【皮】と【革】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「かわ」という読み方、似た意味を持つ「皮」と「革」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「皮」と「革」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




皮と革の違い

皮と革の意味の違い

皮と革の違いを分かりやすく言うと、皮は動植物や物の肉や身を包んでいる外側のことであり、天然のものを意味していて、革はそれら天然の皮を人間が日用品として使いやすいように加工した状態のものを意味しているという違いです。

皮と革の意味の使い分け方

皮というのは、動植物の肉や身の部分を包んでいる外側の部分の膜を表現する言葉です。例えば、人間の外側の部分である「皮膚」(読み方:ひふ)も、皮という字が入ります。その他にも、木の皮の部分を「樹皮」(読み方:じゅひ)と呼んだりします。

リンゴやみかん、バナナなどの果実やジャガイモなどの野菜の外側も「皮」と表現しますし、餃子やシュウマイ、まんじゅうなどの外側部分も「皮」と呼びます。このように、動植物や物などの外側部分を「皮」と呼ぶのだと覚えておくようにしましょう。

これらの「皮」というのは、天然のものであり、加工されているものではありません。餃子などの皮も、表面を覆うもの自体を「皮」と表現するのであって、それ以上の加工を施すものではありません。

対する「革」というのは、天然のものである「皮」を人間が使いやすいように加工したものを表現する言葉です。これは食べ物に対しては使わない表記であり、日用品などに加工されるものについて表現します。

動物の皮などから、毛やたんぱく質、脂肪などを取り除き、干したり薬品処理を施すなどして、耐久性、耐熱性、柔軟性をもたせたものを「革」と呼びます。また、加工すること自体を「なめす」と表現します。

皮をなめして、使いやすいようにしたものを「革」と表記するのだと覚えておくと良いでしょう。なめした革は、楽器の一部に使用されたり、日用品に加工されたり、装飾品になったりします。

皮の意味

皮とは

皮とは、動植物の肉体や身を包んでいる外側の膜や、物の表面に存在する中身を覆って包むものを意味しています。皮というのは、主に天然の状態で存在するものを表現するもので、人間の肌のことも「皮膚」(読み方:ひふ)と表現し、皮の字が含まれます。

皮の使い方

皮という漢字が使われる言葉としては、上記に挙げたように人間の「皮膚」や、果物や野菜の表面を覆っている皮、それに餃子の皮やまんじゅうの皮などもこの漢字を使って表現します。木の表面についても「樹皮」(読み方:じゅひ)と呼んだりします。

動物についても、生きている状態でなんの加工もされていない場合には、牛の皮や魚の皮などのように表現されます。また、場合によっては、物事の表面にあって、本質を覆い隠しているものを「皮」と表現する場合もあります。

例えば、「化けの皮」や「欲の皮」「面の皮」などという表現で使用されることもあります。この場合、「化けの皮が剝がれる」や「面の皮が厚い」などのように慣用句的に使用されることが多いものです。

皮というのは、何かの中身を覆い隠したりする表面の部分を指す言葉であり、加工されていない天然のものについて表現しているものであると覚えておくようにしましょう。加工されていない「かわ」のことを「皮」という漢字で表記するものです。

皮の類語

皮という字を使った別の単語としては、遠まわしに意地悪く相手を非難することを意味する「皮肉」、上辺だけを見て判断し物事の本質に至らないことを意味する「皮相」などがあります。

革の意味

革とは

革とは、動物の皮から毛などを取り去り、干したり薬品処理などをして加工をしたものを意味しています。生きた動物の表面や天然の状態である動植物の表面のことは「革」とは表記しません。人間が加工したものだけを「革」と表記します。

革とは、動物の皮を人間が利用するために加工したものを言います。動物から採取した皮から、不要なたんぱく質や脂肪を丁寧に取り除き、干したり薬品処理をしたりして、耐久性や耐熱性、柔軟性を持たせます。

それらを更に加工して、楽器の一部にしたり、生活用品の一部にしたり、装飾品にしたりします。これらの処理のことを「なめし」と呼び、なめされた皮のことを「革」と表記するものです。

革の使い方

この「革」というのは、英語で表記するところの「Leather」(読み方:レザー)で、装飾品などでは「レザー商品」「レザークラフト」などの表記がされていることもあります。また、なんの動物の皮がなめされたものか明確にされている場合もあります。

例えば「牛革」と表記されているものについては、牛の皮をなめして革にしたものを指しています。このように、なめされた状態で使用される皮のことを「革」と表記すると覚えておくようにしましょう。

また、「革」という字には、「改」という漢字と同じ意味も含まれています。これは「あらためる」「あらたまる」という意味を持つ漢字です。例えば「革命」などの単語に使われている「革」という字がそれにあたります。

革の類語

革という字を使った別の単語としては、なまの皮となめした革を意味する「皮革」、旧来の制度や組織、方法などを改めて新しくすることを意味する「革新」、物事が急激に発展や変革をすることを意味する「革命」などがあります。

皮の例文

1.彼はリンゴの皮をむくのがとても上手い。
2.夕飯は餃子にするから、皮で包むのを手伝ってちょうだい。
3.ついに彼女の化けの皮が剝がれたようだ。
4.私の祖父は、魚の皮の部分をカリカリに焼いたのが好きだ。
5.かぼちゃの皮をむくのは、女性にとっては一苦労だ。
6.仕事のミスで会社に大損害を出すところだったが、上司がすぐさまフォローしてくれて首の皮一枚なんとか繋がった。
7.私は何度も素振りの練習をしていたので、気付かないうちに手の皮がむけてしまっていたのでした。
8.野菜をむいた皮は捨ててはいけません。それらはいいダシになるので無駄なく使いましょう。
9.今回の一件であいつがどれだけ嘘にまみれていたか、化けの皮が剥がれていい気味だと思います。
10.あの時は、納期に間に合いそうもなくてもうダメかと思ったが、彼が手伝ってくれたおかげで首の皮一枚繋がりました。

この言葉がよく使われる場面としては、動物や植物の身を包んている外側の膜や、物の表面にあたる部分などを表現したい時などが挙げられます。また、物事の表面にあって本質を隠している部分についても「皮」と表現する場合があります。

例文1や4、5のように動植物の表面部分について表現する場合にこの「皮」という字を使います。これは加工をされていない天然のままの「皮」という意味です。また例文2のように物の表面にあたる部分も「皮」と呼びます。

また、例文3のように物事の表面にあって本質を隠していることについても「皮」と表現することがあります。例文3は彼女は本性を隠していたけれど、隠していた皮の部分が剝がれて、彼女の本心が明らかになったという意味を持ちます。

革の例文

1.誕生日プレゼントに本革の財布を貰った。
2.祭りで使う太鼓に革を張るのは大仕事だと思う。
3.丁寧になめされた革には光沢があって、大事に使うと長持ちする。
4.今日は革靴で来てしまったから、雨が降らないことを祈るよ。
5.応接室には、立派な革張りのソファーがある。
6.生きているワニや蛇は気持ち悪いのに、財布やハンドバッグに加工された革なら平気なのはなぜだろう。
7.革ジャンに憧れて買ってはみたものの、どうも着られてる感が拭えず、そのうちタンスの肥やしとなった。
8.革製品には少し憧れがあるが、私みたいなガサツな人間だとメンテナンスが億劫になるのは目に見えている。
9.大学を出て就職した時に、祖父母からは就職祝いで革靴を買ってもらい、今でも手入れをしつつ大切に使っています。
10.私は愛車にビンテージ感を出したかったので、車のシートもすべて革張りのものに交換しました。

この言葉がよく使われる場面としては、動物の皮から不要な成分を取り除き、干したり薬品処理をしたりして加工をしたものを表現したい時などが挙げられます。革というのは、皮を人間が加工して、使いやすい状態にしたものを示しています。

動物の皮というのは、そのまま日用品などに使うことは出来ません。余分なたんぱく質や脂肪を取り除き、必要な処理を行うことで、様々な用途で使用できるようになります。このように使える状態に加工された皮を「革」と表記します。

皮を加工することを「なめし」と呼び、なめされた皮のことを「革」と呼ぶのだと覚えておくと良いでしょう。革は耐久性に優れ、使いこむと柔軟性が増します。大切に扱うと、とても長持ちをする素材です。

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