【ファスナー】と【チャック】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ファスナー」と「チャック」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ファスナー」と「チャック」という言葉は、「開け閉めできる留め具」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




ファスナーとチャックの違い

ファスナーとチャックの意味の違い

ファスナーとチャックの違いを分かりやすく言うと、ファスナーはアメリカでの呼称であり、チャックは日本での呼称であるという違いです。

ファスナーとチャックの使い方の違い

一つ目のファスナーを使った分かりやすい例としては、「ファスナーテープは両面テープであることをあとから知った」「ファスナーが壊れた時にはどう対処すればいいだろうか」「ファスナーが噛んだ場合むやみに動かしてはいけない」などがあります。

二つ目のチャックを使った分かりやすい例としては、「チャックつきのバッグであればひっくり返しても中身が出にくい」「チャックが壊れてしまったため新しいものを購入しようと思っている」「チャックが噛んでしまうのは盲点だった」などがあります。

ファスナーとチャックの使い分け方

ファスナーとチャックはどちらも、衣類などにつけられている開け閉めできる留め具を指し、使い方や意味はほとんど同じです。強いて言えば、地域によって呼び方が異なります。

ファスナーは、何度でも自在に開け閉めできる留め具を指し、アメリカで作られました。互いに噛み合う金属や合成樹脂の歯の上を金具を滑らせることで開閉できるようになっています。開閉時にジーッと音がなることから「ジッパー」とも呼ばれるようになります。

一方のチャックも同様に、袋や衣類などの開け閉めするところにつける用具を指します。日本でファスナー社が「チャック」と命名し、登録商標を取得したことでこの呼称が広まります。現在は、登録商標ではないため広く用いられるようになりました。

つまり、ファスナーはアメリカで多く用いられている呼称であり、チャックは日本で用いられている呼称であるという違いがあります。

ファスナーとチャックの英語表記の違い

ファスナーを英語にすると「fastener」「zipper」となり、例えば上記の「ファスナーテープ」を英語にすると「fastener tape」となります。

一方、チャックを英語にすると「zipper」となり、例えば上記の「チャックつきのバッグ」を英語にすると「a bag with a zipper」となります。

ファスナーの意味

ファスナーとは

ファスナーとは、何度でも自在に開け閉めできる留め具を意味しています。

ファスナーの使い方

ファスナーを使った分かりやすい例としては、「面ファスナーの財布は幼少期に持っていた」「ファスナー修理を兄にお願いしたら開閉がスムーズになった」「ファスナーテープにはオスとメスとに面が分けられている」などがあります。

その他にも、「ファスナーが噛んでしまってから全く動かなくなってしまった」「ファスナー付きのトートバッグの作り方を動画で調べる」「ファスナーが外れてしまった場合、ドライバーなどを使えば直る可能性がある」などがあります。

ファスナーは英語で「fastener」と表記され、「締め具」「留め具」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われ、互いに噛み合う歯を布テープに取り付け、金具を滑らせて開閉する留め具を指す言葉です。

ファスナーの由来

1891年に発明され、バッグやブーツを閉めるための仕組みとして用いられていました。1913年、開いてしまうことが多かったファスナーを改善し、開閉音がジーッという音を立てることから「ジッパー」とも呼ばれるようになります。

表現方法は「面ファスナー」

上記例文の「面ファスナー」とは、面と面を合わせてくっつけたり、剥がしたりすることができるテープ状のファスナーです。日本では「マジックテープ」が商標登録されており、一般的にも多く呼ばれている呼称です。

ファスナーの類語

ファスナーの類語・類義語としては衣服などの合わせ目に用いる小さな留め金具を意味する「スナップ」、ワイシャツの袖口を留め、装飾も兼ねた留め具を意味する「カフスボタン」などがあります。

チャックの意味

チャックとは

チャックとは、袋や衣類などの開け閉めするところにつける用具を意味しています。

チャックの使い方

チャックを使った分かりやすい例としては、「チャックを閉じて物が出ないようにしておいた」「チャックが固く、閉めるのに力が必要だった」「チャックを閉めた方が暖かいと分かっていても首元が閉まるのが嫌だった」などがあります。

その他にも、「チャックが噛んだ場合にはいつでも相談してと兄に言われた」「チャックを閉めるのが下手だ」「子どもの時はチャックをどこかにぶつけることが多かった」「チャックを開けると風通しがよくなる」などがあります。

チャックの由来

チャックは英語で「chuck」と表記され、「材料を固定する器具」「投げる」といった意味になることや、人名として用いられることもあり、日本語とは大きく異なります。英語圏で開け閉めをするためのチャックを表す場合には「zipper」が用いられます。

1927年、日本ではファスナーが「巾着」をもじった「チャック印」という名称で販売されてから評判となり、この呼称が定着し始めました。

また、その他にも、工具や加工物を周囲から締め付けて固定させる装置を意味する言葉として、「チャック装置」「チャック機構」などのように使われています。

チャックの類語

チャックの類語・類義語としては、鍵を差し込む本体部分が円筒状である錠を指す「シリンダー錠」、洋服などにつける留め金を意味する「ホック」、相互に噛み合うよう密着するようになっている面ファスナーを意味する「ベルクロ」などがあります。

ファスナーの例文

1.ファスナーが外れてしまったと子どもに言われ見てみたが修復不可能であることに気が付き、どうするか悩んでしまった。
2.今はエコバッグにもファスナー付きのものが多く、デザイン性も高いものが増えてきたように思う。
3.持っている保冷バッグにはファスナーが付いているため、冷気が少しは逃げないようになっている。
4.ファスナーはスライダーが通ることでその付近のエレメントと呼ばれる歯の部分が開き、ぴったりと噛み合うそうだ。
5.ファスナー合流をしたくとも譲らない人もいるそうで、渋滞している高速道路ではあまり走行したくないと思ってしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、何度でも自在に開け閉めできる留め具を意味する時などが挙げられます。

例文5の「ファスナー合流」とは、本線に合流する場所や車線が減る場所にて、合流車両と本線を走る車両とが1台ずつ交互に合流する方法を指し、留め具のファスナーに見立てた表現です。

チャックの例文

1.財布の中でチャックが噛んでしまい、お札を少し破ってしまったが、銀行へ持っていけば交換してくれるだろうか。
2.鞄のチャックが壊れてしまってからそのままだったのを見かねて、誕生日に新しい鞄を買ってくれた。
3.チャックという呼び方よりもジッパーやファスナーという呼び方の方が多いのだろうか。
4.チャックが付いているパーカーの金具がダメにならないように、強い力を加えないようにしている。
5.子どもたちにお口チャックと伝えるとすぐに静かにしてくれるため、終わった後にはチャックを開けるまでしている。

この言葉がよく使われる場面としては、袋や衣類などの開け閉めするところにつける用具を意味する時などが挙げられます。

例文5の「お口チャック」とは、チャックを閉じることを比喩として用いて「口を閉じて」「静かにしなさい」と伝える表現です。

ファスナーとチャックは、どちらも「開け閉めできる留め具」を表します。どちらを使うか迷った場合は、アメリカでの呼称を表す場合は「ファスナー」を、日本での呼称を表す場合は「チャック」を使うと覚えておけば間違いありません。

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