【フェーズ】と【ステージ】と【ステップ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「フェーズ」と「ステージ」と「ステップ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「フェーズ」と「ステージ」と「ステップ」という言葉は、段階という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




フェーズとステージとステップの違い

フェーズとステージとステップの意味の違い

フェーズとステージとステップの違いを分かりやすく言うと、フェーズは大きな過程の枠組みに使い、ステージは分けられた工程の枠組みに使い、ステップは最終目的を達成するまでの過程を最も分けた枠組みに使うという違いです。

フェーズとステージとステップの使い方の違い

フェーズという言葉は、「次のフェーズに移行する時にまた説明を受けるようだ」「このフェーズが全ての工程の中で一番大切である」などの使い方で、一つの目標を達成するための工程大きな過程の枠組みを意味します。

ステージという言葉は、「新しいステージに挑戦するために自身の技量を磨く」「父母が第二のステージを歩むのを見ていると楽しそうだと思う」などの使い方で、工程を大きく分けたものの中で、さらに工程を分けた後の枠組みを意味します。

ステップという言葉は、「小さなステップでも一つ一つ大切にこなしていく」「ステップを踏んでいくのはゆっくりでも構わないと言ってもらえた」などの使い方で、最終目的を達成するまでの過程を最も細かく分けた枠組みを意味します。

フェーズとステージとステップの使い分け方

新商品を発売する場合、まずはどんな商品を生み出すのかを企画する必要があります。そしてそれを製造し、最終的に販売して世に出すこととなります。これらの区別された段階をステージと言います。

ステージごとに分けられたもの、例えば上記で言う製造であれば、原材料の調達、工場での生産、生産物の梱包や発送など更に作業が分けられます。ここで区別された段階をフェーズと言います。

更に、このフェーズを行うにあたって必要な行動を段階的に表したものをステップと言い表します。そのため、より大きな枠組みの順に並べると、ステージ>フェーズ>ステップの順になります。

また、今日では医療に関する言葉としてフェーズとステージを多く耳にしますが、前者は医療機関にとっての基準を表し、後者は国や自治体が必要な対策を行うための基準を表す言葉として使われています。

これが、フェーズ、ステージ、ステップの明確な違いです。

フェーズの意味

フェーズとは

フェーズとは、段階や局面を意味しています。

特に、医療分野で多く使われる言葉で、新しい医薬品や治療方法の効果や安全性を確認して、国の承認を得るために行う臨床試験の段階に対して使われます。

「フェーズ1」の意味

まず、フェーズ1では、その薬剤が安全であるか、そして体内でどう吸収されるのか、どう代謝されるのかなどを確認します。

「フェーズ2」と「フェーズ3」の意味

フェーズ2では少人数の患者に対して有効で安全な投与量や投与方法などが確認され、フェーズ3では既存の薬剤や治療法などとの比較を行うことで新薬の有効性や安全性を確認されます。

「フェーズ4」の意味

そして、国の承認を受けた医薬品や医療機器が市販された後、効果や副作用に関する情報を収集するために行われます。これがフェーズ4に当たります。

「Wフェーズ」の意味

フェーズを使った言葉として、「Wフェーズ」があります。これは、地震の時に発生するP波とS波の間に観測される長周期の波を指す言葉です。

表現方法は「フェーズが変わる」「フェーズが変わった」「フェーズが上がる」

「フェーズが変わる」「フェーズが変わった」「フェーズが上がる」などが、フェーズを使った一般的な言い回しです。

フェーズの類語

フェーズの類語・類義語としては、繰り返される現象の一つの周期のうちの特定の局面を意味する「位相」(読み方:いそう)、過程や仕事を進める方法を意味する「プロセス」があります。

ステージの意味

ステージとは

ステージとは、物事の段階を意味しています。

表現方法は「ステージが上がる」「ステージが変わる」「ステージに立つ」

「ステージが上がる」「ステージが変わる」「ステージに立つ」などが、ステージを使った一般的な言い回しです。

ステージを使った言葉として、「ライフステージ」「セカンドステージ」があります。

「ライフステージ」の意味

一つ目の「ライフステージ」とは、人生における段階を意味する言葉です。成長や発展の過程においては幼年期、児童期、青年期、壮年期、老年期などの段階に大きく分けられています。

その他にも、入学や卒業、就職、結婚、出産、子どもの独立、自身の退職など人生の節目で分ける区別方法もあります。

「セカンドステージ」の意味

二つ目の「セカンドステージ」とは、これまでの半生の営みに区切りをつけて新しい環境や姿勢で人生を歩み始める段階を意味する言葉で、セカンドライフと表現されることもあります。

いわゆる第二の人生と言われていて、特に、定年退職を迎えた後の人生を指して使われています。

ステージの類語

ステージの類語・類義語としては、小説や映画などで設定された時代や状況を意味する「舞台」があります。

ステップの意味

ステップとは

ステップとは、物事の進行上の段階を意味しています。

ステップを使った言葉として、「ステップアップ」「スモールステップ法」があります。

「ステップアップ」の意味

一つ目の「ステップアップ」とは、進歩することや向上することを意味する言葉で、ビジネスシーンから日常会話まで幅広く使うことができます。

「ステップバック」の意味

対義語・反対語に当たる言葉に、後退を意味する「ステップバック」があります。これは、自身の成長や目標を実現のために、地位や収入が下がったとしても、一時的な後退を選択することを表します。

「スモールステップ法」の意味

二つ目の「スモールステップ法」とは、いきなりゴールを目指すのではなく、目標を段階にして分けて、その中の小さな目標を達成していきながら、最終的な目標達成へと近づくことを指す方法です。

例えば、志望校に合格したいという最終目標のために、入学試験の準備が必要となります。英語の筆記試験であれば文法や解法を身に付けることとなりますが、まずは小さな目標として英単語を覚える必要があります。これがスモールステップ法です。

ステップの類語

ステップの類語・類義語としては、人の通った道筋を意味する「足取り」、踏んで昇り降りする段を意味する「踏み段」があります。

フェーズの例文

1.システム開発のフェーズにおいて必要な工程がまだ済んでいないようで、作業が滞っているようだ。
2.新しいフェーズに入るためにも、事前に必要な知識をおさらいして予習をしておかなければならないと感じた。
3.感染症のフェーズが次の段階へと移る話を聞いて、一層気を引き締めて生活しなければならないと感じた。
4.事業規模の拡大に伴い、従業員の数も急激に増えたことで、我が社も人事や労務面で、新たなフェーズに入ったと感じます。
5.CO2削減という地球規模の課題が、これ以上待ったなしのフェーズに来ていることは、先進国間では共通の認識だと思います。
6.日本でYouTubeが多くの人に見られるようになってから、社会全体も次のフェーズに移ったのかもしれない。
7.プロジェクト全体は大きく5つのフェーズに分かれており、現在3つ目のフェーズに突入したところだ。
8.計画段階では楽観的な見方が大勢だったが、いざ実行に移すと最初のフェーズでつまづいてしまい計画は暗礁に乗り上げてしまう。

この言葉がよく使われる場面としては、一つの目標を達成するための工程大きな過程の枠組みを意味する時などが挙げられます。

例文3の「フェーズ」は警戒段階と言い換えられることもあります。

ステージの例文

1.このゲームのステージに突入してから敵が格段に強くなっており、自身のレベルが足りていないことを痛感する。
2.現在のステージ状況であれば、国民を縛るような政策を行いたいのも理解はできるが、そればかりでは国民は納得しないだろう。
3.ライフステージに応じた保険に加入する必要があると母に口酸っぱく言われていたような気がする。
4.いま振り返ってみると、人生のどのステージでも困ったときに助け、寄り添ってくれる他人がいた。自分一人で生きているわけではないって改めて思います。
5.このままこの大学で学んでいても、次のステージに行けるかどうかわからなかったので中退も考えている。
6.ゲームの最終ステージでは大ボスが待ち構えており、一撃食らっただけでHPの半分を持っていかれてしまった。
7.このステージをクリアするには、青いボールを探し出さなければならないが、周りには敵がうじゃうじゃいて容易に近づけなかった。
8.男は堅物なサラリーマンであったが、ひそかに喫茶店でも始めようかなどとセカンドステージのことを思い描いていた。

この言葉がよく使われる場面としては、工程を大きく分けたものの中で、さらに工程を分けた後の枠組みを意味する時などが挙げられます。

例文2の「ステージ」は医療に関する言葉として使われる言葉であるため、工程を分けたものではなく、現状の度合いを段階としたものを指しています。

ステップの例文

1.徐々にステップアップしていくことが何においても重要で、出来ないことにいきなり取り組もうとしても上手くいくことは少ない。
2.ステップを踏むのが苦手な彼は、計算問題において途中式を書かずに脳内で処理しようとしてしまうために凡ミスが多くなる。
3.優勝までの大事なステップを無駄にするわけにはいかないため、念入りな準備運動を行ってから練習試合に取り組ませていた。
4.外国語を学ぶにあたり、まずは目的の確認をさせてください。日常生活のサバイバルが目的か、あるいは文法を丁寧にステップバイステップで積み上げていくのか。
5.子どものトイレトレーニングは、きちんとしたステップを踏むことが大事です。ステップ1、まずは意識付け。排泄行為の認識とトイレという場所をつなぐことから始めましょう。
6.わたしはクラス一の劣等生だったので、みんなが次のステップに簡単にクリアしている中、わたしだけは後塵を拝している有様であった。
7.いまの子の子育てがひと段落したら、ステップアップのために資格取得をしようと通信講座を受講しようと決めている。
8.今教えている生徒にはスモールステップ法を忠実に行うことで、しっかり成果も得ているので、志望校合格も夢じゃないだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、最終目的を達成するまでの過程を最も細かく分けた枠組みを意味する時などが挙げられます。

例文1の「ステップアップ」は、工程をより細かくして、その段階を踏んで進歩することや向上することを意味するため、フェーズやステージという言葉に置き換えて使うことはできません。

フェーズとステージとステップどれを使うか迷った場合は、大きな過程の枠組みを表す場合は「フェーズ」を、分けられた工程の枠組みを表す場合は「ステージ」を、最も分けた枠組みを表す場合は「ステップ」を使うと覚えておけば間違いありません。

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