似た意味を持つ「頭が上がらない」(読み方:あたまがあがらない)と「頭が下がる」(読み方:あたまがさがる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「頭が上がらない」と「頭が下がる」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「頭が上がらない」と「頭が下がる」の違い
「頭が上がらない」と「頭が下がる」の意味の違い
「頭が上がらない」と「頭が下がる」の違いを分かりやすく言うと、「頭が上がらない」とは引け目を感じて対等な関係に立てないこと、「頭が下がる」とは相手に対して感心して尊敬の念を抱くことという違いです。
「頭が上がらない」と「頭が下がる」の使い方の違い
一つ目の「頭が上がらない」を使った分かりやすい例としては、「彼に貸しがあるので頭が上がらない」「彼女に借金があるので頭が上がらない」「いつも支えてくれる妻に頭が上がらない」「彼女にはとてもよくしてもらってるから頭が上がらない」などがあります。
二つ目の「頭が下がる」を使った分かりやすい例としては、「彼女の勤勉ぶりに頭が下がる」「彼女の優しさには頭が下がります」「彼の仕事の取り組む姿勢には頭が下がる」などがあります。
「頭が上がらない」と「頭が下がる」の使い分け方
「頭が上がらない」と「頭が下がる」はどちらも「頭」を使った慣用句ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。
「頭が上がらない」は引け目を感じて対等な関係に立てないこと、つまり罪悪感や負い目を感じてる場合に使います。一方、「頭が下がる」は相手に対して感心して尊敬の念を抱くこと、つまり尊敬や感服な気持ちがある場合に使います。
「頭が上がらない」と「頭が下がる」の英語表記の違い
「頭が上がらない」を英語にすると「no match for」「be indebted to」「be out of one’s league」となり、例えば上記の「彼女にはとてもよくしてもらってるから頭が上がらない」を英語にすると「She has been such a big help to me. I feel so indebted to her」となります。
一方、「頭が下がる」を英語にすると「admire」「take off my hat to」「respect」となり、例えば上記の「私は彼の努力に頭が下がる」を英語にすると「I admire him for his effort」となります。
「頭が上がらない」の意味
「頭が上がらない」とは
「頭が上がらない」とは、引け目を感じて対等な関係に立てないことを意味しています。その他にも、病気が重くて枕から頭を起こせないことの意味も持っています。
表現方法は「頭が上がらない人」「親に頭が上がらない」「彼女に頭が上がらない」
「頭が上がらない人」「親に頭が上がらない」「彼女に頭が上がらない」などが、「頭が上がらない」を使った一般的な言い回しになります。
「頭が上がらない」の使い方
「大変な時も支えてくれた女房に頭が上がらない」「うちの会社の上層部は政治家に頭が上がらない」などの文中で使われている「頭が上がらない」は、「引け目を感じて対等な関係に立てないこと」の意味で使われています。
一方、「体調が悪くて頭が上がらない」「頭が上がらないので会社を休むことにした」などの文中で使われている「頭が上がらない」は、「病気が重くて枕から頭を起こせないこと」の意味で使われています。
「頭が上がらない」は「頭」を使った慣用句で、引け目を感じて対等な関係に立てないことを意味しています。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことです。
「頭が上がらない」は目上の人には使わない方がいい
「頭が上がらない」はポジティブなイメージとネガティブなイメージのどちらでも使うことができるのですが、相手が不快に感じることもあるため、目上の人に対しては使わないようにしましょう。
「頭が上がらない」の類語
「頭が上がらない」の類語・類義語としては、反抗することができないことを意味する「歯向かえない」、目上の人の意見などに反抗できないことを意味する「逆らえない」、言うとおりになることを意味する「言いなり」などがあります。
「頭が下がる」の意味
「頭が下がる」とは
「頭が下がる」とは、相手に対して感心して尊敬の念を抱くことを意味しています。
表現方法は「頭が下がる思いです」「頭が下がる人」「頭が下がります」
「頭が下がる思いです」「頭が下がる人」「頭が下がります」などが、「頭が下がる」を使った一般的な言い回しになります。
「頭が下がる」の使い方
「頭が下がる」を使った分かりやすい例としては、「彼女の仕事の早さには頭が下がる」「彼の苦労を考えると頭が下がる思いです」「彼女はいつも勉強を頑張っているので頭が下がります」「彼が一生懸命頑張ってくれているので頭が下がる思いです」などがあります。
「頭が下がる」は「頭」を使った慣用句で相手に対して感心して尊敬の念を抱くことを意味しています。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことです。
「頭が下がる」は目上の人には使わない方がいい
「頭が下がる」は相手に対して尊敬や感服な気持ちを持っている場合に使うのでポジティブなイメージがある言葉です。ただし、目上の人に対して使うと、目上の人を褒めるという失礼な表現なので、同等や目下の人に対してしか使えないと覚えておきましょう。
「頭が下がる」の類語
「頭が下がる」の類語・類義語としては、あまりのことに驚き入るばかりであることを意味する「恐れ入る」、その人の人格をとうといものと認めて敬うことを意味する「尊敬する」、深く感心して尊敬や尊重の気持ちを抱くことを意味する「感服する」などがあります。
「頭が上がらない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、引け目を感じて対等な関係に立てないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、病気が重くて枕から頭を起こせないことを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「頭が上がらない」は引け目を感じて対等な関係に立てないこと、例文5の「頭が上がらない」は病気が重くて枕から頭を起こせないことの意味で使っています。
「頭が下がる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手に対して感心して尊敬の念を抱くことを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「頭が下がる思い」というフレーズはよく使われています。
「頭が上がらない」と「頭が下がる」どちらの言葉を使うか迷った場合、引け目を感じて対等な関係に立てないことを表現したい時は「頭が上がらない」を、相手に対して感心して尊敬の念を抱くことを表現したい時は「頭が下がる」を使うようにしましょう。