似た意味を持つ「休息」(読み方:きゅうそく)と「休憩」(読み方:きゅうけい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「休息」と「休憩」という言葉は、どちらも仕事や運動を中断して休むことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
休息と休憩の違い
休息と休憩の意味の違い
休息と休憩の違いを分かりやすく言うと、休息とはリラックスしてくつろぐこと、休憩とは途中で少し休むことという違いです。
休息と休憩の使い方の違い
一つ目の休息を使った分かりやすい例としては、「疲れたので休息をとることにした」「効果的な休息時間を研究している」「お気に入りのカフェでしばし休息する」「今日は一日休息するつもりだ」などがあります。
二つ目の休憩を使った分かりやすい例としては、「疲れたので休憩したい」「職場の休憩室にコーヒーメーカーがある」「休憩時間の与え方は法律により定められています」「お昼の休憩中に家に帰る」などがあります。
休息と休憩の使い分け方
休息と休憩という言葉は、どちらも仕事や運動などを一時中止して、心身を楽な状態にすることを意味する言葉です。ほぼ同じ意味を持つ言葉ですが、使い方には少し違いがあります。
休息とは、仕事などをやめて心身を休めることや、くつろぐことを意味します。伸び伸びとリラックスするニュアンスがあり、休息という言葉は短時間の休みだけでなく比較的長い間休みについても用いられる表現です。
一方、休憩とは、仕事や運動などを一時やめて休むことを意味し、短時間の休みに用いられる表現です。ビジネスシーンで多用される言葉であり、労働基準法では「休憩時間」が定められていますが、「休息時間」は定められていません。
リラックスという意味合いを持たせるかどうかで、休息と休憩という言葉を使い分ければ良いでしょう。
休息と休憩の英語表記の違い
休息も休憩も英語にすると「rest」「relief」「break」となり、例えば上記の「休息をとる」を英語にすると「take a rest」となります。
休息の意味
休息とは
休息とは、仕事などをやめて心身を休めること、くつろぐことを意味しています。
表現方法は「休息する」「休息をとる」「休息が必要」
「休息する」「休息をとる」「休息が必要」などが、休息を使った一般的な言い回しです。
休息の使い方
休息を使った分かりやすい例としては、「一人でゆっくりお酒を飲むのが至福の休息時間だ」「無理せず休息をとることにしている」「週に一日は休息日を設定している」「緊急入院から休息入院まで対応する病院です」などがあります。
その他にも、「明日はゆっくり休息をとる予定です」「今日はランニングの休息日だから走らない」「適度な休息が必要ですね」「作業の合間に休息する」「お昼寝は子どもにとって大事な休息です」などがあります。
休息という言葉の「息」とは、呼吸することの他に休むことの意味があります。息という漢字は「自」分の「心」のままにすること、心身をゆったりと休めてリラックスすることを表します。休息とは、仕事などをやめて心身を休めることや、くつろぐことを意味する言葉です。
「インターバル休息制度」の意味
休息という言葉を用いた日本語には「インターバル休息制度」があります。退社してから次に出社するまでに、一定以上の連続した時間を空けることにより、労働者の休息時間を確保しようとする制度のことであり、日本においては法的に制度化されていませんが、導入している企業があります。
休息の対義語
休息の対義語・反対語としては、一つの物事を精神を集中させて続けて行うことを意味する「根を詰める」、からだや知能を使って働くことを意味する「労働」、仕事をすることや労働することを意味する「働く」などがあります。
休息の類語
休息の類語・類義語としては、 休むことや休息を意味する「休み」、 何の煩いもなくくつろいで休むことを意味する「安息」、気分転換のために休むことを意味する「息抜き」、体を休めて疲れを癒すことを意味する「骨休め」、のんびりしたりして心を休めることを意味する「気保養」などがあります。
休憩の意味
休憩とは
休憩とは、仕事や運動などを一時やめて休むことを意味しています。
表現方法は「休憩する」「休憩をとる」「休憩がてら」
「休憩する」「休憩をとる」「休憩がてら」などが、休憩を使った一般的な言い回しです。
休憩の使い方
休憩を使った分かりやすい例としては、「休憩時間なしの6時間勤務です」「仕事の休憩中に仮眠を取る」「このスキー場には無料の休憩所があります」「ここの休憩室では喫煙できません」などがあります。
その他にも、「休憩時間の与え方は労働基準法に則っています」「8時間労働であれば休憩時間は45分以上取ってください」「6時間ちょうどの労働時間であれば休憩しなくても良い」「オフィスに休憩室を設ける」などがあります。
休憩という言葉は、仕事や運動などを中断して緊張を解き、心身の疲れを直すことを意味します。休憩の「憩」とは、訓読みで「いこい」「いこう」と読み、一息つくことや休むことを表す漢字です。
「休憩時間」の意味
休憩という言葉を用いた日本語には「休憩時間」があり、1日の労働時間の中で休みのために労働から解放されることを保障されている時間を意味します。労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩時間が義務づけています。
休憩の対義語
休憩の対義語・反対語としては、休みなく働くことを意味する「働き詰め」、何かを作り出したり成し遂げるための行動を意味する「仕事」、定の目的と計画のもとに身体または知能を使ってする仕事を意味する「作業」などがあります。
休憩の類語
休憩の類語・類義語としては、仕事などを休んで気力や体力を養うことを意味する「休養」、病気や疲労の回復などのために心身をゆったりと休めることを意味する「静養」、からだを休ませて健康を養うことを意味する「保養」、途中で少し休むことを意味する「一休み」などがあります。
休息の例文
この言葉がよく使われる場面としては、仕事などをやめて心身を休めること、くつろぐことを表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「国家公務員の休息時間」とは、昼食などに充てる無給の休憩時間とは異なり、勤務時間に参入される有給の休憩で、勤務4時間につき15分が認められていたものです。公務員の厚遇に対する批判もあって国は2006年に廃止し、以後、総務省が地方自治体にも廃止を促しています。
休憩の例文
この言葉がよく使われる場面としては、仕事や運動などを一時やめて休むことを表現したい時などが挙げられます。
例文1のように休憩という言葉は、仕事や運動のほかに勉強の合間の休みも表します。例文3から例文5にある「休憩時間」とは、労働基準法に定められている労働者が休憩するための時間を意味しています。
休息と休憩という言葉は、どちらも仕事や運動を中断して休むことを意味する言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、心身を休めたりくつろぐことを表現したい時は「休息」を、仕事や運動などの途中で少し休むことを表現したい時は「休憩」を使うようにしましょう。