似た日本語の「残滅」(読み方:ざんめつ)と「殲滅」(読み方:せんめつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「残滅」と「殲滅」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。
「残滅」と「殲滅」の違い
「残滅」は「殲滅」の間違い
「残滅」と「殲滅」の違いを分かりやすく言うと、「残滅」とは「殲滅」の間違った使い方、「殲滅」とはすっかり滅ぼすことです。
「残滅」は誤字
一般的には「残滅」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「殲滅」のことを間違えて「残滅」を使っている人がほとんどです。
「殲滅」は正しい日本語
正しい言葉である「殲滅」を使った分かりやすい例としては、「敵軍を殲滅する任務にあたる」「敵を殲滅させることができませんでした」「やはりあの時殲滅していれば良かったです」「私は敵の殲滅を命じられました」などがあります。
「殲滅」という言葉はあっても、「残滅」という言葉は存在しません。同時に「殲滅」という単語の意味について「すっかり滅ぼすこと」と覚えておきましょう。
「殲滅」の英語表記
「殲滅」を英語にすると「extermination」「annihilation」となり、例えば上記の「私は敵の殲滅を命じられました」を英語にすると「I was ordered to Extermination of the enemy」となります。
「残滅」の意味
「残滅」とは
「残滅」とは、「殲滅」の間違った使われ方です。
「残滅」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「殲滅」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「残滅」と間違えやすい理由
「残滅」と「殲滅」を間違えてしまう一番の理由としては、「残」と「殲」の漢字が似ているからです。
また、「残」は日常的に使われている言葉ですが、「殲」は日常会話ではあまり使わない言葉なのが、間違えやすい原因の一つになっています。
正しい日本語は「殲」の漢字を使った「殲滅」になります。
「残滅」の「残」の正しい使い方
間違った言葉である「残滅」の「残」を使った別の言葉としては、人や生き物に対してする行為の惨たらしいことを意味する「残虐」、規定の勤務時間を過ぎてからも残って仕事をすることを意味する「残業」、無慈悲で惨たらしいことを意味する「残酷」などがあります。
その他にも、立秋を過ぎてもなお残る暑さのことを意味する「残暑」、外部刺激がやんだあとにも残る感覚興奮のこと「残像」、収支または貸借の差し引き計算をして残った金額「残高」、撃ち漏らした敵兵のことを意味する「残敵」などがあります。
「殲滅」の意味
「殲滅」とは
「殲滅」とは、すっかり滅ぼすことを意味しています。
表現方法は「殲滅させる」「殲滅せよ」「殲滅作戦」
「殲滅させる」「殲滅せよ」「殲滅作戦」「殲滅戦」などが、「殲滅」を使った一般的な言い回しになります。
「殲滅」の使い方
「殲滅」を使った分かりやすい例としては、「敵を殲滅することができませんでした」「複数の敵を一気に殲滅させるのは難しいです」「今我々がするべきことは殲滅戦を回避することです」「今回の殲滅戦はとても悲惨なものでした」などがあります。
「殲滅」は滅ぼすことを意味する「殲」と滅びるや滅ぼすことを意味する「滅」という同じ意味を持つ言葉を重ねて、「滅ぼす」という意味を強調した言葉です。そのため、マイナスなイメージで使うのが一般的です。
「殲滅」は漫画・アニメ・ゲームでよく使われる
「殲滅」は日常生活やビジネスシーンにおいてほぼ使われることがないため、馴染みがない人も多いでしょう。現代では軍事シーンや、戦闘がある漫画、アニメ、ゲームなどで使うのが一般的になっています。
「殲滅」を動物や詐欺行為に対して使う場合もある
「殲滅」は主に人に対して使う言葉ですが、例外として動物や詐欺行為に対して使う場合もあります。
「殲滅」の類語
「殲滅」の類語・類義語としては、すっかり滅ぼしてしまうことを意味する「掃滅」、攻撃して全滅させることを意味する「撃滅」、完全に撃ち滅ぼすことを意味する「撲滅」、撃ち滅ぼすことを意味する「討滅」などがあります。
「残滅」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「殲滅」という言葉を間違えて「残滅」と表現している時などが挙げられます。
「残滅」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「殲滅」を間違えて使っている可能性が高いです。
「残滅」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「残滅」ではなく、「殲滅」と表現するのが正しい使い方になります。
「殲滅」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、すっかり滅ぼすことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「殲滅」は日常生活ではあまり使われない言葉です。
「残滅」と「殲滅」どちらを使うか迷った場合は、「残滅」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「殲滅」を使うようにしましょう。