似た意味を持つ「理路整然」(読み方:りろせいぜん)と「支離滅裂」(読み方:しりめつれつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「理路整然」と「支離滅裂」という言葉は、どちらも「文章や言動のありさま」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
理路整然と支離滅裂の違い
理路整然と支離滅裂の意味の違い
理路整然と支離滅裂の違いを分かりやすく言うと、理路整然とは筋道が通っているさま、支離滅裂とは筋道が通っていないさまという違いです。
理路整然と支離滅裂の使い方の違い
一つ目の理路整然を使った分かりやすい例としては、「小学生に理路整然とした議論なんて無理だろう」「理路整然と話す方法を教えてください」「理路整然と話せない自分がもどかしい」「彼女の考え方は理路整然としている」などがあります。
二つ目の支離滅裂を使った分かりやすい例としては、「話がまとまらず、説明が支離滅裂になる」「支離滅裂な文章で言いたいことが分からない」「支離滅裂な人への対応は難しい」「首相の答弁は支離滅裂で混迷を深めた」などがあります。
理路整然と支離滅裂の使い分け方
理路整然と支離滅裂という言葉は、話や文章、考え方や言動を表現する時に用いられていますが、意味や使い方には大きな違いがあります。
理路整然とは、物事が道理にあてはまって、きちんと筋道が整っているさまを意味します。例えば「理路整然とした話し方」とは、話の筋道が通っていて、秩序立てた論理で展開されている話し方のことです。
支離滅裂とは、ばらばらでまとまりがなく、筋道が立っていないさまを意味します。「支離滅裂な話し方」とは、趣旨が分散していて一貫性に欠けている内容や、矛盾した展開をするような話し方のことです。
つまり、文章や言動において、順序立てて筋道が通っていることを理路整然、ちぐはぐで筋道が通っていないことを支離滅裂と言います。理路整然と支離滅裂という言葉は、相反する関係にある言葉なのです。
理路整然と支離滅裂の英語表記の違い
理路整然を英語にすると「logical」「cogent」「well‐reasoned」となり、例えば上記の「理路整然とした議論」を英語にすると「a well‐reasoned debate」となります。
一方、支離滅裂を英語にすると「incoherence」「confusion」となり、例えば上記の「支離滅裂になる」を英語にすると「be thrown into confusion」となります。
理路整然の意味
理路整然とは
理路整然とは、物事が道理にきちんとあてはまっているさま、話などの筋道が整っているさまを意味しています。
理路整然の読み方
理路整然の読み方は「りろせいぜん」です。誤って「りじせいぜん」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「理路整然な人」「理路整然と話す」「理路整然と説明する」
「理路整然な人」「理路整然と話す」「理路整然と説明する」などが、理路整然を使った一般的な言い回しです。
理路整然の使い方
理路整然を使った分かりやすい例としては、「理路整然とした文章が書ける人になりたいです」「ロジカルで理路整然たる解説でよく理解できました」「頭の回転が速い人は話が理路整然としている」などがあります。
その他にも、「英語の文章を理路整然と書けますか」「理路整然たる説明は分かりやすい」「頭がよくて理路整然な人に憧れます」「理路整然と話す女性は苦手です」「理路整然とした文章を心掛ける」などがあります。
理路整然とは、物事が道理に当てはまっているさま、特に文章や話し合いに矛盾がなく筋がきちんと通っているさまを意味します。筋道が整っているさまを表し、褒め言葉として使われています。
理路整然の由来
理路整然どいう言葉の由来は、「理路」と「整然」の二つの語句の組み合わせにあります。「理路」は物事の道理、考えや話などの筋道を表し、「整然」は秩序正しく整っているさまを表します。理路整然は、これらの語句を組み合わせて成り立った四字熟語です。
理路整然の対義語
理路整然の対義語・反対語としては、ばらばらでまとまりがなく筋道が立っていないさまを意味する「支離滅裂」、物や事柄がばらばらのまま整理されていないことを意味する「乱雑無章」、すべてが入りまじって区別がつかないさまを意味する「混沌」などがあります。
理路整然の類語
理路整然の類語・類義語としては、最初から最後まで一つの方針や態度で貫かれていることを意味する「首尾一貫」、始めから終わりまで同じ一つの方針によっていることを意味する「一貫性」、きちんと筋道を立てて考えるさまを意味する「論理的」などがあります。
支離滅裂の意味
支離滅裂とは
支離滅裂とは、統一がなくばらばらであること、文章や形などにまとまりなく訳がわからないことを意味しています。
支離滅裂の使い方
支離滅裂を使った分かりやすい例としては、「彼はよく支離滅裂なことを言う」「祖母の支離滅裂な言動が心配です」「支離滅裂な言動に統合失調症を疑っています」「彼の支離滅裂な思考や発言には呆れてしまう」などがあります。
その他にも、「支離滅裂な発言をする夫は精神疾患の病気なのだろうか」「支離滅裂な人といると疲れてしまう」「支離滅裂に愛し愛されたいと願っている」「英語の作文が支離滅裂になってしまった」「支離滅裂な思考の治し方はありますか」などがあります。
支離滅裂の「支離」は分かれ離れること、「滅裂」は破れさけて形を失うことです。支離滅裂とは、ばらばらになって、まとまりがつかないことを意味する四字熟語です。話や文章の筋、または形や音などにまとまりがなく、わけがわからない様子を表す時に用いられています。
「支離滅裂な人」の意味
上記の例文にある「支離滅裂な人」とは、思いつきの発言や行動によって、ちぐはぐな言動や、矛盾した行動をとるような人を指します。
表現方法は「支離滅裂な文章」「支離滅裂な発言」「支離滅裂な言動」
「支離滅裂な文章」「支離滅裂な発言」「支離滅裂な言動」などが、支離滅裂を使った一般的な言い回しです。
支離滅裂の対義語
支離滅裂の対義語・反対語としては、物事の道理や議論の筋道が整っている様子を意味する「理路整然」、最初から最後までずっと変わらないことを意味する「終始一貫」、論理的であるさまを意味する「ロジカル」などがあります。
支離滅裂の類語
支離滅裂の類語・類義語としては、まとまりのあるものが秩序を失い乱れることを意味する「四分五裂」、組織などがくずれて散り散りばらばらになることを意味する「分崩離析」、どうにもならないほどに壊れたり混乱したりすることを意味する「滅茶苦茶」などがあります。
理路整然の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の道理、文章や議論の筋道が整っている様子を表現したい時などが挙げられます。
理路整然という言葉は基本的には褒め言葉となりますが、例文4や例文5のように、理路整然が冷たいと受け取られネガティブな意味で用いられることもあります。
支離滅裂の例文
この言葉がよく使われる場面としては、筋道が立たないで、めちゃくちゃなことを表現したい時などが挙げられます。
支離滅裂という言葉は、上記の例文にあるように、筋道が立たない話や文章、統一性のない言動などを表現します。
理路整然と支離滅裂という言葉は、どちらも「文章や言動のありさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、筋道が整っている様子を表現したい時は「理路整然」を、筋道が立たない様子を表現したい時は「支離滅裂」を使うようにしましょう。