似た意味を持つ「予行練習」(読み方:よこうれんしゅう)と「予行演習」(読み方:よこうえんしゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「予行練習」と「予行演習」という言葉は、どちらも「本番と同じように実施する練習」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
予行練習と予行演習の違い
予行練習と予行演習の意味の違い
予行練習と予行演習の違いを分かりやすく言うと、予行演習よりも予行練習の方が、一般的に使用されているという違いです。
予行練習と予行演習の使い方の違い
一つ目の予行練習を使った分かりやすい例としては、「今日は運動会の予行練習を行いました」「家で本格的なキャンプの予行練習をしました」「クリスマスパレードの予行練習を見ました」「予行練習なしのぶっつけ本番です」などがあります。
二つ目の予行演習を使った分かりやすい例としては、「祝賀式典の予行演習を実施しました」「英語セッションの公開予行演習をやりました」「予行演習は終わり本番を待つのみです」「予行演習の後にビールで乾杯しました」などがあります。
予行練習と予行演習の使い分け方
予行練習と予行演習という言葉は、どちらもイベントなどの前に本番に近い状態で行う練習を意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、予行練習の方が予行演習よりも一般的に使われているという点です。
二つの言葉の相違点である「練習」は上達するように繰り返して習うこと、「演習」は慣れるために繰り返し習うことを意味し、ニュアンスに若干の違いはありますが、ほぼ同義として使用されています。同じように使用できる言葉ですが、実際には予行練習の方が用いられる傾向があります。
ただし、「演習」という言葉には、軍事行動の練習という意味もあるため、軍事訓練に関するものには予行演習と表現することが多くなっています。
予行練習と予行演習の英語表記の違い
予行練習も予行演習も英語にすると「rehearsal」「dry run」となり、例えば上記の「運動会の予行練習」を英語にすると「the athletic meet rehearsal」となります。
予行練習の意味
予行練習とは
予行練習とは、あらかじめ本番と同様の規模や環境で実施する練習を意味しています。
予行練習の使い方
予行練習を使った分かりやすい例としては、「体育祭の予行練習を実施しました」「予行練習1日目が終わりました」「ブルーインパルスの予行練習はいつですか」「英語でのアナウンス予行練習を行いました」などがあります。
その他にも、「明日は英語劇の予行練習をする予定です」「予行練習や本番当日の段取りを立てる」「児童が観客となって予行練習をしました」「保育園で発表会の予行練習が行われました」などがあります。
予行練習の「予行」は前もって行うことを表し、「練習」は一定の作業を反復して技術を身につけることを表します。予行練習とは、運動会や発表会などのイベントの前に行う、本番に近い状態での練習を意味します。
予行練習は辞書によっては掲載されていない言葉
予行練習という言葉は、辞書によっては掲載されていない言葉です。そのため、予行練習は予行演習の間違いではないかと考える人もいますが、誤りではなく以前から使用されている言葉であり、予行演習と同じように使うことができます。
予行練習の対義語
予行練習の対義語・反対語としては、テストやリハーサルでなく実際に行うことを意味する「本番」などがあります。
予行練習の類語
予行練習の類語・類義語としては、演劇や音楽などで本番前に行うけいこを意味する「リハーサル」、本舞台に出る前に稽古しておくことを意味する「前稽古」、演劇や舞踊などで公演に先立ち本番どおりのけいこをすることを意味する「総ざらい」などがあります。
予行演習の意味
予行演習とは
予行演習とは、催事などの前に、実際どおりに練習することを意味しています。
予行演習の読み方
予行演習の読み方は「よこうえんしゅう」です。誤って「よぎょうえんしゅう」「よこうえんじゅう」などと読まないようにしましょう。
予行演習の使い方
予行演習を使った分かりやすい例としては、「卒業式の予行演習をする」「運動会の予行演習で失敗してしまった」「しっかり予行演習を積んでおこう」「ビジネスマナー講座の予行演習を行いました」などがあります。
その他にも、「ブルーインパルスの予行演習が行われました」「下見や予行演習等の入念な準備をしている」「予行演習のフィードバックを行う」「小松基地航空祭の予行演習を見る」「英語でのプレゼンテーションの予行演習をする」などがあります。
予行演習の「演習」は、学問や技芸などを繰り返して習うことを意味します。前もって行うことを表す「予行」と組み合わさり、予行演習とは、催事やイベント等の本番を想定して行う本格的な練習のことです。
予行演習は予行練習とほとんど同じ意味を持つので、どちらの言葉を使っても問題ないのですが、しいて言えば「予行練習」の方が使用される頻度が高くなっています。ただし、「演習」には「軍事行動の練習」の意味があるため、軍事訓練に関しては「予行演習」の方が用いられています。
予行演習の対義語
予行演習の対義語・反対語としては、演習などではない実地の戦いを意味する「実戦」などがあります。
予行演習の類語
予行演習の類語・類義語としては、本番に備えて前もって練習しておくことを意味する「下稽古」、儀式などの予行演習をすることを意味する「修礼」、リハーサルの略を意味する「リハ」などがあります。
予行練習の例文
この言葉がよく使われる場面としては、本番を見据えて同じことを繰り返すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、予行練習の慣用的な言い回しには「予行練習を行う」「予行練習を実施する」「〇〇の予行練習」などがあります。予行練習とは、イベントなどの開催前に本番に近い状態で行う練習を指す言葉です。
予行演習の例文
この言葉がよく使われる場面としては、催事の前に、あらかじめ当日のままのかたちで行うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、予行演習の慣用的な言い回し、慣用的な表現には「予行演習を実施する」「予行演習を行う」「〇〇の予行演習」などがあります。予行演習とは、イベントなどの前に本番どおりに練習することです。
予行練習と予行演習という言葉は、どちらも「前もって本番のように実施する練習」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に用いられている「予行練習」を使えばよいでしょう。ただし、軍事訓練に関しては「予行演習」を使用する方が適切です。