【叡智】と【英知】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文
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同じ「えいち」という読み方の「叡智」と「英知」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「叡智」と「英知」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。



叡智と英知の違い

叡智と英知の意味の違い

叡智と英知の違いを分かりやすく言うと、叡智とは常用外漢字であり、英知とは常用漢字であるという違いです。

叡智と英知の使い方の違い

一つ目の叡智を使った分かりやすい例としては、「生態系に自然の叡智を感じる」「優れた叡智を携えた真のリーダー」「エジプト神話の叡智の神トト」「カントは叡智界の存在を唱えた」などがあります。

二つ目の英知を使った分かりやすい例としては、「人類の英知を結集するときだ」「英知を結集した人材育成事業」「英知の結晶とも言える経営理論だ」「月桂樹は栄光と英知の象徴とされた」などがあります。

叡智と英知という言葉は、どちらも「えいち」と読み、同じ意味を持つ言葉です。もとの漢字は叡智であり、哲学において、物事の真実在の理性的認識を意味する言葉でした。転じて、すぐれた知恵や深く物事の道理に通じる才知の意味で一般的に使われるようになりました。

叡智は常用外漢字で英知は常用漢字

「叡」「智」は常用漢字ではないため、同音で妥当な漢字である「英」「知」が当て字として使われています。叡智と英知は全く同じ意味の言葉であり、常用外漢字であるか常用漢字であるかが違いになります。また、叡知と書くこともあり、「叡智」「英知」「叡知」の三つの漢字があります。

常用漢字とは、日本語の読み書きが混乱しないように、一般の社会生活で漢字を使用する際の目安として示されているものです。公文書や義務教育の授業はこれに従う必要があるので、常用漢字である「英知」の方が馴染みのある漢字と言えます。

ただし、哲学の意味や、神がかったニュアンスを表したい時に「叡智」が使われる傾向があります。「叡智」という言葉の「叡」という漢字には、天子に敬意を表す語の意味があるためです。叡智は常用外漢字ですが、あえて書き物や哲学書で使われることがあることを覚えておきましょう。

叡智と英知の英語表記の違い

叡智も英知も英語にすると「wisdom」「intelligence」「intellect」となり、例えば上記の「自然の叡智」を英語にすると「natural wisdom」となります。

叡智の意味

叡智とは

叡智とは、すぐれた知恵、深く物事の道理に通じる才知を意味しています。

その他にも、哲学で、物事の真実在の理性的、悟性的認識、ソフィアの意味も持っています。

表現方法は「宇宙の叡智」「人類の叡智」「自然の叡智」

「宇宙の叡智」「人類の叡智」「自然の叡智」「叡智にあふれる」「叡智の結晶」などが、叡智を使った一般的な表現方法です。

叡智の使い方

「人類の叡智を結集する」「自然の叡智に学ぶ」「叡智に富むお話を聞いた」「叡智にあふれるご判断だった」「叡智は武勇より尊しと言われる」などの文中で使われている叡智は、「深く物事の道理に通じる才知」の意味で使われています。

一方、「人間は感性界に属すると同時に叡智界にも属する」「自我は叡智的自己であると哲学者は言う」「哲学者たちの叡智の結晶と言われる書がある」などの文中で使われている叡智は、「哲学における物事の真実在の理性的認識」の意味で使われています。

叡智という言葉の「叡」は聡明なことや賢いことを表し、「智」は物事を理解する能力を表し、上記の例のように二つの意味があります。前述したように「叡」は、天子の行いに冠して敬意を表す語とされているので、叡智はスピリチュアルなニュアンスを表したい時に使われる傾向があります。

四字熟語「聡明叡智」の意味

叡智を用いた四字熟語には「聡明叡智」があり、知識があって物事を深く理解する能力があることを意味します。「聡」「明」「叡」「智」は、聖人が持つ四つの徳とされており、頭が良く、学識が豊富なことを表しています。「聡明叡知」とも書きます。

叡智の対義語

叡智の対義語・反対語としては、平凡な知恵や並の才能を意味する「凡智」などがあります。

叡智の類語

叡智の類語・類義語としては、人間の知恵や人間の知能を意味する「人智」、多くの人々の知恵や衆人の知恵を意味する「衆智」、すべてを見きわめる知恵や完全な知恵を意味する「全智」などがあります。

叡智の叡の字を使った別の言葉としては、すぐれた才能や才知を意味する「叡才」、天子の考えや天子の気持ちを意味する「叡慮」、天子がお聞きになることを意味する「叡聞」などがあります。

英知の意味

英知とは

英知とは、すぐれた知恵、深く物事の道理に通じる才知を意味しています。

その他にも、哲学で、物事の真実在の理性的、悟性的認識、ソフィアの意味も持っています。

英知の使い方

「英知を結集した科学技術」「国内外の英知を結集する」「歴史が積み上げてきた英知」「フクロウは英知の象徴と言われる」「我がゼミの英知の結晶と言える論文だ」などの文中で使われている英知は、「深く物事の道理に通じる才知」の意味で使われています。

一方、「アリストテレスは英知への愛を説いた」「人類の英知を学問として学ぶ」「パルテノン神殿は英知のシンボルだ」などの文中で使われている英知は、「哲学における物事の真実在の理性的認識」の意味で使われています。

英知という言葉は、叡智の当て字であり、叡智と同じ意味を持ちます。常用漢字のため、叡智よりも馴染みのある言葉です。ただし、「英」はすぐれていることを表しますが「叡」のように天上人に使われる語ではないので、叡智のようにスピリチュアルなニュアンスはありません。

表現方法は「英知を結集する」「英知の結晶」「人類の英知」

英知を用いた言い回しには「英知を結集する」「英知の結晶」「人類の英知」「英知を絞る」「英知に富む」「英知を尽くす」「英知を集める」などがあります。

「英知を結集する」とは、個々のすぐれた知恵や才知を集めて一つにすることを表します。「英知の結晶」とは、すぐれた知恵や才知が積み重なり形とって現れることを表します。

英知の対義語

英知の対義語・反対語としては、平凡な知恵や並の才能を意味する「凡知」などがあります。

英知の類語

英知の類語・類義語としては、人間の知恵や人間の知能を意味する「人知」、多くの人々の知恵や衆人の知恵を意味する「衆知」、すべてを見きわめる知恵や完全な知恵を意味する「全知」などがあります。

英知の英の字を使った別の言葉としては、才知や武勇にすぐれ常人にできないことを成し遂げた人を意味する「英雄」、すぐれた才能を持った青少年を教育することを意味する「育英」などがあります。

叡智の例文

1.地球の歴史と人類の叡智の結晶である世界遺産に圧倒される。
2.人類の叡智の結晶である科学技術の発達は、あらゆる場面で我々の生活を支えている。
3.この書は、数々の哲学者が生涯をかけて導き出した叡智の書ともいうべき代物だ。
4.哲学者のカントは、経験不可能ではあるが存在を否定できない物が属する世界を「叡智界」と呼んだ。
5.エジプト神話の叡智の神であるトトは、 圧倒的な知識から下される判断は的確だったと言われている。

この言葉がよく使われる場面としては、深く物事の道理に通じる才知、哲学における物事の真実在の理性的認識を表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2で使われている叡智は、深く物事の道理に通じる才知を意味します。「人類の叡智」のように、大きなスケールでの才知を表す時は「英知」よりも「叡智」が使われる傾向があります。例文3から例文5にで使われている叡智は、哲学における物事の真実在の理性的認識を意味します。

例文5にある「叡智界」とは、哲学用語であり、人間の思惟や理性的直観などの最高の認識能力によってのみ把握される超感覚的な世界を意味します。可想界とも言います。

英知の例文

1.感染症拡大を防ぐために、英知を絞る役目が行政と社会全体に求められている。
2.抵抗できない大災害や不況に見舞われた時こそ、英知を結集する必要がある。
3.国内外の英知を結集し、地球温暖化対策を実行しなければいけません。
4.英知に富む古代人たちは社会経済の各分野で大きく進歩し、優れた文化も創造しました
5.友人がくたくたに疲れて「英知を養うために帰る」と言っていたが「英気を養う」の間違いだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、深く物事の道理に通じる才知、哲学における物事の真実在の理性的認識を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「英知を絞る」とは、手段などについて知恵を出し工夫して案出することを表します。例文5にある「英知を養う」は誤った表現です。正しくは「英気を養う」であり、何事かに取り組むための活力を蓄えることを意味します。

叡智と英知という言葉は、同音同義語の言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、公的な書類などに記載する場合は常用漢字である「英知」を使うと良いでしょう。その他の場合には、好みにより使えば良いでしょう。

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