似た意味を持つ「前株」(読み方:まえかぶ)と「後株」(読み方:あとかぶ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「前株」と「後株」という言葉は、どちらも株式会社を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
前株と後株の違い
前株と後株の意味の違い
前株と後株の違いを分かりやすく言うと、前株とは社名の前に株式会社が付くこと、後株とは社名の後ろに株式会社が付くことという違いです。
前株と後株の使い方の違い
一つ目の前株を使った分かりやすい例としては、「前株なのか後株なのかきちんと確認する」「前株の会社名の正しい書き方を教えましょう」「あの会社は前株だったかな」「私は前株の方が厳かな印象を持っています」などがあります。
二つ目の後株を使った分かりやすい例としては、「振込先口座名義が後株の場合はどのように入力しますか」「上場している後株の会社一覧を作成する」「戦前は前株よりも後株が多く使われていました」などがあります。
前株と後株の使い分け方
前株と後株という言葉は、どちらも株式会社であることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
前株とは、社名の前に株式会社が付くことを表し、「株式会社○○○」と表記されることを意味します。一方、後株とは、社名の後ろに株式会社が付くことであり、「○○○株式会社」と表記されることを指す言葉です。つまり、前株と後株の違いは、商号における株式会社の位置の違いになります。
会社の設立について定めた「会社法」では、会社名に株式会社という文字を入れなければならないことを義務付けています。日本では、前株か後株どちかにすることが一般的ですが、「○○○株式会社△△△」のように社名の途中に株式会社を入れる中株も認められています。
前株と後株の英語表記の違い
前株も後株も直訳した英語表現はないのですが、会社名の英語表記には「K.K.」「Co.」「Ltd.」「Inc.」などがあります。
前株の意味
前株とは
前株とは、社名よりも前に「株式会社」を置いていることを意味しています。
前株の使い方
前株を使った分かりやすい例としては、「法律では前株後株の制限はありません」「領収書を作成する時は前株か後株かに注意してください」「ビジネスメールで前株と後株を間違えてしまった」などがあります。
その他にも、「経営者の好みが前株と後株の違いです」「部下が請求書の前株と後株を間違えたようだ」「前株でも後株でも (株)と省略するのは失礼だろう」「前株や後株だけでなく中株も存在します」などがあります。
前株とは、「株式会社○○○」のように、「株式会社」が社名の前側に付くことを表す言葉です。前株である日本の会社には、「株式会社ゆうちょ銀行」「株式会社リクルート」「株式会社ビックカメラ」などがあります。
現在、日本の企業名は後株よりも前株の方が多くなっています。その理由の一つに、カタカナやアルファベットの社名が増えており、前株の方が調和がとれることが挙げられています。
前株の類語
前株の類語・類義語としては、株式会社の略号を意味する「KK」、営利行為などを目的として有限会社法によって設立された社団法人を意味する「有限会社」、社員全員が出資額を限度とした有限責任を負うことを意味する「合同会社」などがあります。
後株の意味
後株とは
後株とは、社名よりも後に「株式会社」を置いていることを意味しています。
後株の使い方
後株を使った分かりやすい例としては、「領収書における後株の正しい書き方を教えてください」「後株をかっこ書きで(株)と書いてもいいですか」「後株の有名な企業といえばトヨタ自動車株式会社だろう」などがあります。
その他にも、「領収書は前株か後株かを確認してから書きましょう」「後株を省略したら失礼でしょうか」「後株を省略形のカタカナ表記にするなら(カ)と入力します」「前株ではなく後株にするセンスが理解できない」などがあります。
後株の読み方は「あとかぶ」です。「うしろかぶ」と読まれることもありますが、一般的には「あとかぶ」と読む方が通じやすくなっています。
後株とは、「○○株式会社」のように、株式会社の商号で「株式会社」が社名の後ろ側に付くことを表します。後株である会社の一例としては、「日本郵政株式会社」「ヤマト運輸株式会社」「三菱重工業株式会社」などがあります。
後株の類語
後株の類語・類義語としては、無限責任社員と有限責任社員とからなる会社を意味する「合資会社」、二人以上の無限責任社員だけからなる会社を意味する「合名会社」、外国資本と国内資本との共同出資によって設立され共同で経営される会社を意味する「合弁会社」などがあります。
前株の例文
この言葉がよく使われる場面としては、会社名の前に「株式会社」が付くことを表現したい時などが挙げられます。
例文1に関して、前株であっても後株であっても、株式会社を省略して(株)と書くことが出来ます。ただし、正式な場面や書類において、株式会社を(株)と省略して表記することはマナー違反になるので注意しましょう。
後株の例文
この言葉がよく使われる場面としては、会社名の後に「株式会社」が付くことを表現したい時などが挙げられます。
例文4に関して、前株は「株式会社○○」、後株は「○○株式会社」、中株は「○○株式会社△△」となり、社名の途中に株式会社と入れることを「中株」と言います。いずれも法律上で認められています。
前株と後株という言葉は、どちらも会社名における株式会社の位置を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、社名の前側に株式会社が付くことを表現したい時は「前株」を、社名の後ろ側に株式会社が付くことを表現したい時は「後株」を使うようにしましょう。