【面目躍如】と【面目一新】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「面目躍如」(読み方:めんもくやくじょ)と「面目一新」(読み方:めんもくいっしん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「面目躍如」と「面目一新」という言葉は、どちらも「世間の評判」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




面目躍如と面目一新の違い

面目躍如と面目一新の意味の違い

面目躍如と面目一新の違いを分かりやすく言うと、面目躍如とは世間の評判通りの活躍をすること、面目一新とは世間の評判が良くなることという違いです。

面目躍如と面目一新の使い方の違い

一つ目の面目躍如を使った分かりやすい例としては、「彼女はテニス選手として面目躍如たる活躍をしている」「エースとして面目躍如を果たす」「評判どおりの面目躍如たる活躍を見せた」「まさに面目躍如の働きであった」などがあります。

二つ目の面目一新を使った分かりやすい例としては、「高速道路が面目一新して便利になりました」「マンネリな春コーデを面目一新するコツを教えましょう」「ホームページが面目一新して見やすくなりました」「悪しき慣習は簡単に面目一新とはいかないものです」などがあります。

面目躍如と面目一新の使い分け方

面目躍如と面目一新という言葉は、どちらもビジネスシーンで使われ、世間からの評価や人々の評判を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

面目躍如とは、世間の評価にふさわしい活躍をするさまを意味します。世間が期待している通りの活躍ができているさま、さらに評判がよくなる様子も表すプラスイメージの四字熟語です。

面目一新とは、世間の評判が今までとは打って変わってよくなることを意味します。以前の評価が低かったものから、評価が高まるという変化を表す言葉です。前述した面目躍如は、もともとの評価が高いことを表しますが、面目一新はもともとの評価が低いというニュアンスがあります。

面目躍如と面目一新の英語表記の違い

面目躍如を英語にすると「demonstrative of one’s worth」「live up to one’s name」となり、例えば上記の「テニス選手として面目躍如たる活躍する」を英語にすると「lives up to her name as a baseball player」となります。

一方、面目一新を英語にすると「undergoing a complete change in appearance」「a rise in one’s reputation」となり、例えば上記の「高速道路が面目一新した」を英語にすると「The expressway has completely changed the appearance」となります。

面目躍如の意味

面目躍如とは

面目躍如とは、世間の評価に値する活躍をしていて生き生きとしているさま、名声や世間体などがよりよくなるさまを意味しています。

面目躍如の読み方

面目躍如の読み方は、「めんもくやくじょ」「めんぼくやくじょ」の二通りあります。誤って「めんもくやくにょ」「めんぼくやくにょ」などと読まないようにしましょう。

面目躍如の使い方

面目躍如を使った分かりやすい例としては、「才女の面目躍如たる作品であった」「歴史的建造物という面目躍如たる佇まいがある」「面目躍如たる時間の使い方だと思う」「英語のレベルが高い学校としての面目躍如を果たす」などがあります。

その他にも、「周囲の期待に応えて面目躍如を果たす」「人気企業の面目躍如たる就職倍率だ」「リーダーとしての面目躍如を果たした」「彼の面目躍如たる活躍は聞いています」「皆様のお陰で面目躍如を果たすことができました」などがあります。

面目躍如とは、世間の評価にふさわしい活躍をするさまや、仕事などに名誉や評価に値するその人らしさがありありと現れているさまを意味します。

面目躍如の由来

面目躍如という言葉の由来は、中国発祥の四字熟語とされていますが、定かではありません。「面目」は世間の人に合わせる顔のことを表し、「躍如」は生き生きとして勢いのよいさまを表し、面目躍如とは、世間の期待や名誉に十分に応えるだけの活躍を意味する四字熟語です。

面目躍如の対義語

面目躍如の対義語・反対語としては、面目を失うことや名誉が傷つけられることを意味する「不面目」、名誉を傷つけることを意味する「不名誉」、名誉をきずつけられることを意味する「名折れ」などがあります。

面目躍如の類語

面目躍如の類語・類義語としては、自分の持っている能力や持ち味などを存分に出すことを意味する「本領発揮」、獅子がふるい立って暴れまわるように激しい勢いで物事に対処することを意味する「獅子奮迅」、困難に屈せず頑張って闘うことを意味する「健闘」などがあります。

面目一新の意味

面目一新とは

面目一新とは、内容や体裁を改めて全く新しくすること、世間の信用や評判が今までとは打って変わってよくなることを意味しています。

面目一新の使い方

面目一新を使った分かりやすい例としては、「ショッピングセンターのおかげで街は面目一新しました」「生活を面目一新するような変化が欲しい」「英語のテキストが面目一新に改訂されました」などがあります。

その他にも、「経営陣は組織を面目一新するつもりだ」「再開発で面目一新した商店街に賑わいが戻った」「面目一新したスケジュール帳で時間の使い方が変わりました」「道路が拡幅舗装されて面目一新した」などがあります。

面目一新という言葉の「一新」とは、すっかり新しくすることや、まったく新しくなることです。面目一新とは、見た目がすっかり変わること、または、世間の評判が一転して好評を得るようになることを意味する四字熟語です。

面目一新は、建物や街の様子など見た目の変化だけでなく、生活や組織あるいは人の内面などの変化に関しても使うことが出来ます。変化を表す言葉ですが、変化のなかでも、悪い印象から良い印象へと変化する時に使います。悪い変化に対しては使わないので注意しましょう。

面目一新の対義語

面目一新の対義語・反対語としては、もとのままで変化や進歩のないさまを意味する「旧態依然」、考え方や行動などに保守の傾向があるさまを意味する「保守的」、長い期間ずっと同じ状態であることを意味する「十年一日」などがあります。

面目一新の類語

面目一新の類語・類義語としては、一度失った信用や評判を言動によって取り戻すことを意味する「名誉挽回」、物事を改めて新しくすることを意味する「改新」、旧来の制度などを改めて新しくすることを意味する「革新」、弊害を払って全く新しいものにすることを意味する「刷新」などがあります。

面目躍如の例文

1.息子は勝利の決定打を放ち、キャプテンとしての面目躍如を果たすことが出来た。
2.勝つのが当たり前というプレッシャーがありながら、面目躍如を果たすことは難しいものです。
3.英語が得意な友人は、英語弁論大会で面目躍如たる成績を残しました。
4.彼の面目躍如たる活躍を、同期入社のライバルたちは妬ましく思っているようです。
5.面目躍如の仕事ぶりで知られている部長だが、プライベートでのお金の使い方はだらしないようだ。
6.プレゼンが終わり上司から面目躍如の出来だったなと誉めてもらったが、私自身は不安と緊張で何を話したか覚えていない。
7.大谷翔平選手は大リーグでも二刀流として面目躍如の活躍をしており、今シーズンのさらなる活躍を期待されています。
8.この映画シリーズは配給会社によって押しも押されぬドル箱として面目躍如の作品であったが、最近は人気が下火になりつつある。
9.一流のビジネスマンにお話を伺ったが、朝の6時からすでに仕事の準備を始めているとのことで、まさに面目躍如たる時間の使い方だと思いました。
10.仕事でどんなピンチの時でも、独特の愛嬌とトーク力で乗り切ってしまうところが、彼の面目躍如であろう。本当なら私も見習いたいところだがなかなか難しい。

この言葉がよく使われる場面としては、世間に対して顔が立って生き生きとした様子、世間の評価や地位にふさわしい活躍をする様子を表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2にある「面目躍如を果たす」とは、人々から期待されているような活躍をすること、また、期待通りの働きで評判がさらに高まることを意味します。「果たす」とは、物事を成し遂げることです。

面目一新の例文

1.30年ぶりに生まれ故郷を訪れてみたら、面目一新というほどに町の様子は変っていた。
2.生徒数の増加にあわせて面目一新した新校舎で、入学式が行われました。
3.商品の中身は変わっていなくても、パッケージを面目一新しただけで売れ行きが良くなることもあります。
4.英語留学から帰ってきた友人は、心身共にたくましくなって面目一新しました。
5.不調が続いている野球チームの監督は、今年は面目一新の年にしたいと抱負を語りました。
6.都心から有名パン店が移転してきたが、その影響力、集客力はすさまじく、面目一新でさびれていた団地の商店街は新しく出店する店も増えはじめた。
7.新しい高速道路が開通したことで、サービスエリアが面目一新してとても楽しい便利な場所になりました。
8.ホームページが面目一新したのはいいが、古参のユーザーからは却って使いにくくなったと不満を漏らしていました。
9.20年ぶりに田舎に帰ったので、街全体が面目一新されていると期待していたが、どこもかしこも当時とほとんど変わっていなかった。
10.経営陣は組織を面目一新するつもりなので、もしかしたらこの部署もどこかの部署と合併することになるかもしれないな。

この言葉がよく使われる場面としては、世間からの評価がよいほうへ一変すること、外見の様子などを以前とはすっかり変えることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3の面目一新は、外見の様子などが以前とすっかり変わっていることを表しています。例文4や例文5の面目一新は、世間からの評価がよいほうへ一変することを表しています。

面目躍如と面目一新という言葉は、どちらも「世間の評判」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、世間の評判どおりに活躍することを表現したい時は「面目躍如」を、世間の評判がよくなることを表現したい時は「面目一新」を使うようにしましょう。

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