似た意味を持つ「業が深い」(読み方:ごうがふかい)と「罪深い」(読み方:つみぶかい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「業が深い」と「罪深い」という言葉は、どちらもを罪が重いこと意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「業が深い」と「罪深い」の違い
「業が深い」と「罪深い」の意味の違い
「業が深い」と「罪深い」の違いを分かりやすく言うと、「業が深い」とは前世の悪行が関係ある、「罪深い」とは前世の悪行が関係ないという違いです。
「業が深い」と「罪深い」の使い方の違い
一つ目の「業が深い」を使った分かりやすい例としては、「彼女はなんて業の深い女性なんだ」「業が深いせいか最近良くないことばかり起こります」「彼は業の深さが顔に現れている」などがあります。
二つ目の「罪深い」を使った分かりやすい例としては、「人の心を弄ぶのは罪深い行為です」「人間はもとからして罪深い存在である」「私は罪深い人です」「彼は罪深い男性です」「私たちは動物に対して罪深い行為をすべきではない」などがあります。
「業が深い」と「罪深い」の使い分け方
「業が深い」と「罪深い」はどちらも罪が重いことや何度も罪を重ねることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「業が深い」は前世の悪行が関係しており、その報いを受けるという意味で使います。一方、「罪深い」は前世の悪行は全く関係なく、ただ単純に罪を重ねたために罪が重いというニュアンスで使うというのが違いになります。
また、「業が深い」とは東洋哲学で使われる考え方なのに対して、「罪深い」とは西洋の宗教で用いられている言葉であるというのも違いの一つになります。
「業が深い」と「罪深い」の英語表記の違い
「業が深い」も「罪深い」も英語にすると「sinful」となり、例えば上記の「私たちは動物に対して罪深い行為をすべきではない」を英語にすると「We should not act sinfully toward animals」となります。
「業が深い」の意味
「業が深い」とは
「業が深い」とは、罪と悪を多く背負っていることを意味しています。
「業が深い」の読み方
「業が深い」の読み方は「ごうがふかい」です。誤って「ぎょうがふかい」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「業が深い人」「業が深い女」「業が深い男」
「業が深い人」「業が深い女」「業が深い男」「業が深いオタク」「業が深い顔」などが、「業が深い」を使った一般的な言い回しになります。
「業が深い」の使い方
「業が深い」を使った分かりやすい例としては、「人間は業の深い生き物です」「彼はとても業が深い」「お金に執着する人は業が深いと思います」「不運なことばかり起こるのは業が深いからだろう」などがあります。
「業が深い」とは罪と悪を多く背負っていることを意味する言葉で、前世での行いが悪かったためその報いを受けているというニュアンスで使います。また、これが転じて、欲深いことや運が悪いという意味で使うのも定着してきました。
したがって、「業が深い」は基本的にマイナスなイメージで使う言葉になります。
「業が深い」の由来
「業が深い」の由来は仏教用語であるカルマです。カルマとは、古代インドの文語であるサンスクリット語の「Karman」のことで、ある行為は未来の出来事に報いられるという意味で使われている言葉です。このカルマのことを言い換えたのが「業」になります。
そして、仏教のカルマで良い行いをすれば来世で良い行いが起こり、悪い行いをすれば来世で悪いことが起こると言われていました。このことが転じて、前世での行いが悪かったためその報いを受けていることを「業が深い」と言うようになりました。
「業が深い」の類語
「業が深い」の類語・類義語としては、非常に欲が深いことを意味する「強欲」、道徳に背くことを意味する「背徳的」、信仰を捨てることを意味する「背教的」、道徳に反していることを意味する「不道徳」などがあります。
「罪深い」の意味
「罪深い」とは
「罪深い」とは、罪をいくつも重ねていることを意味しています。
「罪深い」の読み方
「罪深い」の読み方は「つみぶかい」です。誤って「つみふかい」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「罪深い人」「罪深い女」「罪深い男」
「罪深い人」「罪深い女」「罪深い男」などが、「罪深い」を使った一般的な言い回しになります。
「罪深い」の使い方
「罪深い」を使った分かりやすい例としては、「人間は罪深い存在であることを忘れてはいけません」「自分がこのような罪深い者とは思ってもいませんでした」「彼の想いは十分に罪深いものでした」などがあります。
「罪深い」は罪をいくつも重ねていることや罪が重いことを意味しており、基本的にマイナスなイメージでのみ使う言葉になります。
また、「罪深い」はキリスト教などの西洋の宗教で用いられている言葉で、前世の悪行が関係ないのが特徴です。
「罪深い」の類語
「罪深い」の類語・類義語としては、非常に欲が深いことを意味する「貪欲」、道徳的に汚れていることを意味する「ダーティ」、 人の行うべき道に反することを意味する「不徳」、徳義に背くことを意味する「不徳義」などがあります。
「業が深い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、罪と悪を多く背負っていることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「業が深い」はマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。
「罪深い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、罪をいくつも重ねていることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「罪深い」はマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。
「業が深い」と「罪深い」はどちらも罪が重いことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、前世の悪行が関係しているのが「業が深い」、前世の悪行が関係ないのが「罪深い」と覚えておきましょう。