似た意味を持つ「僻地」(読み方:へきち)と「田舎」(読み方:いなか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「僻地」と「田舎」という言葉は、どちらも都会から離れた土地を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
僻地と田舎の違い
僻地と田舎の意味の違い
僻地と田舎の違いを分かりやすく言うと、僻地の方が田舎よりも都会から遠い土地という違いです。
僻地と田舎の使い方の違い
一つ目の僻地を使った分かりやすい例としては、「日本の僻地を旅行するのは楽しい」「僻地の高校生は大学受験がとても大変だ」「人事異動で僻地へ配属することが決まった」などがあります。
二つ目の田舎を使った分かりやすい例としては、「私の田舎は沖縄の小さな町です」「来年から田舎に住むことにした」「田舎でのんびりと暮らすことに憧れている」「田舎から引っ越して都会に住みたい」などがあります。
田舎より僻地の方が不便な場所
僻地と田舎は都会から遠い土地という共通した意味を持っているのですが、僻地の方がさらに遠く不便な場所のことを意味しています。
僻地はほとんど人が居ないような所を指したりもするのでマイナスなイメージを持たれることが多く、田舎はのんびりとした場所や故郷の意味も持っているためプラスなイメージを持たれることが多いです。
僻地も田舎も場所を指す言葉なので、言葉自体にはプラスの意味もマイナスの意味もないということを覚えておきましょう。受け取る人によって、イメージが変化する言葉になります。
僻地と田舎の英語表記の違い
僻地を英語にすると「remote place」となり、例えば上記の「日本の僻地を旅行するのは楽しい」を英語にすると「Traveling in remote place of Japan is fun」になります。
田舎を英語にすると「Countryside」「rural area」などがあり、例えば上記の「私の田舎は沖縄の小さな町です」を英語にすると「My countryside is a small town in Okinawa」となります。
僻地の意味
僻地とは
僻地とは、都会から遠く離れた土地を意味しています。
表現方法は「僻地に住む」「僻地への転勤」「僻地への出張」
「僻地に住む」「僻地への転勤」「僻地への出張」などが、僻地を使った一般的な言い回しです。
僻地の使い方
僻地を使った分かりやすい例としては、「人里は離れた僻地へと足を運んだ」「僻地医療のために離島に住んでいる」「僻地の高校に通っている」「大事な取引で失敗したため僻地へ飛ばされることになった」などがあります。
その他にも、「海外の僻地への転勤を命じられた」「僻地への出張が決まった」「最近の大型連休は僻地を旅するのを楽しんでいる」「ここは僻地ですねと発言したら住民に怒られた」などがあります。
僻地は都会から遠く離れた土地を意味する言葉になります。都会から遠く離れた何もない不便な場所を指しているので、マイナスなイメージを持たれることが多いです。しかし、僻地という言葉自体はマイナスな意味は持っていないことを覚えておきましょう。
ビジネスでの僻地は異動や転勤
ビジネスシーンで僻地を使う場合は、異動や転勤の際によく使われます。都会から離れた不便な場所に行くことになるので、人によってはマイナスに捉える人もいます。このように、僻地という言葉は受け取る人によってイメージが違うため、使う際は十分に注意してください。
僻地の類語
僻地の類語・類義語としては、都会から離れた土地を意味する「辺地」、中央から遠く離れた地帯のことを意味する「辺境」、都会から離れていて不便なことを意味する「辺鄙」(読み方:へんぴ)、都市や海岸から遠く離れた地域のことを意味する「奥地」などがあります。
僻地の僻地の字を使った別の言葉としては、ある地域や場所が中央から遠く離れていることを意味する「僻遠」、都会から遠く離れた片隅の地のことを意味する「僻隅」、都会から遠く離れた場所にあることを意味する「壁在」などがあります。
田舎の意味
田舎とは
田舎とは、都会から離れた地方を意味しています。その他にも、田畑が多くのんびりした所や生まれた故郷のことの意味も持っています。
表現方法は「田舎に住む」「田舎に移住」「田舎暮らし」
「田舎に住む」「田舎に移住」「田舎暮らし」などが、田舎を使った一般的な言い回しです。
田舎の使い方
「田舎から出て東京の大学に行くと決めている」「田舎から出て都会へ就職することが決まった」などの文中で使われている田舎は、「都会から離れた地方」の意味で使われています。
一方、「最近は便利にはなったがまだまだこの辺りは田舎です」「私の田舎は北海道の港町です」などの文中で使われている田舎は、「田畑が多くのんびりした所や生まれた故郷」の意味で使われています。
田舎という言葉は三つの意味を持っているのですが、どれも似たような意味になっています。また、田舎はのんびりした良い所のイメージも強いためプラスなイメージを持たれやすい言葉です。
そのため、テレビや雑誌などで、住みたい田舎特集や住みたい田舎ランキングなどを見かけることも多いでしょう。また、田舎はビジネスシーンではあまり見かけない言葉になります。
田舎の読み方
田舎は一般的に「いなか」と読むのですが、「でんしゃ」という読み方も辞書に載っているので、間違いではないと覚えておいてください。
田舎の対義語
田舎の対義語・反対語としては、人が多数住み、商工業や文化が発達している土地を意味する「都会」があります。
田舎の類語
田舎の類語・類義語としては、生まれ育った土地のことを意味する「故郷」、生まれ育った場所のことを意味する「郷里」、自分が生まれ育った土地のことを意味する「郷土」、都会から離れた地方のことを意味する「在所」などがあります。
その他にも、生まれ育った地のことを意味する「ふるさと」、その人の郷土のことを意味する「国元」、生まれた故郷のことを意味する「生国」(読み方:しょうごく)、その人の郷里のことを意味する「郷党」、その人が生まれた土地のことを意味する「生地」などがあります。
田舎の舎の字を使った別の言葉としては、収穫した農作物処理するための小屋のことを意味する「農舎」、家畜を飼育するための建物を意味する「畜舎」、官庁の建物ののことを意味する「庁舎」どがあります。
僻地の例文
この言葉がよく使われる場面としては、都会から遠く離れた土地を表現したい時などが挙げられます。
僻地という言葉は、都会から遠く離れた土地を表現したい時に使うので、例文3から例文5のようにマイナスなイメージを持たれることもあります。
田舎の例文
この言葉がよく使われる場面としては、都会から離れた地方を表現したい時などが挙げられます。その他にも、田畑が多くのんびりした所や生まれた故郷のことを表現したい時に使います。
田舎という言葉は、都会から離れた地方のことを表現したい時に使う言葉なのですが、プラスのイメージで使われることが多いです。ただし、田舎という言葉自体にはプラスの意味もマイナスの意味もないため、使う人によってイメージが異なります。
僻地か田舎どちらを使うか迷った時には、どちらも都会から離れた土地を意味しているのですが、僻地の方が田舎よりもさらに都会から離れた土地を指す時に使うと覚えておいてください。