似た意味を持つ「アーリーリタイア」と「セミリタイア」と「FIRE」(読み方:ファイア)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「アーリーリタイア」と「セミリタイア」と「FIRE」という言葉は、早期退職や早期引退をすることという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
アーリーリタイアとセミリタイアとFIREの違い
アーリーリタイアとセミリタイアとFIREの意味の違い
アーリーリタイアとセミリタイアとFIREの違いを分かりやすく言うと、アーリーリタイアは早期の完全退職を表現する時に使い、セミリタイアは退職後もたまに働くことを表現する時に使い、FIREは少ない資産での退職を表現する時に使うという違いです。
アーリーリタイアとセミリタイアとFIREの使い方の違い
アーリーリタイアという言葉は、「アーリーリタイアはリスクが非常に高い」「兄はアーリーリタイアによって趣味に費やす時間を手にした」などの使い方で、定年退職を迎える前に早期に退職することを意味します。
セミリタイアという言葉は、「実際にセミリタイアした人の話を聞く貴重な機会を得た」「セミリタイアによって会社から早期退職金を貰うことができた」などの使い方で、十分な貯蓄を作り上げた後に早期退職をすることを意味します。
FIREという言葉は、「FIREムーブメントに感化されて興味を持ち始めた」「FIREに挑戦するため自身の資産を見つめ直した」などの使い方で、支出をできる限り抑えることで貯蓄を行い、早い段階で経済的自立を達成して定年前に退職をすることを意味します。
アーリーリタイアとセミリタイアとFIREの使い分け方
アーリーリタイアもセミリタイアも早々に退職をすることを意味しますが、前者は退職後に仕事を全くしないライフスタイルを、後者はフリーランスなどとして働くことは続けるスタイルを指します。
一方のFIREも早期退職を意味しますが、セミリタイアのように退職後も働き続けるスタイルを指します。セミリタイアと異なるのは、十分な資産を蓄えてから退職に踏み切るのではなく、比較的少ない資産で退職をする点です。
これが、アーリーリタイア、セミリタイア、FIREの明確な違いです。
アーリーリタイアの意味
アーリーリタイアとは
アーリーリタイアとは、定年退職を迎える前に早期に退職することを意味しています。
アーリーリタイアは早期リタイアとも言われる
退職後は全く仕事をしないライフスタイルを指すのが特徴的であるため、十分に資産を蓄えてからリタイアをする場合に使われ、早期リタイアとも言われます。
アーリーリタイアの年齢は30代から50代
定年退職は60歳で、今日では企業によって定められている年齢が異なる場合もありますが、アーリーリタイアは30代から50代で早期退職を行います。そして、60代に入って年金生活を送るというプランを描く人が増加してきました。
景気が悪い状況下では、企業から早期退職者を募ることもあり、その早期退職者には通常の退職金よりも多めに退職金を渡している企業もあるようです。
表現方法は「アーリーリタイアする」「アーリーリタイアを目指す」
「アーリーリタイアする」「アーリーリタイアを目指す」などが、アーリーリタイアを使った一般的な言い回しです。
セミリタイアの意味
セミリタイアとは
セミリタイアとは、十分な貯蓄を作り上げた後に早期退職をすることを意味しています。
セミリタイアの語源
セミリタイアの「semi」は半分や準を意味する言葉で、「retire」は引退を意味する言葉です。そのため、早期退職とは言えど完全なリタイアではない場合に対して使われます。
この言葉は1990年に大橋巨泉氏が、完全引退をせずに海外で暮らしながら時々仕事をするという意味で「セミリタイア」という言葉を使ったことで世間に広まった言葉です。
そのため、会社を退職した後はアルバイトをしたり、フリーランスや資産運用を行うことで仕事を緩やかに続けたり、収入を得ることとなる状況を指します。
完全にリタイアする場合は、アーリーリタイアという言葉を使います。
表現方法は「セミリタイアする」「セミリタイアを目指す」「セミリタイア生活」
「セミリタイアする」「セミリタイアを目指す」「セミリタイア生活」などが、セミリタイアを使った一般的な言い回しです。
FIREの意味
FIREとは
FIREとは、支出をできる限り抑えることで貯蓄を行い、早い段階で経済的自立を達成して定年前に退職をすることを意味しています。
FIREは「Financial Independence, Retire Early」の省略語
FIREは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取って付けられた略称で、経済的な自立、早期退職を表す言葉です。
「FIREムーブメント」は2010年代から
2010年代から「FIREムーブメント」という形で注目を集め、アメリカで流行し始めた考え方です。
FIREの「4%ルール」の意味
FIREを実現するために「4%ルール」という資産の崩し方が存在し、所有する資産を4%ずつ使っていくと25年で資産がなくなるため、4%を上回る資産運用が必要になるという計算です。
しかしながら、貯蓄を増やしていくことや、退職後保持する資産の4%を上回る収入を得ることが難しいとされていることから、リスクが高いとされています。
表現方法は「FIREしたい」「FIREする」「FIREを目指す」
「FIREしたい」「FIREする」「FIREを目指す」などが、FIREを使った一般的な言い回しです。
アーリーリタイアの例文
この言葉がよく使われる場面としては、定年退職を迎える前に早期に退職することを意味する時などが挙げられます。
退職後働かない場合に使われる言葉ですが、例文1の使い方であれば、セミリタイアやFIREに置き換えて使うことができます。
セミリタイアの例文
この言葉がよく使われる場面としては、十分な貯蓄を作り上げた後に早期退職をすることを意味する時などが挙げられます。
退職後もたまに収入を得る場合に使われる言葉であるため、FIREに置き換えて使うことはできますが、アーリーリタイアを使うと意味合いが変わってきます。
FIREの例文
この言葉がよく使われる場面としては、支出をできる限り抑えることで貯蓄を行い、早い段階で経済的自立を達成して定年前に退職をすることを意味する時などが挙げられます。
比較的少ない資産の状態で早期退職することを意味しますが、ほとんどセミリタイアと同じように使われます。
アーリーリタイアとセミリタイアとFIREどれを使うか迷った場合は、早期の完全退職を表す時は「アーリーリタイア」を、退職後たまに働くことを表す時は「セミリタイア」を、少ない資産での退職を表す時は「FIRE」を使うと覚えておけば間違いありません。