似た意味を持つ「近畿」(読み方:きんき)と「関西」(読み方:かんさい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「近畿」と「関西」という言葉は、どちらも「京都や大阪を中心とする地域」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
近畿と関西の違い
近畿と関西の意味の違い
近畿と関西の違いを分かりやすく言うと、近畿とは京都・大阪・滋賀・兵庫・奈良・和歌山・三重の7府県を指す言葉、関西とは関東と区別するために使われている言葉という違いです。
近畿と関西の使い方の違い
一つ目の近畿を使った分かりやすい例としては、「ドライブに使うので近畿地方の地図を買いました」「近畿エリアのテレビ番組表を入手する」「近畿圏の人口密度はどれぐらいですか」「近畿日本鉄道の運行情報をホームページで確認する」などがあります。
二つ目の関西を使った分かりやすい例としては、「関西地方のおすすめスポットを教えてください」「関西万博で人気のパビリオンはどれですか」「関西電力の株価をチェックする」「関西空港から羽田空港までの飛行機を手配する」などがあります。
近畿と関西の使い分け方
近畿と関西という言葉は、どちらも京都や大阪を中心とする西日本の地域を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
近畿とは、近畿地方の略語であり、基本的には京都・大阪の2府と、滋賀・兵庫・奈良・和歌山・三重の5県で構成される地域を言います。ただし、近畿地方にどの府県を含むかについて法的な定義があるわけではなく、気象庁による地方区分では三重県は近畿地方ではなく東海地方に区分されています。
関西とは、関所の西側の国々という意味があり、関東という言葉と対比するために生まれた言葉だと言われています。関西は漠然と京都や大阪を中心とする西日本を指しますが、どこからどこまでの範囲を指すのかという定義はありません。あくまで関東と区別するために使われている言葉です。
つまり、近畿とは基本的に京都・大阪・滋賀・兵庫・奈良・和歌山・三重の7府県からなる地域を指し、関西とは京都や大阪を中心とする西日本を漠然と指す言葉です。そのため、行政上の書類などでは関西という表現を避け、近畿という言葉が使われる傾向にあります。
近畿と関西の英語表記の違い
近畿を英語にすると「Kinki」「Kinki area」となり、例えば上記の「近畿地方」を英語にすると「Kinki region」となります。一方、関西を英語にすると「Kansai」「Kansai area」となり、例えば上記の「関西地方」を英語にすると「Kansai region」となります。
近畿の意味
近畿とは
近畿とは、近畿地方の略、京都・大阪・滋賀・兵庫・奈良・和歌山・三重の2府5県からなる地域を意味しています。
近畿の読み方
近畿の読み方は「きんき」です。誤って「こんき」などと読まないようにしましょう。
近畿の使い方
近畿を使った分かりやすい例としては、「近畿地方で雪が降ることは珍しいです」「近畿厚生局に施設基準等の届出を郵送しました」「近畿日本鉄道の時刻表を確認してください」「近畿大学の卒業式が東大阪市のキャンパスで行われました」などがあります。
その他にも、「近畿地方整備局の採用試験を受ける」「姉は近畿大学病院で看護師として働いています」「近畿税理士会のビジネスマナー研修に参加しました」「近畿地方のある場所についてネットで調べています」などがあります。
近畿の「畿」は訓読みで「みやこ」と読み、都を中心とした天子の直属の地域を表す漢字です。近畿とは、「都に近い国々」の意味であり、日本で朝廷のあった主都周辺五か国の総称です。現在では、正式名称を「近畿地方」として、京都・大阪・滋賀・兵庫・奈良・和歌山・三重の7府県を指します。
表現方法は「近畿圏整備法」
近畿を用いた日本語には「近畿圏整備法」があります。近畿圏整備法とは、首都圏と並ぶ経済や文化の中心としてふさわしい近畿圏の建設と発展を図るため、近畿圏の整備に関する総合的な計画について規定した法律です。ここで言う近畿圏には、近畿地方の2府5県の他に福井県が含まれています。
近畿の類語
近畿の類語・類義語としては、近畿地方7府県と中部地方の福井県を含む地域を意味する「近畿圏」、皇居に近い地や京都に近い国々を意味する「畿内」、京都およびその付近一帯をさす語を意味する「上方」などがあります。
関西の意味
関西とは
関西とは、京都・大阪・神戸を中心とする一帯、京阪神地方を意味しています。
その他にも、「奈良時代、鈴鹿・不破・愛発 (あらち) の三関以西の地、のちに逢坂 (おうさか) の関より西の地域、鎌倉時代以後はもとの三関以西の諸国」の意味も持っています。
関西の読み方
関西の読み方は「かんさい」の他に「かんせい」とも読むことができますが、多くは「かんさい」と読まれています。
関西の使い方
「関西万博のチケットを購入する」「関西大学の入試日程を確認する」「兄は関西学院大学サッカー部に所属しています」「関西みらい銀行に口座を開設しました」などの文中で使われている関西は、「京都・大阪・神戸を中心とする一帯」の意味で使われています。
一方、「関西地方は日本の歴史と文化の中心でした」「関西一円から参拝客が大勢訪れた」「関東風すき焼きより関西風すき焼きが好きです」などの文中で使われている関西は、「三関以西の地、逢坂 (おうさか) の関より西の地域」の意味で使われています。
関西とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。関西の「関」は訓読みで「せき」と読み、国境などに設けて通行人を調べる所を表す漢字です。
表現方法は「関西弁」
関西を用いた日本語には「関西弁」があります。関西弁とは、京都や大阪を中心に、広く近畿地方で話されている方言の一般的呼称です。例えば、標準語の「だめ」は「あかん」、「本当」は「ほんま」、「かまわない」は「かまへん」などと言います。
関西の対義語
関西の対義語・反対語としては、三関以東の地や逢坂 (おうさか) の関より東の地域を意味する「関東」などがあります。
関西の類語
関西の類語・類義語としては、日本列島の西半部の地域を意味する「西日本」、京都と大阪と神戸を含む都市圏や府県を意味する「京阪神」、広く近畿地方で話されている方言を意味する「関西弁」などがあります。
近畿の例文
この言葉がよく使われる場面としては、近畿地方の略、京都付近の国々を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、近畿という言葉は、日常会話からビジネスシーンまで幅広い場面で使用されています。
関西の例文
この言葉がよく使われる場面としては、関(せき)より西、京阪地方の総称を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「関西空港」は「関西国際空港」の通称です。1994年9月に開港した国際空港で、関西エアポートが運営しています。
近畿と関西という言葉は、どちらも「京都や大阪を中心とする地域」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、京都や大阪を含む7府県を表現したい時は「近畿」を、関東に対してエリアを漠然と表現したい時は「関西」を使うようにしましょう。