【采配を振るう】と【采配を振る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「采配を振るう」(読み方:さいはいをふるう)と「采配を振る」(読み方:さいはいをふる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「采配を振るう」と「采配を振る」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「采配を振るう」と「采配を振る」の違い

「采配を振るう」は「采配を振る」の間違い

「采配を振るう」と「采配を振る」の違いを分かりやすく言うと、「采配を振るう」とは「采配を振る」の間違った使い方、「采配を振る」とは陣頭に立って指揮することです。

「采配を振るう」は誤字

一般的には「采配を振るう」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「采配を振る」のことを間違えて「采配を振るう」を使っている人がほとんどです。

「采配を振る」は正しい日本語

正しい言葉である「采配を振る」を使った分かりやすい例としては、「会長自ら采配を振る」「引退後はヘッドコーチとして采配を振ることになっている」「彼女がリーダーとして采配を振ることになった」「社長に代わって彼が采配を振るっている」などがあります。

「采配を振る」という言葉はあっても、「采配を振るう」という言葉は存在しません。同時に「采配を振る」という単語の意味について「陣頭に立って指揮すること」と覚えておきましょう。

「采配を振る」の英語表記

「采配を振る」を英語にすると「command」「direct」となり、例えば上記の「社長に代わって彼が采配を振るっている」を英語にすると「He is now directing the firm in place of the president」となります。

「采配を振るう」の意味

「采配を振るう」とは

「采配を振るう」とは、「采配を振る」の間違った使われ方です。

「采配を振るう」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「采配を振る」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「采配を振るう」と間違えやすい理由

「采配を振るう」と「采配を振る」を間違えやすい理由としては、「振るう」と「振る」の発音が似ているため、混同してしまっていることが原因です。また、「采配を振るう」という間違った日本語が使われるようになったのは比較的最近になります。

「采配を振るう」を使う人の方が多い

「采配を振るう」は間違った日本語ではあるのですが、文化庁が発表した平成29年度に行われた国語に関する世論調査では、正しい使い方である「采配を振る」を使う人が32.2%、間違った使い方である「采配を振るう」を使う人が56.9%という逆転した結果が出ています。

上記のことから「采配を振るう」は間違った日本語であるものの、広く一般的に使われているのが分かります。そのため、一部の辞書において正しい日本語として記載されるようにもなりました。

「采配を振る」の意味

「采配を振る」とは

「采配を振る」とは、陣頭に立って指揮することを意味しています。

「采配を振る」の使い方

「采配を振る」を使った分かりやすい例としては、「専務自ら采配を振る」「彼が采配を振るのであれば今年の優勝は間違いなしだ」「祖父は80歳だが未だに会社の経営の采配を振る」「彼は戦場司令官として采配を振ることはなかった」などがあります。

「采配を振る」の語源

「采配を振る」の語源は「采配」になります。采配とは大将が軍を指揮する時に用いた道具のことで、厚紙を細長く切って作ったもの束ねて木や竹の柄につけたものが多いです。この采配を手にした大将ががそれを振って指揮したことから「采配を振る」という言葉が生まれました。

また「采配」という漢字は「采幣」とすることも可能ですが、あまり一般的ではありません。

表現方法は「采配を振った」「采配を振って」「采配を振る人」

「采配を振る」の連用形にした「采配を振った」「采配を振って」や「采配を振る人」などが、「采配を振る」の一般的な言い回しになります。

「采配を振る」の類語

「采配を振る」の類語・類義語としては、物事のやり方などを指示して人を動かすことを意味する「指図する」、上位の者が下位の者に対してあることを行うように言いつけることを意味する「命令する」、 物事をそれと指し示すことを意味する「指示する」などがあります。

「采配を振るう」の例文

1.「采配を振るう」という言葉は存在しないので、おそらく「采配を振る」の言い間違いだろう。
2.「采配を振る」という言葉は陣頭に立って指揮することで、「采配を振るう」という言葉はない。
3.「采配を振るう」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.社長自ら采配を振るうという言葉を使う人はいるが、正しくは社長自ら采配を振るです。
5.名将が采配を振ることになったという言葉はあるが、名将が采配を振るうことになったという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「采配を振る」という言葉を間違えて「采配を振るう」と表現している時などが挙げられます。

「采配を振るう」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「采配を振る」を間違えて使っている可能性が高い言葉です。

「采配を振るう」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「采配を振るう」ではなく、「采配を振る」と表現するのが正しい使い方です。

「采配を振る」の例文

1.連敗続きにより監督が解任されたため、急遽このチームの采配を振ることになった。
2.彼は70歳を超えているが、未だに経営の采配を振る実力を持っている。
3.明日の試合で初めて采配を振ることになったので、緊張して寝ることができません。
4.彼は大学のチームだけではなく、高校のチームの采配を振るのを任されている。
5.引退後は2軍監督として采配を振ることになっており、将来は1軍の監督になるだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、陣頭に立って指揮することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように陣頭に立って指揮する場合に使う言葉なので、スポーツシーンにおいてよく使われています。

「采配を振るう」と「采配を振る」どちらを使うか迷った場合は、「采配を振るう」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「采配を振る」を使うようにしましょう。

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