似た意味を持つ「がめつい」と「図々しい」(読み方:ずうずうしい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「がめつい」と「図々しい」という言葉は、どちらも自分勝手に振る舞うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「がめつい」と「図々しい」の違い
「がめつい」と「図々しい」の意味の違い
「がめつい」と「図々しい」の違いを分かりやすく言うと、「がめつい」とは利益が関係してる場合にのみ使える、「図々しい」とは利益が関係していなくても使えるという違いです。
「がめつい」と「図々しい」の使い方の違い
一つ目の「がめつい」を使った分かりやすい例としては、「彼女はお金のためなら何でもするがめつい人です」「がめつい女性とは付き合いたくありません」「がめつい人はいつか足元をすくわれると思います」などがあります。
二つ目の「図々しい」を使った分かりやすい例としては、「彼は図々しく居候を決め込む」「並んでいる列に割り込んでくるなんて図々しい人だ」「図々しいママ友とは縁を切りたい」「私は彼女の図々しい振る舞いが我慢できない」などがあります。
「がめつい」と「図々しい」の使い分け方
「がめつい」と「図々しい」はどちらも自分勝手に振る舞うことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「がめつい」は「彼はお金にがめつい男性です」「がめつい商売をしていたら酷い目にあった」などのよに、利益に対して抜け目がない場合にのみ使える言葉になります。
一方、「図々しい」は相手の都合や気持ちなどを全く考えずに身勝手に振る舞うことを意味しており、利益が関係していなくても使える言葉というのが違いです。
「がめつい」と「図々しい」の英語表記の違い
「がめつい」を英語にすると「grabby」「greedy」「predatory」「rapacious」となり、例えば上記の「彼女はお金のためなら何でもするがめつい人です」を英語にすると「she is so greedy he will do anything for money」となります。
一方、「図々しい」を英語にすると「impudent」「cheeky」となり、例えば上記の「私は彼女の図々しい振る舞いが我慢できない」を英語にすると「I can’t stand her impudent behavior」となります。
「がめつい」の意味
「がめつい」とは
「がめつい」とは、利益を得ることに積極的で抜け目がないことを意味しています。
表現方法は「お金にがめつい」「がめつい人」「がめつい女」
「お金にがめつい」「がめつい人」「がめつい女」「がめつい男」などが、「がめつい」を使った一般的な言い回しになります。
「がめつい」の使い方
「がめつい」を使った分かりやすい例としては、「彼はお金にがめついだけどの薄情な男です」「部長はがめつい人だなとつくづく思う」「がめつい女性とはあまり仲良くしたくないです」「彼はお金ためなら何でもするがめついやつだ」などがあります。
「がめつい」は利益を得ることに積極的で抜け目がないことを意味する言葉で、自分にとって得となることには貪欲に行動する人に対して使います。そのため、他人からは自分勝手な人と捉えられることが多いでしょう。
上記にも書いたように、「がめつい」は自分勝手や強欲という意味を含んでいる言葉なので、失礼なニュアンスを持っています。したがって、使う場所や場面は選ぶようにしましょう。
「がめつい」の語源
「がめつい」の語源は初演の菊田一夫の戯曲「がめつい奴」です。「がめつい」は元々関西の方言を元に作られた造語で、昭和34年から翌年まで公演された菊田一夫の戯曲のタイトルとして使われていました。
この戯曲「がめつい奴」が大ヒットとしたため流行語となり、「がめつい」が全国的に使われて標準語になったと言われています。
「がめつい」の類語
「がめつい」の類語・類義語としては、欲しがる気持ちが度を超えていることを意味する「欲深い」、心が狭くこせこせしていることを意味する「けち臭い」、非常に欲が深いことを意味する「貪欲」などがあります。
「図々しい」の意味
「図々しい」とは
「図々しい」とは、相手の都合や気持ちなどを全く考えずに身勝手に振る舞うことを意味しています。
「図々しい」を別の漢字表記すると、「図図しい」とすることができます。また、「図々しい」は当て字です。
表現方法は「図々しいお願い」「図々しい人」「図々しい女」
「図々しいお願い」「図々しい人」「図々しい女」などが、「図々しい」を使った一般的な言い回しになります。
「図々しい」の使い方
「図々しい」を使った分かりやすい例としては、「勝手に人の家に上がり込むなんて図々しい」「あなた相当図々しいねと言われてしまった」「図々しい人とはあまり仲良くしたくないです」「専務の図々しさは社内でも有名です」などがあります。
「図々しい」は相手の都合や気持ちなどを全く考えずに身勝手に振る舞うことを意味しており、マイナスなイメージで使う言葉です。したがって、他人に対して使用する場合は使う場所や場面は選ぶようにしましょう。
「図々しい」の語源
「図々しい」の語源は「図」(読み方:づ)を重ねて形容詞化したことです。そのため、「づうづうしい」が本来の形になります。「図」は漢語で企みや計画などの意味を持っており、これが転じて「図に乗る」や「図に当たる」などの日本語が生まれました。
そしてこれがさらに転じて、相手の都合や気持ちなどを全く考えずに身勝手に振る舞うことを「図々しい」と言うようになったと言われています。
「図々しい」の類語
「図々しい」の類語・類義語としては、行動や態度に慎みがないことを意味する「厚かましい」、開き直っていて図太いことを意味する「ふてぶてしい」、身の程を弁えないことを意味する「おこがましい」などがあります。
「がめつい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、利益を得ることに積極的で抜け目がないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「がめつい」はどちらかというとマイナスのイメージで使われている言葉です。
「図々しい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の都合や気持ちなどを全く考えずに身勝手に振る舞うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「図々しい」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「がめつい」と「図々しい」はどちらも自分勝手に振る舞うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、利益が関係してる場合にのみ使えるのが「がめつい」、利益が関係していなくても使えるのが「図々しい」と覚えておきましょう。