似た意味を持つ「見込み」(読み方:みこみ)と「見通し」(読み方:みとおし)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「見込み」と「見通し」という言葉は、どちらも将来に対して推測することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「見込み」と「見通し」の違い
「見込み」と「見通し」の意味の違い
「見込み」と「見通し」の違いを分かりやすく言うと、「見込み」とは根拠が弱い推測、「見通し」とは根拠が強い推測という違いです。
「見込み」と「見通し」の使い方の違い
一つ目の「見込み」を使った分かりやすい例としては、「明日は晴れる見込みです」「彼は中々見込みのある男性です」「今回の結果のままだと合格の見込みはありません」「お金が集まる見込みが立ちました」「私の娘は来年の春卒業する見込みです」などがあります。
二つ目の「見通し」を使った分かりやすい例としては、「復旧の見通しがつきません」「あなたの考えていることは全てお見通しです」「借金返済の見通しがつかない」「今後の見通しは明るいです」「今後の見通しはいかがですか」などがあります。
「見込み」と「見通し」の使い分け方
「見込み」と「見通し」はどちらも将来に対して推測することを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあります。
「見込み」は根拠は弱いものの確信をもった推測のことを意味しているのに対して、「見通し」は強い根拠をもった推測で、結果だけではなく、その過程もかなり確信をもって察知している場合に使います。
また、「見込み」は「彼は見込みのある少年です」のように、将来そうなって欲しいという希望や、期待の気持ちが含まれていることが多いというのも違いの一つです。
「見込み」と「見通し」の英語表記の違い
「見込み」を英語にすると「hope」「promise」「probability」「expectation」となり、例えば上記の「私の娘は来年の春卒業する見込みです」を英語にすると「My daughter expects to graduate next spring」となります。
一方、「見通し」を英語にすると「outlook」「prospect」「insight」となり、例えば上記の「今後の見通しはいかがですか」を英語にすると「What do you think about the prospects for the from now on」となります。
「見込み」の意味
「見込み」とは
「見込み」とは、先行きの予想のことを意味しています。その他にも、将来の可能性という意味も持っています。
表現方法は「見込みない」「見込みなし」「見込みあり」
「見込みない」「見込みなし」「見込みあり」「見込みのある」などが、「見込み」を使った一般的な言い回しになります。
「見込み」の使い方
「見込み」を使った分かりやすい例としては、「来年の春卒業見込みです」「もう治る見込みがないので諦めることにしました」「彼は見込みのある青年なのでうちで雇うことにしました」「私のとんだ見込み違いでした」などがあります。
「見込み」は将来そうなるという確信をもった推測を表現したい時に使う言葉です。また、上記の例文にある「彼は見込みのある青年なのでうちで雇うことにしました」のように、将来そうなって欲しいという希望や、期待の気持ちが含まれている場合によく使われています。
「見込み」の類語
「見込み」の類語・類義語としては、はっきりしていない事柄について大体の予想をすることを意味する「見当」、物事の成り行きや結果について前もって見当をつけることを意味する「予想」、事の成り行きや結果を前もって推し量ることを意味する「予測」などがあります。
「見通し」の意味
「見通し」とは
「見通し」とは、物事の成り行きや将来のことを予測することを意味しています。その他にも、遮るものがなく遠くまで見えることや人の心や目に見えない内面の物事を見抜くことの意味も持っています。
表現方法は「見通しを立てる」「見通しをつける」「見通しである」
「見通しを立てる」「見通しをつける」「見通しである」「見通しがつく」「見通しをもつ」「見通しが立たたない」「見通しがつかない」「見通しが深い」「今後の見通し」「将来の見通し」などが、「見通し」を使った一般的な言い回しになります。
「見通し」の使い方
「土砂崩れにより復旧の見通しがつきません」「この建物は来年完成の見通しです」などの文中で使われている「見通し」は、「物事の成り行きや将来のことを予測すること」の意味で使われています。
一方、「ここはとても見通しの良い展望台です」「あなたのやる事は何でもお見通しだ」などの文中で使われている「見通し」は、「遮るものがなく遠くまで見えることや人の心や目に見えない内面の物事を見抜くこと」の意味で使われています。
「見通し」は物事の成り行きや将来のことを予測すること、遮るものがなく遠くまで見えること、人の心や目に見えない内面の物事を見抜くことの三つの意味を持つ言葉です。
どの意味でも使われていますが、一番使われているのは物事の成り行きや将来のことを予測することの意味になります。
「見通し」の類語
「見通し」の類語・類義語としては、人の心中や物事の成り行きを深く見通すことを意味する「読み」、見極めることを意味する「見極め」、人生の行く末などを見渡すことを意味する「展望」などがあります。
「見込み」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、先行きの予想のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、将来の可能性について表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「見込み」は先行きの予想のこと、例文4と例文5の「見込み」は将来の可能性の意味で使っています。
「見通し」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の成り行きや将来のことを予測することを表現したい時などが挙げられます。その他にも、遮るものがなく遠くまで見えることや人の心や目に見えない内面の物事を見抜くことを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「見通し」は物事の成り行きや将来のことを予測すること、例文4の「見通し」は遮るものがなく遠くまで見えること、例文5の見通しは目に見えない内面の物事を見抜くことを意味しています。
「見込み」と「見通し」という言葉は、どちらも将来に対して推測することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、根拠は弱いものの確信をもった推測のことを表現したい時は「見込み」を、強い根拠をもった推測のことを表現したい時には「見込み」を使うようにしましょう。