【一つ返事】と【二つ返事】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「一つ返事」(読み方:ひとつへんじ)と「二つ返事」(読み方:ふたつへんじ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「一つ返事」と「二つ返事」という言葉は、どちらも相手に対して返答をするという意味を持つ共通点があり、本来の意味は違いますが混同して使われる傾向があります。




一つ返事と二つ返事の違い

一つ返事と二つ返事の意味の違い

一つ返事と二つ返事の違いを分かりやすく言うと、「はい」とすぐに返事をしている様子か、「はいはい」と快く返事をしている様子かの違いです。

一つ返事は誤字で二つ返事は正しい日本語

本来は「一つ返事」という言葉は間違った使い方です。正しくは「二つ返事」となり、一つ返事という言葉は存在しません。

この間違いは、広く世間に浸透している状態にあります。文化庁の調査によると、「二つ返事」のことを「一つ返事」だと勘違いしている人は、調査人数全体の半数以上という結果になっています。

つまり、二つ返事という言葉を使用する人よりも、一つ返事と使っている人の割合の方が多いという結果が出ているということです。

これは、幼いころなどの教育で「返事は一回!」や「ハイは一回!」と教えられた経験がある人が多いことが原因であると考えられます。

実際、「はいはい」と二回繰り返して返事をすることは、状況によっては、相手の言葉を軽く受け流しているような雰囲気が感じられ、あまり印象が良くありません。

しかし、本来の意味では「はいはい」と二回も返事をしてしまうほどに、快く受け入れる、承諾する、という意味をもって「二つ返事」という言葉は生まれました。

つまり、二つ返事というのは、受け流して答える「はいはい」という返事のことではなく、「はい、喜んで!」という意味を持つ言葉です。

また、二つ返事には、急いで取り掛かるというような意味も含まれます。「はいはい、今すぐに!」というような意味の使い方で、「二つ返事で作業に取り掛かってくれた」というような使い方をします。

実際に「はい」と返事をする際には一度だけの方が印象が良いですが、快く引き受けるという意味を伝えたい場合には「二つ返事で」と、正しく言葉を使うようにしましょう。

しかし前述した通り、この言葉は多くの人から「二回返事をするのは、軽く受け流されている気がする」という印象を持たれている言葉です。特に目上の人などに使う際には注意が必要です。

一つ返事という言葉も現在では普及していますが、本来は間違っている言葉なので、どうしても、あえて使いたい時以外は使わないようにしましょう。

喜んで受け入れますということを表したい場合は、「快諾する」や「快く引き受ける」などの別の表現を使うと、相手により正確に言葉の意味が伝わります。

二つ返事の英語表記

正しい方の二つ返事を英語にすると「ready」「Immediate reply」となり、例えば「二つ返事で承知する」を英語にすると「to give a ready consent」となります。

一つ返事の意味

一つ返事とは、本来は存在しない言葉です。二つ返事という言葉と似ているため、混同して使われていて、現在では「二つ返事」という言葉よりも多くの人が使っている言葉です。

この言葉は「快く引き受ける」という意味を持って使われている言葉ですが、本来は「一つ返事」ではなく「二つ返事」が正しい言葉です。

しかし、「はい」と一度返事をする方が誠実な印象を与えることが出来ると考えている人が多く、今では本来の正しい言葉である「二つ返事」よりも「一つ返事」と使っている人の割合の方が多くなっている傾向にあります。

一つというのは、強調の意味を含む言葉です。一度だけ返事をすることにより、肯定の気持ちや了承の気持ちを強く印象付けることが出来ます。目上の人などから頼み事をされた場合など、「はい」と一度の返事をした方が礼儀正しく聞こえる場合もあります。

上記のように、実際に返事をする場合には「はいはい」と二回繰り返すよりも「はい」と一度の返事をする方が好印象を与えることが出来ます。しかし、「一つ返事」という言葉自体は間違いですので、使わないようにしましょう。

二つ返事の意味

二つ返事とは

二つ返事とは、快くすぐに引き受けることを意味しています。

表現方法は「二つ返事で引き受ける」「二つ返事で快諾」「二つ返事で答える」

「二つ返事で引き受ける」「二つ返事で快諾」「二つ返事で答える」などが、二つ返事を使った一般的な表現方法です。

二つ返事の使い方

二つ返事を使った分かりやすい例としては、「嬉しくて二つ返事で行くと答えた」「いつも二つ返事で承諾してくれたのにどうしたのだろう」「この案件は最初から二つ返事で引き受けると決めていた」「難しい仕事を二つ返事で引き受けた」などがあります。

二つ返事とは、一度の返事よりも、より快く物事を引き受ける際に使われる言葉です。二つという言葉は、一つよりも数が多く、より確実であることを示すとされています。

そこから転じて、二つ返事とは相手の要望に対して「喜んで受ける」「気持ちよく引き受ける」「確実に受ける」などの肯定的な意味を持った言葉です。

しかし、近年では二つ返事という言葉の意味が正しく広まっていない傾向にあります。特に目上の人などに使う際には、正しく誠意が伝わらない可能性があるので、注意が必要です。

二つ返事の言い換え語

二つ返事という言葉は、「快諾します」「応諾します」「即諾します」などの言葉で言い換えることも出来ます。これらの言葉は全て「喜んで快く請け負います」という意味を持つ言葉です。

二つ返事の対義語

二つ返事の対義語・反対語としては、いいかげんな受け答えをすることを意味する「生返事」(読み方:なまへんじ)があります。

一つ返事の例文

1.小さいころ「返事は一度!」と教えられたので、一つ返事が正しい言葉だと思っていた。
2.一つ返事の方が誠意がありそうに思えるが、本来は「二つ返事」という言葉を使うらしい。
3.一つ返事という言葉は存在しないらしいが、「はい」と一度返事をするのは好印象を与えると思う。
4.一つ返事という言葉を使う人は、二つ返事という言葉を使う人よりも多いらしい。
5.本来は間違いである一つ返事という言葉だが、このまま浸透してけば、いつか正しい言葉になるのかもしれない。

この言葉がよく使われる場面としては、なにかを頼んだり、頼まれたりするような時が挙げられます。

しかし、本来は一つ返事という言葉は間違いであり、正しくは二つ返事をするという表現になります。実際に返事をする場合は「はい」と一回の方が印象が良いですが、言葉として使う場合は「二つ返事」という風に使うようにします。

一つ返事という言葉は、現在では広く浸透してきている言葉であり、間違えて使っている人も多くいます。正しい言葉と本来の意味をしっかりと覚えておくようにしましょう。

二つ返事の例文

1.二つ返事という言葉が快諾であるとは知っているけれど、実際に「はいはい」などと返事をするのは印象が悪い気がする。
2.私は友人からのお花見の誘いに「喜んで!」と、二つ返事で答えた。
3.先輩は、私の残業に二つ返事で付き合ってくれた。
4.同窓会の案内を送ったら、みんな二つ返事で参加すると答えてくれた。
5.ここの飲み屋は注文をすると、二つ返事で元気に答えてくれるので気持ちが良い。
6.急なトラブル対応で今日中にやらなければならない別の業務を、任せてと二つ返事で引き受けてくれたパート社員さんに心から感謝した。
7.PTA役員を二つ返事で引き受けたまでは良かったが、活動時間が平日昼間なので参加したくてもなかなか参加できない。
8.私は北海道が大好きだったので、旅行の誘いが嬉しくて二つ返事で行くと答えました。
9.男は儲け話に目がなかったので、私達の策略に気づかずに二つ返事で乗ってきました。
10.見栄を張って二つ返事で仕事を引き受けたはいいものの、やったことのない仕事を一体どうやってやればいいのか悩んでいました。

この言葉がよく使われる場面としては、何事かを快く受け入れる場合や、受け入れてもらった場合などが挙げられます。

しかし、二つ返事という言葉からは「はいはい」と軽くあしらうような返事をしている様子が連想されてしまいがちです。快諾を表現したくて使った言葉であっても、相手が失礼な言葉だと勘違いして受け取ってしまう場合もあるので注意が必要です。

文章として「二つ返事」という言葉を使用する際には、その文章全体で快諾であることを表しながら、二つ返事という言葉を使うようにすると誤解がなく、正しい意味で伝わるので良いでしょう。

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