは、基準となる数量を二つ合わせた分量ということです。

この言葉は、基準となる数量がはっきりとわかっている場合にしか使えないものです。「人数を二倍にする」と表現することは出来ますが「人二倍努力する」という表現は出来ません。

これは、人の努力というものが、数字ではっきりとわかるものではないからです。明確な数字がわかっている状態でのみ、二倍という言葉が使えると覚えておくようにしましょう。