【初旬】と【上旬】と【頭】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「初旬」(読み方:しょじゅん)と「上旬」(読み方:じょうじゅん)と「頭」(読み方:あたま)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「初旬」と「上旬」と「頭」という言葉は、月のはじめの頃という共通点があります。




初旬と上旬と頭の違い

初旬と上旬と頭は何日から何日までか

初旬と上旬と頭の違いを分かりやすく言うと、初旬と上旬はどちらも月の1日から10日までを表現する時に使い、頭は月の1日から5日頃までを表現する時に使うという違いです。

初旬と上旬と頭の使い方の違い

初旬という言葉は、「4月初旬は桜が見ごろであると信じている」「毎年2月初旬はバレンタインデーの準備で忙しくしている」などの使い方で、月の始めや、1日から10日までを意味します。

上旬という言葉は、「荷物の発送は月の上旬に定期的に行っている」「来月上旬頃に気になっているゲームが発売される」などの使い方で、その月の1日から10日までを意味します。

頭という言葉は、「8月頭から海の家で短期のアルバイトをする予定だ」「来週の頭から今までとは少し違う仕事に挑戦する」などの使い方で、物事の始めを意味します。

初旬と上旬と頭の使い分け方

初旬と上旬は本来同じ意味で使われますが、あえて違いを挙げるのであれば、「1月初旬に雪が降った」のように初旬は季節の変わり目を表すものと共に使い、「10月上旬開催予定」のように上旬は時期を受け手に伝えるといった使い分けをすることもあります。

一方の頭を付ける表現も、10日までとすることもあれば、3日までとすることもありますが、5日までとして使われることが多いです。ただし、頭という言葉は月の始めだけではなく、週の頭など他の言葉の始めを指す時にも使います。

初旬の意味

初旬とはいつからいつまでのことか

初旬とは、1日から10日までを意味しています。

表現方法は「初旬頃」「今月初旬」「来年初旬」

「初旬頃」「今月初旬」「来年初旬」などが、初旬を使った一般的な言い回しです。

初旬の使い方

初旬を使った分かりやすい例としては、「ご注文された商品は8月初旬頃に届く予定です」「今月初旬からこの仕事をやり始めました」「来年初旬には待望の初孫が生まれる」などがあります。

初旬と中旬と下旬の使い分け方

一つの月を3つに分けた期間を旬と呼ぶため、初旬は月の最初の10日を意味します。また、11日から20日までを中旬と呼び、21日以降からその月の終わりまでを下旬と呼びます。

初旬の反対は終旬ではない

「初め」という言葉の対義語・反対語が「終わり」という言葉であるからか「終旬」という言葉も散見されますが、終旬という言葉は辞書にはありません。

初旬は占星術の一つで使われる言葉

初旬は、算命学と呼ばれる古代中国で生まれた占星術の一つで使われる言葉でもあります。大運と呼ばれる10年単位で巡ってくる運命のうち、一番最初の大運を初旬と呼びます。

初旬の類語

初旬の類語・類義語としては、毎月の第1日を意味する「朔日」(読み方:さくじつ)、月の初めの日を意味する「月旦」(読み方:げったん)があります。

上旬の意味

上旬とはいつからいつまでのことか

上旬とは、月の1日から10日までの10日間を意味しています。

表現方法は「上旬以降」「上旬頃」「12月上旬並みの気温」

「上旬以降」「上旬頃」「12月上旬並みの気温」などが、上旬を使った一般的な言い回しです。

上旬の使い方

上旬を使った分かりやすい例としては、「来月は上旬以降であれば予定が空いています」「忘年会は12月上旬頃に開催する予定です」「まだ10月なのに今日は12月上旬並みの気温らしい」などがあります。

上旬の言い換え語は上澣

上旬は「上澣」(読み方:じょうかん)という言葉と同じ意味を持ちます。上旬が中旬、下旬と時の流れを表すのに対して、上澣は中澣、下澣(読み方:かかん)と続きます。旬がつくものをまとめて「三旬」、澣をつくものをまとめて「三澣」と言います。

三澣は、中国の漢や唐の時代に、役人が毎月10日、20日、30日に沐浴のための休暇をもらったことから1か月間を10日間ずつ三つに分けたことからついた呼称です。三澣の澣という漢字には、洗う、すすぐといった意味があります。

上旬の対義語

上旬の対義語・反対語としては、11日から20日までを意味する「中旬」、21日から月末までを意味する「下旬」があります。

上旬の類語

上旬の類語・類義語としては、月の初めを意味する「月初」(読み方:げっしょ)があります。

頭の意味

頭とはいつからいつまでのことか

頭とは、物事のはじめや最初を意味しています。

表現方法は「10月の頭ごろ」「3月頭に」「4月の頭に」

「10月の頭ごろ」「3月頭に」「4月の頭に」などが、頭を使った一般的な言い回しです。

頭の使い方

頭を使った分かりやすい例としては、「10月の頭ごろ家族で旅行に行くことになっている」「3月頭に翌年度の給与を決める面談がある」「4月の頭に入ってくる新入社員の研修担当をやることになった」などがあります。

頭と月頭は同じ意味

頭を使った言葉として、「月頭」(読み方:つきがしら)があります。これは、頭の意味と同じで、月の始めを意味する言葉です。この言葉の反対語として、月の終わりを意味する「月尻」(読み方:つきじり)があります。

また、「金沢・月頭暦」(読み方:げっとうれき)と呼ばれる、金沢で発行された略歴もあります。

これは、通常の暦の始めの部分と毎月の朔日の干支をまとめて主要な暦注を加えたものが作られていました。幕末ともなると、半紙の右上にその年の十二支の絵が描かれていました。

頭の対義語

頭の対義語・反対語としては、物事の一番あとや最も後ろの部分を意味する「尻」、物事の終わりの方を意味する「末」があります。

頭の類語

頭の類語・類義語としては、物事を行う最も早い時期や最初の頃を意味する「始め」があります。

初旬の例文

1.3月下旬から4月の初旬に掛けて、桜が綺麗に咲くため花見のシーズンとして毎年賑やかになる。
2.来年初旬に携帯電話の新型モデルが出るのではないかと考えているため、まだ古いのを使っている。
3.12月上旬ともなると、山も赤く染まり季節の移ろいを告げる。
4.毎月初旬から中旬にかけて仕事は暇で、下旬は毎日終電帰りとなる。なんとか平均値を取って業務を回せないのだろうか。
5.大学の先輩はすでに就職内定が決まっていたのだが、卒業論文が書き終わっていなかったので、会社に事情を説明した上で5月初旬になって入社した。
6.スポーツ大会の予選会で母校の大学が初出場組に選ばれたので、来年初旬に大会会場に行くのが楽しみになったよ。

この言葉がよく使われる場面としては、月の初めの10日間を意味する時などが挙げられます。

例文2の「来年初旬」とは、翌年1月上旬を表すために使われていますが、本来始めの10日間を意味する「初旬」の使い方としては、誤用に近い表現となります。受け手に誤解のないように時期を伝える場合は、「来年1月初旬」とするのが好ましいです。

上旬の例文

1.まだ10月であるにも関わらず12月上旬並みの気温を観測し、肌寒い日となった。
2.気になっている商品の販売が2月上旬から行われるため、今から予約をしておくことにした。
3.再来月上旬以降であれば予約が今のところ入っていないため対応できると言われた。
4.もう師走だというのに、今日の最高気温は10月上旬並みだというから、温暖化により拍車がかかってきているのかもしれない。
5.思うに一番過ごしやすいのは3月の上旬から5月の下旬までで、それ以外は暑かったり、寒かったりして不満が多くなる。
6.夏の終わりを知らせるのは8月下旬のひぐらしの鳴き声で、秋の始まりを知らせるのは10月上旬のキンモクセイの香りだった。

この言葉がよく使われる場面としては、月の1日から10日までを意味する時などが挙げられます。

例文3の「上旬以降」とは、10日以降を表現する使い方です。

頭の例文

1.来週頭に家族みんなでスキー旅行に行く予定だったが、父の仕事によって延期することとなった。
2.1月の頭は初詣やおせち、福袋、お年玉など、子どもにとって楽しみなことばかりである。
3.月頭になると必ず、その月でのダイエットにおける目標と計画を立てて、前月の反省を一緒に行う。
4.そういえば来月頭に職場の定例飲み会が予定されていたが、このご時世じゃきっと中止になるだろう。
5.今まではずっと遊んでばかりいたけど12月の頭には卒業論文を完成させないとまずいだろうということでやっと取り掛かりはじめた。
6.来週頭には大事な会議が控えているので、会議前日の日曜日はその準備に追われて気持ちが休まらなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の始めを意味する時などが挙げられます。

例文2や例文3は月の始めを意味していますが、例文1のように週の始めに使うこともできます。この場合は、月曜日のみを指しています。

初旬と上旬と頭どれを使うか迷った場合は、月の1日から10日までを表す場合は「初旬」、もしくは「上旬」を、物事のはじめを表す場合は「頭」を使うと覚えておけば間違いありません。

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