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【張本人】と【当の本人】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「張本人」(読み方:ちょうほんにん)と「当の本人」(読み方:とうのほんにん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「張本人」と「当の本人」という言葉は、どちらも当事者を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




張本人と当の本人の違い

張本人と当の本人の意味の違い

張本人と当の本人の違いを分かりやすく言うと、張本人とは悪事を引き起こした人を意味し、当の本人とは事の良し悪しに関わらず直接関係する人を意味するという違いです。

張本人と当の本人の使い方の違い

一つ目の張本人を使った分かりやすい例としては、「悪質なたくらみの張本人が分かってきた」「悪事をはたらいた張本人が反省していない」「いたずらを企てた張本人が白をきって認めない」などがあります。

二つ目の当の本人を使った分かりやすい例としては、「彼が当の本人です」「怪我を負った当の本人より家族が大変そうだ」「当の本人は自覚していない様子だった」「就職先は当の本人に任せている」などがあります。

張本人と当の本人という言葉は、その事に直接関係のある人を表し、似たような表現をする言葉ですが、意味は微妙に異なります。張本人は事件の起こるもとをつくった人を意味し、特に悪事に直接関係のある人を表します。当の本人は悪事に限らず、その事に直接関係のある人を意味します。

張本人は、その事件を起こす原因になった人や悪事を引き起こした人の意味があるので、マイナスなイメージの言葉です。一方、当の本人は、良いことでも悪いことでもその当事者を意味するので、文脈によりプラスにもマイナスにもなる言葉です。

張本人と当の本人の英語表記の違い

張本人を英語にすると「ringleader」「instigator」となり、例えば上記の「たくらんだ張本人」を英語にすると「the ringleader of a scheme」となります。

一方、当の本人を英語にすると「the person in question」「person concerned」となり、例えば上記の「彼が当の本人です」を英語にすると「He’s the person in question」となります。

張本人の意味

張本人とは

張本人とは、事件の起こるもとをつくった人、首謀者を意味しています。

張本人の使い方

張本人を使った分かりやすい例としては、「台所を汚した張本人はお前だな」「謝罪を求めたがが張本人は誤らなかった」「悪事の張本人は分からないままだ」「嫌がらせの張本人は誰だろう」などがあります。

その他にも、「騒動を引き起こした張本人は彼だ」「障子を破った張本人に張り替えてもらう」「今回の事件を企てた張本人だった」「彼女が私を厄介なことに巻き込んだ張本人だった」などがあります。

張本人の語源

張本人という言葉の成り立ちは、事の起こりや悪事のもとになることを意味する「張本」と、その行為をする人を意味する「人」が組み合わさったものです。事件の発端になったり、悪い事を引き起こした場合に使われ、一般的に良い事に関して使われることはありません。

張本人の類語

張本人の類語・類義語としては、陰謀や悪事を中心になって企てる人を意味する「首謀者」、罪を犯した人を意味する「罪人」、悪党の中心人物を意味する「元凶」などがあります。

張本人の張の字を使った別の言葉としては、実際よりも大げさに表現することを意味する「誇張」、自分の意見を認めさせようとして強く言い張ることを意味する「主張」などがあります。

当の本人の意味

当の本人とは

当の本人とは、当事者そのもの、その事に直接関係のある人を意味しています。

当の本人の使い方

当の本人を使った分かりやすい例としては、「家族には告知しても当の本人には言わないで欲しい」「孤立している当の本人は気にしていない」「うわさになっている当の本人は気にしていない」などがあります。

その他にも、「語り明かそうと言った当の本人が寝てしまった」「周囲の心配をよそに当の本人は平気でいる」「当の本人を蚊帳の外に置いて話が進む」「トラブルメーカーの当の本人は自覚がないものだ」などがあります。

当の本人の語源

当の本人という言葉は、いま話題にしているの意味を持つ「当」と、その事に直接関係のある人を意味する「本人」が組み合わさったものです。「本人」を強調的した表現とも言えます。悪事に対して使われる張本人のような限定的な使い方をせず、幅広く使える言葉です。

当の本人と当人の違い

当の本人と似た表現に、「当人」があります。どちらも事の良し悪しに関係なく使えて、直接関係のある人を意味する言葉なのですが、当の本人の方が本人を強調した表現となります。「まさにこの人」といったニュアンスのあり、大げさに表現したい時に使われます。

当の本人の類語

当の本人の類語・類義語としては、その事柄に直接関係している人を意味する「当事者」、いま話題になっている事柄に関係する人を意味する「当該者」、その事に直接関係のある人を意味する「本人」などがあります。

当の本人の当の字を使った別の言葉としては、ある条件や資格などに当てはまることを意味する「該当」、価値などがその物事とほぼ等しいことを意味する「相当」、自分の属している方を意味する「当方」などがあります。

張本人の例文

1.友人が張本人をいい意味で使っていたので、話がややこしくなった。
2.私が中学校で学級崩壊させた張本人だという黒歴史は、子供には絶対言えない。
3.張本人の成り立ちを調べてみると意外なことが分かった。
4.「張本人」の区切り方は、「張」と「本人」ではなく、「張本」と「人」だとは知らなかった。
5.張本人は中国語で罪魁や哈珀と書き、罪魁は日本語にもあり、悪事の張本人を意味する言葉だ。
6.事件は次々と関係者が逮捕されたが、事首謀者である張本人は、まだ逮捕されていない。
7.誰かが騒動を引き起こした張本人は彼だとデマを流していたので、えらい迷惑を被っていた。
8.学校のいじめは解決したが、いじめをやっていた張本人は、謝罪の一言もなく逃げ回っていた。
9.事件の犯人はこの事件を最初に私のところに持ってきた張本人だったのだ。
10.彼女こそ私を厄介なことに巻き込んだ張本人なのに、どうして他人事でいられるのか理解に苦しむ。

この言葉がよく使われる場面としては、事件の起こるもとをつくった人、首謀者を表現したい時などが挙げられます。

例文1のように、張本人は一般的には悪い事に対して使われる言葉なので、良い事に関して使うと話が分かりづらくなることがあります。例文3や例文4にあるように、張本人は「張本」と「人」で成り立っている言葉です。張本は、事の起こりや、前もって準備しておくことを意味する言葉です。

当の本人の例文

1.夫は酔っ払うと声が大きくなるが、当の本人は自覚していない様子だ。
2.自分のことを言う時は、当の本人ではなく、当の私と言いましょう。
3.嫌味を言われがちな友人がいるが、当の本人は気付かないのか流しているのか気楽にみえる。
4.おせっかいな私は、当の本人の意思を確認せずに話を進める癖がある。
5.いろんな習い事をやらせたい親の気持ちは分かるが、やるやらないは当の本人次第かと思う。
6.彼はさんざん飲んで騒いでタクシーで自宅まで送ってもらったのに、当の本人はまったく覚えていないというのだからあきれてしまう。
7.彼は会議での発言が過剰だと周囲から指摘されたが、当の本人は自覚していない様子だ。
8.その芸能人は上司にしたいランキングで一位になったが、当の本人が一番ビックリしているのではないか。
9.会社の業績が悪化していると噂されているが、当の本人である社長からは何もコメントが出ていない。
10.仕事でミスをしたと上司から指摘されたが、当の本人は自分が悪かったとは思っていないようだ。

この言葉がよく使われる場面としては、当事者そのものを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「当の本人」とは、酔っぱらうと声が大きくなる夫を表しています。大声を聞いている周囲の人と、自覚がない本人を対比して強調させるために「当の本人」が使われています。例文2にあるように、自分を主語にする場合は「当の私は…」と表現します。「私」を強調した表現になります。

「張本人」と「当の本人」という言葉は、その事に直接関係のある人を表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、悪事を引き起こした人を表現したい時は「張本人」を、事の良し悪しに限らず直接関係する人を表現したい時は「当の本人」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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