【唐突】と【突然】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「唐突」(読み方:とうとつ)と「突然」(読み方:とつぜん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「唐突」と「突然」という言葉は、どちらも急なさまを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




唐突と突然の違い

唐突と突然の意味の違い

唐突と突然の違いを分かりやすく言うと、唐突とは人の言動に対して使われ、突然とは人の言動だけでなく現象に対しても使われるという違いです。

唐突と突然の使い方の違い

一つ目の唐突を使った分かりやすい例としては、「彼女の唐突な質問に面食らった」「彼の話には伏線もなく唐突感がある」「唐突ですがマスクは何枚持っていますか」「結婚することを唐突に切り出した」などがあります。

二つ目の突然を使った分かりやすい例としては、「遺伝子は突然変異を起こすことがある」「突然のご連絡失礼いたします」「突然殴られる通り魔事件が発生した」「突然まぶたが腫れる」「突然雨が降ってきた」「突然の雷に立ち往生する」などがあります。

唐突と突然の使い分け方

唐突と突然という言葉は、どちらも予期しないことが急に起こるさまを意味しますが、使い方には違いがあります。

唐突とは、だしぬけなさまを意味します。「唐突な質問」「話を唐突に切り出す」のように、人の言動に対して使われる言葉です。唐突とは、発言や行動がそれまでの流れと繋がらない時に用いられています。

突然とは、急に起こるさまを意味します。「突然のご連絡」のように人の言動に対して使われるだけでなく、「突然の雷」のように自然現象に対しても使われる言葉です。突然とは、予想外であることを表し、物事の現象も含めて幅広く使われています。

唐突と突然を比べると、幅広く使える突然の方が汎用性のある言葉だと言えるでしょう。

唐突と突然の英語表記の違い

唐突も突然も英語にすると「sudden」「abrupt」「unanticipated」となり、例えば上記の「唐突な質問」を英語にすると「 a sudden question」となります。

唐突の意味

唐突とは

唐突とは、だしぬけであることを意味しています。

表現方法は「唐突に言う」「唐突すぎる」「唐突な質問」

「唐突に言う」「唐突すぎる」「唐突な質問」などが、唐突を使った一般的な言い回しです。

唐突の使い方

唐突を使った分かりやすい例としては、「唐突感が否めない措置だった」「娘が唐突に英語を習いたいと言い始めた」「結論が唐突すぎて説得力がない」「唐突の感は免れない」「年齢を唐突に聞くのは失礼だよ」などがあります。

その他にも、「唐突なメールで失礼いたします」「唐突な質問ですが教えて下さい」「唐突で恐縮ですが宜しくお願いします」「唐突なご連絡となり誠に恐縮です」「唐突ですがクイズを出します」「唐突に言うのはやめて欲しい」などがあります。

唐突の語源

唐突とは、予期しないことが起こるさまや、物事が何の前触れもなく発生するさまを表す言葉です。唐突という言葉の語源は、「突き当たる」を意味する漢語にあります。唐突は、古代中国の「唐」という国名に由来すると考えられることがありますが、唐の国とは無関係という説が有力です。

「唐突感が否めない」の意味

上記の例文にある「唐突感が否めない」とは、だしぬけであると感じていることを表します。予想外の物事が突然起こり、戸惑いの気持ちを抱いたり、反発するような気持ちを感じる時に使われる表現です。

唐突の対義語

唐突の対義語・反対語としては、行事や行動を前もって定めることを意味する「予定」、ある事を行うために方法や順序などを考えることを意味する「計画」などがあります。

唐突の類語

唐突の類語・類義語としては、突然ある状態が生じるさまや急に状況が変わるさまを意味する「俄然」、思いがけないことや突然であることを意味する「不意」、何の前触れもなく急に事が起きるさまを意味する「いきなり」などがあります。

突然の意味

突然とは

突然とは、予期しないことが急に起こるさま、だしぬけであるさまを意味しています。

表現方法は「突然のご連絡」「突然のメール」「突然ですが」

「突然のご連絡」「突然のメール」「突然ですが」などが、突然を使った一般的な言い回しです。

突然の使い方

突然を使った分かりやすい例としては、「突然のご連絡失礼いたします」「突然のメールで失礼いたします」「突然ですが占ってもいいですか」「突然ですが明日結婚します」「突然死を防ぐ方法はありますか」「突然の死をもたらす病気がある」などがあります。

その他にも、「DNAの突然変異の仕組みを解明する」「ウイルスは突然変異によって感染力が強まる」「突然に気温が数度も上昇する」「突然の膝の痛みの原因を調べる」「突然上がる銘柄の探し方を聞く」などがあります。

突然という言葉は、前触れなしに急に何かが起こるさまを意味します。人が急に立ち上がったりなどの予期しない言動や、晴天だったのに急に雷が鳴るなどの前触れのない現象に対して使われます。「突然のメール」のような名詞的用法と、「突然上がる」のような副詞的用法があります。

「突然変異」の意味

突然という言葉を用いた日本語には「突然変異」があります。遺伝的変異の一つであり、生物の遺伝形質が親の形質と異なって現われることを言います。転じて、物事が急激に思いもよらない大きな変化をとげることを比喩的に表現する時にも使われています。

突然の対義語

突然の対義語・反対語としては、物事のなりゆきや将来のことを予測することを意味する「見通し」、はっきりしていない事柄について大体の予想をすることを意味する「見当」、先行きの予想を意味する「見込み」などがあります。

突然の類語

突然の類語・類義語としては、何の前触れもなく物事が起こるさまを意味する「突如」、突然の変事を意味する「急」、物事が急に起こるさまを意味する「にわか」、物事の出現や消失が急なさまを意味する「忽然」などがあります。

唐突の例文

1.付き合っている人がいるのか唐突に聞くのは恥ずかしいから、友達からそれとなく聞いてもらおう。
2.文章を書く時には接続詞を上手く使うと、違和感や唐突さを避けられるよ。
3.唐突とは簡単に言うと、前後と関係ないことが突然現れることです。
4.息子が唐突にエジプト神話を語り出して驚いたが、どうやらテレビアニメの話のようだ。
5.彼は言いたいことを唐突に言う癖があり、話が嚙み合わないことがある。

この言葉がよく使われる場面としては、だしぬけなさま、不意を表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「唐突さ」の意味はだしぬけなさまですが、形容動詞「唐突だ」が、接尾語「さ」により体言化した形になっています。体言化表現することにより、名詞の「唐突」よりも、詠嘆の調子を加え相手に対する訴えの効果を強めています。

突然の例文

1.演劇部に入部したばかりで何も出来ないのに、突然ヒロインに抜擢されて戸惑っている。
2.私が夜中にこっそり観ているテレビドラマの主題歌を、子供が突然歌い出したので焦った。
3.海外に住めば突然英語が話せるようになると思っていたけど、全然上達していません。
4.外出先で突然の雨に打たれて、風邪を引いてしまいました。
5.車の走行中に突然ホイールカバーが外れることがあるので、定期的に点検しましょう。

この言葉がよく使われる場面としては、物事が急に起こるさまを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3にある突然は、人の言動に対して前触れもなく急に起こるさまを表しています。例文4や例文5の突然は、物事の現象に対して予期しないことが急に起こるさまを表しています。

唐突と突然という言葉は、どちらも急に起こるさまを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、人の言動に対して使う時は「唐突」を、人の言動や物事の現象に対して使う時は「突然」を使うようにしましょう。

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