【メリット】と【ベネフィット】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「メリット」と「ベネフィット」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「メリット」と「ベネフィット」という言葉は、「利益や価値」を表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




メリットとベネフィットの違い

メリットとベネフィットの意味の違い

メリットとベネフィットの違いを分かりやすく言うと、メリットは全般的な利益を表現する時に使い、ベネフィットは消費者の利益を表現する時に使うという違いです。

メリットとベネフィットの使い方の違い

一つ目のメリットを使った分かりやすい例としては、「多くのメリットがあるのであれば一考の余地はある」「この取引は双方にメリットがあると言われて納得した」「自分としては引き受けるメリットがなかった」などがあります。

二つ目のベネフィットを使った分かりやすい例としては、「ユーザーベネフィットは重要な役割を担っている」「ベネフィットが得られて満足したというレビューが多く安心して購入した」「ベネフィット比を数値で確認したい」などがあります。

メリットとベネフィットの使い分け方

メリットとベネフィットはどちらも、利益や価値を意味する言葉として使われていますが、使い方が若干異なります。

メリットは利点を意味しますが、長所や美点といった意味、さらには手柄や功績という意味も持ちます。そのため、上記例文の「双方にメリットがある」など、利益を得る人が限定されることはありません。

一方のベネフィットも利益を表しますが、上記例文の「ベネフィットが得られた」などのように、商品やサービスを利用した顧客が得たり感じた価値や効果を指す言葉として使われています。

つまり、メリットは利点や価値があると感じる人であれば制限なく使うことができますが、ベネフィットは顧客らが得る利益を指す場合に使うため。生産者側が獲る利益に対してベネフィットを使うことはありません。

メリットとベネフィットの英語表記の違い

メリットを英語にすると「merit」となり、例えば上記の「多くのメリットを持つ」を英語にすると「have many merits」となります。

一方、ベネフィットを英語にすると「benefit」となり、例えば上記の「ユーザーベネフィット」を英語にすると「a user benefit」となります。

メリットの意味

メリットとは

メリットとは、利点や価値を意味しています。

その他にも、長所や美点、功績や手柄も意味します。

表現方法は「メリットがある」「メリットがない」「メリットを享受する」

「メリットがある」「メリットがない」「メリットを享受する」などが、メリットを使った一般的な言い回しです。

メリットの使い方

「スケールメリットは博打のような考え方にも思える」「今後生じるだろうメリットが少なすぎる」「どんなメリットがあるのか分からないまま上司の言葉通りにしている」などの文中で使われているメリットは、「利点」の意味で使われています。

一方、「チェキは撮った写真がすぐに現像されるというメリットがある」「メリットを生かした売り込み方は好評だった」「車での旅行はプライベートな空間が保たれるというメリットがある」などの文中で使われているメリットは、「美点」の意味で使われています。

メリットは英語で「merit」と表記され、価値、長所や美点、手柄といった意味を持ちますが、直接的に利益を表す言葉としては使われていません。そのため、英語で利益を表す時には「advantage」などが使われています。

「スケールメリット」の意味

上記例文の「スケールメリット」とは、同じ種類のものが多く集まることで得られる大きな利益や効果を指す言葉で、「規模の経済」「規模のメリット」などとも言われています。

例えば、生産業において同じ種類のものを多く作ることでコスト削減が見込めるため、単価が下がり、それら大量生産したものを安く売ることで多くの消費者に購入してもらい、少数の生産を行うよりも利益を出すという仕組みがスケールメリットに該当します。

メリットの対義語

メリットの対義語・反対語としては、欠点や短所を意味する「デメリット」があります。

メリットの類語

メリットの類語・類義語としては、すぐれた点を意味する「特長」、とりたてて優秀な点を意味する「取り柄」、他と異なっている点を意味する「特色」、売り込みに主張される長所や人を惹きつけるような魅力を意味する「セールスポイント」などがあります。

ベネフィットの意味

ベネフィットとは

ベネフィットとは、利益や恩恵を意味しています。

表現方法は「ベネフィットを伝える」「ベネフィットを与える」「ベネフィットを得る」

「ベネフィットを伝える」「ベネフィットを与える」「ベネフィットを得る」などが、ベネフィットを使った一般的な言い回しです。

ベネフィットの使い方

ベネフィットを使った分かりやすい例としては、「ユーザーベネフィットの役割は非常に大きい」「ベネフィットがコストを上回る結果に終わったのはメンバーのおかげだ」「ベネフィットは後から付いてくるものだと思っていた」などがあります。

その他にも、「コア・ベネフィット・レベルは多くの人の共通認識とも言える」「リスクとベネフィット比を考慮すれば中止するしかないだろう」「ベネフィット分析を有効に活用して製品と消費者の繋がり方を確認する」などがあります。

ベネフィットは英語で「benefit」と表記され、利益、給付や手当を意味する言葉として使われています。特に個人や集団にとっての幸せにつながるような利益に対して使われることに対して使われています。

「ユーザーベネフィット」の意味

上記例文の「ユーザーベネフィット」とは、消費者や顧客が商品やサービスから得られる利益や利点を意味する言葉です。こういった表現もされることから、顧客や消費者らが得た利益や利点を指すことがほとんどで、生産側の利益に対しては使われていません。

「コア・ベネフィット・レベル」の意味

また、上記例文の「コア・ベネフィット・レベル」は、顧客が求める最も基本的な製品やサービスのレベルを指す言葉で、例えば、様々な機能が付属している冷蔵庫に求められる一番の機能は食品などを冷やすことであり、この最低限のレベルを表す時に使われます。

ベネフィットの対義語

ベネフィットの対義語・反対語としては、危険が生じる可能性を意味する「リスク」、失うことを意味する「ロス」があります。

ベネフィットの類語

ベネフィットの類語・類義語としては、商売を通じて得た金銭的な利益を意味する「プロフィット」、事業などで利益を得ることを意味する「収益」、儲けや取り分を意味する「得分」、実際の利益や効果を意味する「実利」などがあります。

メリットの例文

1.彼は自分にメリットが無かったとしても誰かの助けになるようなことであれば平気で取り組んでしまう人だった。
2.電子マネーのメリットは小銭や財布を持ち歩かずとも簡単な支払いであれば簡単にできてしまう点がまず挙げられるだろう。
3.ついメリット表示を見て購入する商品を選んでしまうが、実際は大して変わらないのかもしれないとも感じている。
4.老後は地方で暮らしたいと零していた母だが、メリットもあればデメリットもあるためしっかりと話しをしてから応援したい。
5.インターネットのおかげで天気予報を逐一調べることができるようになったのは、大きなメリットだと思っている。
6.スマホは便利でメリットも多い反面、ネット依存症になってしまうなどデメリットもあるので利用には自分なりのルールが必要だ。
7.やりたい人は常にやった場合のメリットに目を向けるし、やりたくない人は常にやった場合のデメリットに目を向ける。結局やりたいかどうかなのだ。
8.今の若手社員はその仕事にメリットがあるかないかでしか、物事を考えていないような気がします。
9.そんな馬鹿なことをしても君たちにとってなんのメリットもないのだからすぐにやめるべきだ。
10.電子書籍の最大のメリットは、いつでもどこでも気軽にたくさんの本を持ち歩いて読めることだ。

この言葉がよく使われる場面としては、利点や価値などが挙げられます。

また、美点や長所など、すぐれた点を意味する言葉としても使われています。

例文3の「メリット表示」とは、加工食品の包装などに記載される高品質を表すための表示を指す言葉で、「国産」「手作り」「天然」などの表記が該当します。

ベネフィットの例文

1.コストとベネフィットをしっかりと天秤にかけてプロジェクトを動かしていかなければ、赤字を抱えて失敗に終わることもあるだろう。
2.ベネフィット分析をもとに、今回の反省を行い、次回から役立てられるよう報告書を書くように言われた。
3.リスクとベネフィットの説明をきちんとされたうえで、病院での治療や手術などを行うことを決定する権利を患者は持っている。
4.ベネフィットの向上を第一の目標として、どのような方針で進めていくべきなのか具体的に講じられた。
5.ベネフィットコンサートに足を運んだ際、自身の費やしたお金が誰かの役に立つのは嬉しいものだと感じた。
6.ユーザーベネフィットのために、例えば環境破壊や労働力搾取など、何かが犠牲になっているのではないかと考える事は重要だ。
7.マーケティング講座で、モノを売るときは商品の特長ではなく手間が減る、お得などメリットの先のベネフィットを意識することが大切だと言われた。
8.社長からベネフィットは後から付いてくるものだと言われたが、一向に上向きにならない。
9.あの改造車は見た目が奇抜なだけで、快適に走るというコア・ベネフィット・レベルを満たしているようには見えない。
10.行政の分野における公共事業の有効性を計る指標としてコスト・ベネフィット分析がある。

この言葉がよく使われる場面としては、利益や恩恵などが挙げられます。

例文5の「ベネフィットコンサート」とは、収益として得た金銭の全額もしくは一部を慈善団体に寄付する目的で開催されるコンサートを指す言葉で、「チャリティーコンサート」とも呼ばれています。

メリットとベネフィットは、どちらも「利益や価値」を表します。どちらを使うか迷った場合は、全般的な利益を表す場合は「メリット」を、消費者の利益を表す場合は「ベネフィット」を使うと覚えておけば間違いありません。

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