似た意味を持つ「愚の骨頂」(読み方:ぐのこっちょう)と「真骨頂」(読み方:しんこっちょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「愚の骨頂」と「真骨頂」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「愚の骨頂」と「真骨頂」の違い
「愚の骨頂」と「真骨頂」の意味の違い
「愚の骨頂」と「真骨頂」の違いを分かりやすく言うと、「愚の骨頂」とはこの上なく愚かなこと、「真骨頂」とはそのものが持っている本来の姿のことという違いです。
「愚の骨頂」と「真骨頂」の使い方の違い
一つ目の「愚の骨頂」を使った分かりやすい例としては、「何度も同じミスを繰り返すなんて愚の骨頂だ」「台風の中外出するなんて愚の骨頂です」「言い訳をするなんて愚の骨頂だ」などがあります。
二つ目の「真骨頂」を使った分かりやすい例としては、「これは彼女の真骨頂が発揮された作品です」「この環境では彼の真骨頂を見ることはできないだろう」「速いスライダーが彼の真骨頂です」などがあります。
「愚の骨頂」と「真骨頂」の使い分け方
「愚の骨頂」と「真骨頂」はどちらも「骨頂」という言葉を使っていますが、意味は異なっています。
「愚の骨頂」はこの上なく愚かなことで主にマイナスなイメージで使い、「真骨頂」はそのものが持っている本来の姿のことで主にプラスなイメージで使うと覚えておきましょう。
「愚の骨頂」と「真骨頂」の英語表記の違い
「愚の骨頂」を英語にすると「the height of stupidity」「folly」となり、例えば上記の「台風の中外出するなんて愚の骨頂です」を英語にすると「It is the height of stupidity to go out in a typhoon like this」となります。
一方、「真骨頂」を英語にすると「true ability」「real」「true value」となり、例えば上記の「速いスライダーが彼の真骨頂です」を英語にすると「His true value is fast slider」となります。
「愚の骨頂」の意味
「愚の骨頂」とは
「愚の骨頂」とは、この上なく愚かなことを意味しています。
表現方法は「愚の骨頂だよね」「愚の骨頂です」「愚の骨頂だ」
「愚の骨頂だよね」「愚の骨頂です」「愚の骨頂だ」「愚の骨頂でしかない」「愚の骨頂だろう」などが、「愚の骨頂」を使った一般的な言い回しになります。
「愚の骨頂」の使い方
「愚の骨頂」を使った分かりやすい例としては、「彼女を怒らせるなんて愚の骨頂だ」「こんな寒い日に薄着で外出するなんて愚の骨頂です」「戦力が劣っているのに戦いを仕掛けるなんて愚の骨頂というものだ」などがあります。
その他にも、「その考え方は愚の骨頂じゃないか」「危険と知りつつも誘いに乗ってしまうのは愚の骨頂である」「大雪の中外出しようとするのは愚の骨頂だ」「負けると分かっているのに勝負を挑むとは愚の骨頂でしかない」などがあります。
「愚の骨頂」の語源
「愚の骨頂」の語源は「骨頂」になります。「骨頂」は元々「骨張」と書き、意地を張るという意味で使われていました。しかし、時代に経つにつれて、「骨張」は程度がこれ以上ないことや最高の段階という意味で使われるようになり、「骨頂」の方の漢字を使うのが一般的になりました。
これに愚かなことや馬鹿げたことを意味する「愚」が合わさり、この上なく愚かなことの意味で使われるようになったのが「愚の骨頂」です。また、「愚の骨頂」はマイナスなイメージでしか使わないと覚えておきましょう。
「愚の骨頂」の類語
「愚の骨頂」の類語・類義語としては、知能が劣り愚かなことを意味する「馬鹿」、愚かな人間のことを意味する「愚か者」、愚かなことを意味する「阿保」(読み方:あほ)などがあります。
「真骨頂」の意味
「真骨頂」とは
「真骨頂」とは、そのものが持っている本来の姿のことを意味しています。
表現方法は「真骨頂を発揮」「真骨頂を見る」「真骨頂です」
「真骨頂を発揮」「真骨頂を見る」「真骨頂です」などが、「真骨頂」を使った一般的な言い回しになります。
「真骨頂」の使い方
「真骨頂」を使った分かりやすい例としては、「何事にも恐れず挑むことが彼の真骨頂です」「ピンチに陥った時こそその人の真骨頂が試される」「このプレーこそ彼女の真骨頂です」「彼の真骨頂はピッチャーではなくバッターの時に発揮される」などがあります。
その他にも、「精度の高いフリーキックは彼の真骨頂です」「彼の真骨頂は戦術を組み立てることです」「このキレのあるスライダーが彼の真骨頂だ」「逆境を跳ね返す力こそが私たちの真骨頂です」などがあります。
「真骨頂」の語源
「真骨頂」の語源は「骨頂」になります。「骨頂」は元々「骨張」と書き、意地を張るという意味で使われていました。しかし、時代に経つにつれて、「骨張」は程度がこれ以上ないことや最高の段階という意味で使われるようになり、「骨頂」の方の漢字を使うのが一般的になりました。
これに本当や本物を意味する「真」が合わさり、そのものが持っている本来の姿のことの意味で使われるようになったのが、「真骨頂」です。また、「真骨頂」はプラスのイメージでしか使わないと覚えておきましょう。
「真骨頂」の類語
「真骨頂」の類語・類義語としては、人や物事の本来の有り様や姿のことを意味する「真面目」(読み方:しんめんもく)、物や人の持つ真の価値や能力のことを意味する「真価」、普段は表面に出ないがいざというときに出てくる強い力のことを意味する「底力」などがあります。
「愚の骨頂」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、この上なく愚かなことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように「愚の骨頂」はマイナスなイメージで使うのが一般的です。
「真骨頂」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、そのものが持っている本来の姿のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように「真骨頂」はプラスなイメージで使うのが一般的です。
「愚の骨頂」と「真骨頂」どちらの言葉を使うか迷った場合、この上なく愚かなことを表現したい時は「愚の骨頂」を、そのものが持っている本来の姿のことを表現したい時は「真骨頂」を使うようにしましょう。